新規事業を成功につなげる進め方とは?
2021.08.18
新規事業企業のビジネスにおいて、既存事業とは別に新たに新規事業の立ち上げを考える動きが増えてきています。時代の流れによってユーザーの趣味嗜好は異なり、流行り廃りのスピードも速くなってきています。またそこに昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、今までまかり通っていたビジネスが通用しなくなってきていることも要因の一つにあります。例えば、接客ビジネスは新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。感染リスクの高いウイルスの影響から対面での接客が難しくなり、オンラインでの接客に活路を見出す企業も増えてきています。このように、新規事業の重要性は非常に高まっていますが、闇雲に新規ビジネスを始めても成功につながることはありません。目的やターゲットをふまえた新規事業の進め方を考えなければ、失敗してしまう可能性は大いにあり得ます。今回は、新規事業を成功につなげるための進め方について紹介していきます。
目次
新規事業を効果的に進める方法とは?
新規事業を効果的に進めるためには、何をもとに新規事業を始めるのかという目的を事前にはっきりさせておくことが重要です。一般的に新規事業というと「最新で流行っていて」「高性能な機能が搭載されていて」「話題性があれば」といった形で安易に始めてしまう企業が多く見受けられますが、目的のない漠然とした新規事業は必ず失敗してしまいます。また、既存事業をブラッシュアップすることを新規事業と捉える企業もいますが、これも間違いです。新規事業とは、今ある事業とは別に、収益につなげる事業を考えることにあり、仮に既存事業が上手くいかなかったとしても、減収の幅を抑えるリスク分散の意味合いもあります。そのため、既存事業をブラッシュアップしてもそれは既存事業でしかなく、新規事業とはいえません。効果的な新規事業の進め方には、まずこの違いを理解し、その上で目的をはっきりさせておく必要があります。
効果的な新規事業の進め方 ‐目的とターゲットの把握‐
効果的な新規事業の進め方その1は、目的とターゲットを把握することです。何を目的とし、そのためにどういったターゲットを狙っていくのかということです。ここがブレてしまうと、その後の進め方にも大きく影響してきます。目的とは、購入や資料請求といったコンバージョンに尽きると思いますが、数年後を見据え、何をいつまでに何件といった獲得目標まで目安を設けておくとより効果的です。また、そこにプラスして必要になってくるのがターゲットです。法人向けなのか、エンドユーザー向けなのか、実際に目的をふまえ展開していくサービスや商材を誰に向けて訴求していくのか、誰がどういったシーンで使うイメージなのかをはっきりさせておく必要があります。またこの目的とターゲットは、事前に社内で共有しておくことも、今後の進め方を効率化する上で重要です。
効果的な新規事業の進め方 ‐ビジネスモデルの精査‐
続いて新規事業の進め方その2は、ビジネスモデルの精査を行うことです。どういったサービスや商材を、いつどこで誰にどのようにコンバージョンしてもらうのか、モデルとなる流れを精査しておくことが重要です。新規事業をいきなり始めても、すぐに企業として利益を生みだしてくれるとは限りません。中長期的に見た場合に、どれくらいでマネタイズできるのか、事前に試算しておくと、運用後の効果検証や改善策につなげやすくもなります。同じような商材であっても、アプローチの仕方によって利益は大きく異なります。例えば、商材を店頭で販売するのと、ネットを活用するのではその後の進め方も変わりますし、その結果得られる利益も変わるでしょう。先ほどふれた目的やターゲットをふまえ、サービスや商材の特性を活かしながらビジネスモデルを精査することが重要です。
効果的な新規事業の進め方 ‐市場調査‐
もう一つ、効果的な新規事業の進め方として、事前の市場調査があります。どのようなサービスや商材であったとしても、事前に市場調査しておくことは非常に重要です。目的やターゲットをふまえて精査したビジネスモデルが、はたして市場のニーズとマッチしているのか、これから期待できるのかなどを想定せずに進めてしまうと、仮に想定と違った場合に大きな損害につながってしまいかねません。また狙いたいビジネスモデルは、既に別の企業が実施していて参入の余地がないということもあります。こちらも数年先を見据え、見込みのあるビジネスモデルかどうか、事前に市場調査を行うことをオススメします。昨今では、インターネット上で他社の新規事業の結果などを紹介しているケースも多くあります。成功体験だけでなく、失敗体験なども紹介されていますので、自社の目指す新規事業に近しいものがあれば、事前に参考にし、可能性があるのかどうか確認しておくと効果的です。
新規事業を成功につなげる進め方のポイントとは?
