新規事業開発を成功に導くには?
2021.06.30
新規事業昨今の新型コロナウイルスの影響や、目まぐるしく変わるユーザーニーズに合わせて、新規事業を考えているという方も多いかと思います。ただ、新規事業の開発はそんなに簡単なものではありません。ターゲットや市場動向を踏まえて事前調査を行い、他社がまだ考えていない側面でのアイディアを生み出し、且つその企画に関して社内調整を行いながら実行に移し、何度も効果検証を重ねながら、会社のビジネスとして利益につなげていく必要があります。
昨今の新規事業に対するニーズの高まりによって、「とりあえず始めてみた」「この業界は儲かりそうだから」「自社でも簡単にできそうだから」といった形で安易に着手する企業も少なくありません。このような新規事業の開発では、事業として成功に導くことは難しいでしょう。
誰でも考えつくようなサービスや商品は、競合他社も同じように考え、自然と競争が激しくなります。新規事業開発を成功に導くカギは、いかに自社の強みを活かし、競合と打ち勝つことができるゾーンを探し出すかにかかっているといっても過言ではありません。今回は、このような新規事業開発を成功に導くためのポイントについて紹介していきます。
目次
なぜ今新規事業の開発を行うのか
企業が展開するサービスや商品において、絶対的なものはなく、常にブラッシュアップが求められています。技術が向上したり、市場におけるニーズが変わったり、時代によって消費者の求める欲求は変わり、企業は絶えずそれらを汲み取りながら最善のサービスを提供していく必要があります。昨今では、インターネットをはじめSNSの流行などもあり、ユーザーニーズの高まりと衰退までのスピードは非常に早くなってきています。
例えば、新型コロナウイルスの影響によって、今まで対面でサービス提供を行っていた企業は大きな打撃を受けました。それまでは、対面でやり取りを行うことが一般的なものとして認識されていましたが、いざそれが出来なくなると、サービス自体の提供が難しくなり、企業において存続にかかわる大きな痛手につながってしまっています。そこで、オンラインに活路を見出すべく、新規事業の開発を行う企業がここ最近では非常に増えています。
変わりゆく時流の中で、企業が生き残っていくためには新規事業の開発は欠かせません。既存事業のブラッシュアップでも構いませんが、よりリスクを分散し、企業としての柱を新たに設けるためには新規事業が重要になってきます。
イノベーションを理解する
新規事業を考える際に、イノベーションという言葉をよく聞きます。このイノベーションとは、今まで培ったサービスや商品、その仕組みなどに対して新たなプラスとなる技術や考え方を取り入れ、そこから更に新しい価値を生み出すことで、革新や変革をもたらすことを指します。ただ、このイノベーションというものを、何となく新しいことへの挑戦のような形で漠然とした意義で捉えている方も多くいらっしゃいます。確かに、新しいことへの挑戦は、イノベーションの持つ定義の一つではありますが、基本的には、これまでにないサービスや商品、今はまだ世に出ていない新たなものを生み出すことにあります。
新規事業開発を考える際には、イノベーションという言葉が独り歩きし、この言葉に捉われすぎるあまり、逆に新規事業開発の障害になってしまうことも少なくありません。あくまでイノベーションは新しい価値を生み出すという言葉程度で理解しておき、そこに捉われすぎないことが新規事業開発の成功への近道でもあります。
市場理解とアイディアが成功のカギ
新規事業の開発には、市場理解とアイディアの創出が欠かせません。そのためには、自社のことをまず理解する必要があります。強みはどこにあり、どういった展開が可能なのかを模索した上で、市場調査につなげていきましょう。目的が明確でないまま、漠然と市場調査をしたり、アイディア出しを行ったりしても効率的ではありません。
イントレプレナーを目指そう
イントレプレナーとは、「社内起業家」や「企業内起業家」とも表現される、企業内で新規事業の立ち上げにリーダーとして関わる人材のことを指します。新たな市場を開拓できる優秀な人材というのは、新規事業開発を行う上では欠かせません。一方で、このような優秀な人材というのはどの企業も人材不足傾向にあり、一から教育しながら行うケースの方が多くあります。
また一から教育といっても、研修制度があるわけでもなく、担当者が自身で学習して身につけるケースがほとんどとなります。イントレプレナーを目指したい人材がいれば別ですが、一般的には他業務と兼業で新規事業開発に携わることが多いかと思います。そのような中で、新規事業開発を成功させることは非常に大変ですが、イントレプレナー向けの研修は、無料のセミナー等でも増えてきています。これを機にイントレプレナーを目指し、新規事業開発を成功に導いていきましょう。
新規事業開発の成功に欠かせないポイントとは?
