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FP3級の実技試験の種類や試験内容・対策を解説

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FP3級は、日本FP協会ときんざいの2つの実施団体によって、実技試験の種類がそれぞれ異なります。FP3級の実技試験の種類や試験内容、試験対策を詳しく解説します。

FP3級の実技試験は3種類

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FP3級とは、「ファイナンシャル・プランニング技能士3級」のことを指します。FP3級は特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)と、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)の厚生労働大臣が指定機関とする2つの団体が実施している日本の国家資格です。FPには、FP1級・FP2級・FP3級と3つのレベルがあり、FP3級はFPの中でも「一番難易度が低い」資格になります。

 

FP3級の試験は、「学科試験」と「実技試験」の2つにわかれており、日本FP協会ときんざいとで試験の種類が異なります。日本FP協会のFP3級の実技試験は「資産設計提案業務」の1種類のみで、きんざいのFP3級の実技試験は「個人資産相談業務」と「保険顧客資産相談業務」の2種類です。日本FP協会の「資産設計提案業務」と、きんざいの「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」は、それぞれに試験内容も異なるため、同じテキストや問題集では試験対策をすることができません。

 

また、「実技試験」というと、筆記試験ではなく、面接官と対面して行う試験になると想像する方もいるかもしれません。しかし、FP3級の実技試験においては、対面ではなく筆記試験のみになります。また、FP3級の実技試験は、択一式の回答となるため、非常に難易度としては低いと言えます。

FP3級の実技試験の難易度や合格率

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FP3級の実技試験は、じつは学科試験よりも合格率が高いことから、学科試験よりも難易度は低いと言えるでしょう。FP3級の日本FP協会における過去の学科試験の合格率は、2019年1月が74.09%、5月が69.07%、9月が78.09%であるのに対し、実技試験の合格率は、2019年1月が83.38%、5月が86.42%、9月が79.48%です。また、FP3級のきんざいにおける過去の学科試験の合格率は、2019年1月が51.91%、5月が42.76%、9月が62.77%であるのに対し、実技試験の合格率は、2019年1月が47.75%、5月が49.25%、9月が44.38%となっています。

 

このように、FP3級の日本FP協会の学科試験の合格率が平均74%であるのに対し、実技試験の平均は83%、きんざいの学科試験の合格率が平均53%であるのに対し、実技試験の平均は47%です。そのため、FP3級の本試験において、日本FP協会ときんざいともに学科試験よりも実技試験の方が合格率が高いため、FP3級の試験は「実技試験の方が難易度が低い」ということがわかります。

 

一般的に学科試験と実技試験とでは、「実技試験の方が難しい」というイメージを持たれる人の方が多いのではないでしょうか。しかし、FP3級の試験においては、学科試験よりも実技試験の方が難易度が低いことから、FP3級自体の合格率も高くなっていると言えるでしょう。このように、FP3級は、FPの中でも

 

FP3級の実技試験の内容

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日本FP協会のFP3級の「資産設計提案業務」の実技試験内容は、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承設」の6つの分野が対象範囲となっているため、すべての分野の学習をする必要があります。そのため、日本FP協会のFP3級の実技試験は、出題範囲が広いことから勉強するのが難しいと思う人も多いかもしれません。

 

しかし、出題範囲が広い分、6つの分野をまんべんなく出題する傾向があることから、過去の試験問題をあらかた把握してしまえば、そこまで難しいものではありません。きんざいのFP3級の「個人資産相談業務」の実技試験内容は、「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承」の5つの分野が対象範囲です。そのため、FP3級の実技試験をきんざいの「個人資産相談業務」を選択した人の場合には、「リスク管理」の分野を学習する必要がありません。

 

また、きんざいのFP3級の「保険顧客資産相談業務」の実技試験内容は、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「タックスプランニング」「相続・事業継承」の4つの分野が対象範囲となっています。そのため、FP3級の実技試験をきんざいの「保険顧客資産相談業務」を選択した人の場合には、「金融資産運用」と「不動産」の2つの分野を学習する必要がありません。

 

ただし、きんざいの保険顧客資産相談業務は、「保険分野(リスク管理)」に特化した実技試験で、配点の40%がリスク管理の分野から出題される傾向があります。そのため、保険商品を扱う仕事をしている人や、保険会社で働いている人、今後保険関係の業務に関わる仕事に就くという人、個人的に保険に関する知識を得たいという人には最適な科目です。