競争の激しいビジネス業界の中にあって、新規事業を成功に導くのは非常に大変です。先ほどふれた市場調査の中で、自社の目指す新規事業に近しい内容がインターネット上に掲載されていれば、既に他社が実施していると思われ、それだけでレッドオーシャンの可能性が高くなります。とはいえ、昨今の情報化社会において、ブルーオーシャンのビジネスチャンスを見つけることは至難の業といえるでしょう。その中でもいかにブルーオーシャンに近い業界や業種を見つけ出し。他者にはない違いや強みを打ち出して訴求できるかが、新規事業を成功につなげる進め方のポイントになります。
「人・物・金・情報」を押さえる
効果的に新規事業を成功につなげるためには、先ほど紹介した要素とあわせ、今の自社の状況を理解しておくことが欠かせません。新規事業を成功に導くためには、自社の協力を最大限活かした進め方が重要になります。その中で、特に押さえておくべきポイントが、一般的に「人・物・金・情報」と呼ばれる要素です。
人とは、新規事業を担当する人材です。知識やノウハウ、経験だけでなく、社内調整も行えるような信頼された人材が重要です。社内で賄えれば問題ありませんが、新規事業を専門に担当する人材を社外から募集するという手法もあります。そのくらい新規事業を担当する人材選びは重要です。
物とは、既に自社で持っている資産になります。既存事業もそうですが、自社で所有している技術やノウハウなどで、新規事業で活用できるものがあれば積極的に活用していくと効果的です。
金とは、その名の通り資金ですが、新規事業を行うにあたってどれくらいの予算を充てることができるのかを確認しておくことは欠かせません。新規事業の結果得られる利益を見据え、短期的な部分と中長期的な部分で想定しておくことが重要です。
最後に情報とは、先ほどふれた市場調査などのことを指します。様々な観点からリサーチを行い、市場規模や競合分析、トレンド調査などを行うことが重要です。また、自社の取引先や外部の知り合いなどから情報収集することも効果的です。
このような4つの要素は、成功に導く新規事業の進め方には必要不可欠です。
アイディア出しとスピードが重要
続いて、新規事業の進め方で大切なのは、アイディア出しとスピードです。新規事業においてこの2つの要素が一番重要といっても過言ではありません。いかに他社が真似していない商材やサービスを、より早く生み出すことができるかがカギになります。ここが一番難しいのですが、効果的な進め方としては、企業目線ではなく、顧客目線でアイディア出しを行うことが重要です。いくら企業側が優れていると思っても、顧客側に響かなければ利益を生むことはありません。この点は、「今どういったニーズがあるのか」「顧客は今何で困っているのか」という点を深堀すると見えてきやすくなります。また、群雄割拠の世の中において、いかにその商材やサービスを世に提供するか、スピード感も重要です。他社に目をつけられる前に、市場をリードしていくためには、スピード感は欠かせません。そのためには、社内の承認や提携先との調整などを円滑に行うことも重要なポイントです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、新規事業を成功につなげるための進め方について紹介してきました。昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、新規事業に参入してきている企業は非常に増えています。その中で、成功に導く新規事業を構築するためには、他者にはないアイディアやスピードで、一本も二歩もリードしていかなければなりません。今回紹介した進め方やポイントをふまえ、効果的に新規事業を構築していきましょう。