新規事業開発を成功につなげるために欠かせないポイントは、先ほど触れた内容もありますが、以下のような要素になります。
①自社理解と市場理解
まずは自社の強みや特長を理解し、その強みを活かすサービスを展開するためのターゲット層を探すことが重要です。闇雲に新規事業として手を付けたとしても、自社でまかなえなければ意味がありません。自社の状況をキチンと理解し、その後にターゲットを探る上で市場調査を行うことが重要です。
②アイディア出し
新規事業開発の一番のキモは、このアイディア出しにかかっています。誰も手を付けておらず、かつニーズもあり、自社でまかなえるものであれば、それだけで効果につながるでしょう。とはいえ、そのようなアイディアがすぐ簡単に見つかるわけもなく、このアイディア出しに一番苦労するのが新規事業開発の特長でもあります。
自分自身でアイディア出しを行っていると、どうしても煮詰まり、効果的なアイディアが生まれにくい状況に陥ります。そのため、他者の意見を伺ったり、インターネットなどでヒントとなる情報を探したりすることも有効です。取引先や知人など、他社の方と交流しながら意見交換を図ることも、新規事業開発のアイディアにつながりやすくなります。
③効果検証
もう一つ新規事業開発の成功に欠かせないものが、効果検証です。①の自社理解と市場理解をどんなに細かく行い、それに適した②のアイディア出しを行って新規事業開発を進めたとしても、一発で成功に導くケースは非常に稀です。新規事業開発には、何度も改良を重ねながらより良いものを構築していくことが重要になります。一度の失敗で諦めず、効果検証を行いながらブラッシュアップしていきましょう。
リーンスタートアップを理解する
リーンスタートアップとは、コストを掛け過ぎずに必要最低限の機能や情報をもとに短期間で展開することで、顧客の反応を見ながら開発を繰り返していく手法のことを指します。化粧品などでよくある試供品のような仕組みで、しっかり製品を作り込まない段階でユーザーの反響を知ることができます。新規事業開発には効果検証が重要というお話は先ほどふれましたが、その際にコストを掛け過ぎずにブラッシュアップを行う上で、このリーンスタートアップという手法が有効になってきます。新規事業開発においてはスピード感も重要になりますし、そのスピード感を意識したまま効果検証を行えることからも効果的です。
失敗例や成功体験から学ぶ
新規事業の開発は、新しいイノベーションを生み出すという点からも、正解が分からない中を手探りで進んでいく形になります。その中で、少しでも正しいと感じる道を探る上では、似通った商材やサービスにおける競合他社の失敗例や成功体験を参考にするということもポイントの一つです。現在、インターネット上やセミナーなどでも他社の新規事業開発における失敗例や成功例は紹介されています。これらは非常に参考になりますし、是非自社に活用できる部分は活かして頂ければと思います。
まとめ
新規事業開発の需要は年々高まっています。特に最近は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインを絡めた新規事業開発は飽和状態にもあります。ただ、自社に関係性の薄いサービスや商品で新規事業開発を展開しても失敗に終わってしまうことでしょう。キチンとした目的・目標を持って新規事業の開発につなげていくことが重要です。
今回紹介した内容は、新規事業開発を成功に導く上で欠かせないポイントになりますが、今回紹介した内容以外にも押さえておくべき要素は多くあります。ただ、基本は変わりませんので、今回紹介した内容も是非参考に、少しでも成功につながる新規事業を目指していきましょう。