 

しかし、それ以外の一般的な人の場合には、FP3級の実技試験できんざいの保険顧客資産相談業務を選ぶ人はあまり多くありません。なぜなら、保険の詳しい知識は、生活する上ではあまり必要がなく、その他の2つの実技試験の勉強にて学ぶ資産設計提案業務か、個人資産相談業務の知識の方が活かせる場面が多いからです。このようなことから、FP3級の実技試験は、一般的には「日本FP協会の資産設計提案業務」、もしくは「きんざいの個人資産相談業務」を選択することが多くなっています。

 

FP3級のそれぞれの実技試験を選ぶポイントとしては、試験問題の難易度の低さで選ぶのであれば「日本FP協会の資産設計提案業務」、過去に数多くの試験を受けた経験があり、試験慣れしているという人の場合には「きんざいの個人資産相談業務」、保険に関わる仕事をしている、もしくは今後保険に関わる職種に就きたい、保険について個人的に知識を得たいという人の場合には、「きんざいの保険顧客資産相談業務」を選ぶと良いでしょう。

FP3級の実技試験の対策

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FP3級の実技試験は、「学科試験の応用問題」であることがほとんどです。そのため、FP3級の学科試験の内容を網羅しきちんと理解さえしていれば、そこまで難しい試験ではありません。その証拠に、FP3級は日本FP協会ときんざいともに、学科試験よりも実技試験の方が合格率が高いという結果が出ています。このようなことから、FP3級の実技試験のもっとも重要な対策は、学科試験の内容をきちんと把握・理解していることであると言えるでしょう。

 

そのため、FP3級の試験を受験しようと思っている人の場合には、学科試験の勉強を中心に学習することをおすすめします。FP3級の学科試験は、過去問と問題集で繰り返し問題を解いていくことで、自然と実力が身についていきます。そのため、FP3級の学科試験の勉強は、はじめから基本のテキストを読む必要はありません。まずはじめに、FP3級の過去問を一度解くことからはじめましょう。

 

FP3級の過去問を解いた後に、間違った問題やわからなかった部分を中心に、テキストを読んでいけば、最初からテキストを読むよりも効率的に学習をすることができます。FP3級の学科試験の過去問や問題集が8〜9割型正解するようになった後に、FP3級の実技試験の勉強に取り掛かりましょう。FP3級の実技試験の勉強も、学科試験と同様に過去問からまずは解いていきます。

 

FP3級の学科試験の問題がほとんど正解するレベルであれば、おそらくFP3級の実技試験の過去問や問題集も難なく解けるはずです。FP3級の実技試験は、学科試験の応用であるため学科試験の対策がほぼ済んでいれば、ほとんどの場合、低い得点にはならないからです。このようなことから、FP3級の実技試験は、基本である学科試験の勉強にきちんと取り組むことが、一番の試験対策になると言えるでしょう。

 

ただし、FP3級の学科試験と実技試験は問題が異なるため、実技試験の過去問や問題集も必ず3回程度は解いておくことをおすすめします。FP3級の実技試験も、学科試験同様に過去問で間違った部分やわからなかった部分を中心に、何度も問題が解けるまで繰り返し解くことで、確実に実力が身についていきます。そのため、FP3級の学科試験も実技試験も、ほとんど勉強の仕方は変わらないため、試験勉強対策としてはかなり簡単であると言えるでしょう。

まとめ

FP3級は、「ファイナンシャル・プランニング技能士3級」の国家資格のことを指します。FPには、FP1級・FP2級・FP3級と3つの段階があり、FP3級はその中でも一番難易度が低い資格になります。FP3級の資格試験は、「学科試験」と「実技試験」の2つに分かれており、実施する機関により実技試験の内容が異なります。FP3級の実技試験は、日本FP協会の場合には「資産設計提案業務」、きんざいの場合には「個人資産相談業務」と「保険顧客資産相談業務」の2つにわかれており、合計で3種類の実技試験が行われます。

 

FP3級の実技試験でどれを受ければ良いか迷った場合には、一般的に受験する人が多い「日本FP協会の資産設計提案業務」もしくは、「きんざいの個人資産相談業務」をおすすめします。また、FP3級の実技試験は、学科試験よりも合格率が高いことから、難易度はかなり低めです。そのため、FP3級の学科試験の試験勉強をしっかりとしていれば、FP3級の実技試験も難なくクリアすることができるでしょう。