行政書士は、多くの人が受験する試験です。
資格として高い人気を誇り、毎年多くの人が合格を目指しています。
さまざまなな可能性を秘めている資格なので、どのような難易度なのか考えてみることが必要です。
資格としての行政書士試験の価値
行政書士は、古くからある国家資格の一つです。
以前は街の法律家とも呼ばれてました。
行政書士の主な仕事は、許可申請・権利関係・事実証明の3つです。
もっと端的に言えば、各種許可申請ということになるでしょう。
ただし、範囲は驚くほど広く、現在は1万種類とも言われる内容を相手にする仕事です。
世の中に必要となる書類には、多種多様ななものがあります。
その中でも役所に提出する書類の手続きの代行をするのが行政書士です。
こうした書類の多くは自分で出すこともできますが、不備があればさし返されてしまいます。
素人では作成も難しく、理解するだけでも時間がかかるので、行政書士のような資格を持った専門家が必要になるのです。
事実証明に関する書類も行政書士の仕事の範囲です。
権利関係に関する事実証明は、自らの意思を表示するといった大きな役割を持ちます。
交渉の場面でも必要になる書類で、何が存在するのかはっきりとさせるために作られるものです。
代理人としても活躍するのが行政書士で、こうした側面から代書屋と呼ばれてきました。
常に広い範囲を相手にしているわけですが、全て資格がなければできないわけではないのです。
ただし、必要な範囲は非常に広いことからも、多くの行政書士が活躍してきたと言えます。
行政書士がいなければ、高い知識が必要な書類も、すべて自分で作らなければいけません。
時間もかかりますし、個別にせんもの知識が必要です。
一般の生活をしていると、縁遠いに書類も出てきます。
こうした書類の作成を依頼できるので、行政書士の存在は大きな価値を持つのです。
例えば車庫証明ひとつをとっても、だれもが簡単に申請できるわけではありません。
根本的な部分として。一体どこに申請するのかからスタートしてしまうことも珍しくないからです。
書類の内容以前の問題でもありますが、行政書士という専門家に依頼することによって、スムーズに進められるというだけでも大きな価値を持ちます。
資格としても、それだけ魅力ある存在と言えるのです。
行政書士の資格試験としての難易度
資格試験として考えた場合、行政書士は法律の国家資格としては難易度は入門と位置づけられてきました。
法律系の資格の頂点にあるのが弁護士資格ですが、法律系のすべての資格に使うことができるほどの知識が必要です。
この難易度と比較してみた時に、行政書士試験は非常に簡単と評価されます。
確かに法律の知識としては、入門レベルかもしれません。
これはあくまでも法律が分かる人にとっての入門レベルとの評価なのがポイントです。
法律初学者にとって、法律の勉強をするだけでも非常に困難を極めます。
扱っている言葉から異なりますし、一般生活で使われている意味と異なるものすら存在するのです。
専門の用語も多数ありますし、権利関係などを複雑なものも少なくありません。
こうした勉強をしていくということは、一般の人から見ればかなりの難易度になのです。
実際に合格率を見ると、毎年10%前後で推移していることがわかります。
行政書士の試験には、多くの人はチャレンジできると言う面で、この難易度は正確ではないと言われることもあります。
勉強などをした準備もせず記念に受験すると言った人まで現れてきてるのは、間違いありません。
しかし、こうした現象は他の資格でも多かれ少なかれ出てくるものです。
それを差し引いたとしても、10人に1人しか合格できていない現状から、難易度は低いわけではありません。
行政書士試験には、足切りという問題が出てきます。
資格試験として難易度を高めているポイントですが、一般知識の問題が大きな分かれ目になるのです。
法律の資格試験ですが、出題は法律だけではありません。
現代文のような出題が出てくる一般知識も、点数を取らなければ合格できない仕組みです。
一般知識では、56点満点中24点以上内容としては40%以上の得点がなければ足切りされます。
仮に法令の問題を100%答えられたとしても、一般知識で40%以下になると足切りで不合格となるのです。
この一般知識の問題が、行政書士の資格試験の大きな壁となります。
難易度を引き上げてるポイントでもあり、受験生泣かせの出題とも言えるでしょう。
実際に通信教育などでも合格するまでに必要な時間は、500時間程度と設定しています。
一口に500時間と言うと短そうに見えますが、1日3時間の勉強で半年近くかかることになるでしょう。
現在の生活を考えてみて、1日3時間の勉強時間が取れるかどうか、毎日取れるという人はそこまで多いはずはありません。
そこまで勉強しなければ合格できない可能性があるのですから、難易度は推して知るべしということになるのです。
行政書士試験には受験資格はない？
行政書士は受験資格が存在せず、誰でも受験することができる法律の資格です。
非常に幅広い人達に受験する機会を与えているといえます。
誰でも受験できるということは、法律を専門的に勉強したり業務として扱ってきていない人にとっても受験できる資格になるのです。
行政書士という資格的な部分を考えれば、さまざまなな知識を持って臨まなければいけません。
1万種類とも言われている業務内容に対応できる準備として見ても、相当な知識が必要になります。
それでもこれまで多くの人が受験してきました。
受験資格がないということが、行政書士試験の難易度にも影響していると言われます。
だれでも受験できるということで、下準備もなしに受験する人が出てくるからです。
中には記念受験として受ける人もいますし、申し込みだけして受験しないという人も出てきます。
ほかの資格試験でも少なからず発生はしていますが、受験資格はないので、こうした人数が多いことは確かです。
実際に10%しか合格していないという現実があります。
合格した人の全てが、行政書士の登録をして独立開業するわけでもありません。
かなりの費用も必要になることから、合格するだけ合格して開業しないという選択をとる人もいるのです。
近年は受験資格がないと言っても、合格率が上昇してきているのも確かです
この背景にあるのが、弁護士資格試験の変化で、近年内容が変わり受験回数に制限がかかるようになりました。
結果として弁護士になることができず、知識を生かすために行政書士の資格試験に応募する人が増えているのです。
弁護士の勉強をしてきた人にとって、行政書士の範囲は決して難しいものではありません。
一般知識などの試験があるので、必ず合格できるというわけではありませんが、法律の専門家を目指していたことを考慮しても苦戦するとまではいかないでしょう。
受験者数が減少してきている中でも、合格者数はほぼ変わらない数字を叩き出してきている理由といわれます。
つまり、行政書士試験が簡単になったわけではなく、応募者の中に法律の熟練者が増えてきており、合格率を押し上げているといえるのです。
受験者数が減っても、合格率は上がる理由としても分かりやすいでしょう。
行政書士試験後の資格の活かし方
行政書士の試験は合格しただけでは、資格を生かして活躍できません。
資格を得られるだけで、このままでは名乗ることもできないのです。
行政書士を名乗るためには、行政書士会に登録する必要があります。
登録には一定要件があり、満たしていない場合には欠格事由として断られる場合もあるのです。
だれでも受験できますが、だれでも行政書士の資格を活かせるわけではないことになります。
実際に行政書士になるためには、独立開業が基本です。
どこかの企業に勤めながら行政書士の資格を活かした仕事をすることは可能ですが、行政書士と名乗ることはできません。
資格を活かす要件のひとつとなっているからです。
さまざまな要件が関わる行政書士ですが、非常に多くのことができる資格です。
基本は許認可申請、権利関係、事実証明という3つの柱になります。
役所に提出する書類の代行手続きや権利関係に関する書類、事実証明書類の作成などが主な業務です。
ほかにも代理人として契約や書類の作成なども行政書士の大事な仕事になります。
行政書士は資格を生かし、多くの場面で活躍する仕事なのです。
資格を生かせる場面でも、すべて行政書士が必要というわけではありません。
行政書士が間に入るからこそ、安心できるといったレベルにななるのです。
自分でできる人は、すべてこなしてしも構いませんが、それだけの時間と労力を必要とします。
行政書士は、こうした内容の肩代わりをするといった存在なのです。
利用価値を知った人は、自分でやるより、行政書士に依頼したほうが効率が良いことに気が付きます。
行政書士として資格を生かして仕事をするためには、顧客が必要です。
資格試験に合格すれば、独立して仕事になるというわけではありません。
依頼してくれる顧客がいなければ、経営として成り立たないのです。
非常に大きなポイントですが、資格試験に受験する前の段階から将来像を考えておかなければいけないでしょう。
これまで自分が作り上げてきた人間関係も生かし、行政書士の資格につなげていけるかどうか、判断が必要です。
こうしたコネクションがうまく使えないのであれば、独立開業した当初はかなり苦戦するからです。
生活をしても売上げを上げなければけないため、能力を生かすために実務講座の利用も検討しておくと良いでしょう。
知識を増やし、仕事を取るためにプラスになるからです。
まとめ
行政書士の資格は、非常に人気があります。
試験としての難易度は決して低くありませんが、独立開業できるチャンスが待っているからです。
将来的な部分まで見据えて受験する必要がありますが、何よりも試験は簡単ではありません。
時間をかけての対策が必要になるので、一年単位でスケジュールを組み、試験に臨めるようにすると良いでしょう。
