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【FP試験】きんざいとFP協会の違いとは?選び方や難易度も紹介

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FP試験の機関はきんざんとFP協会の2つです。その2つの機関はそれぞれどう違うのでしょうか。今回はそれぞれ違いと共通点、そして選び方や難易度も紹介します。FP試験を受ける人は知っておくべき内容だと思いますので、しっかり押さえておきましょう!

 

FP試験】きんざいとFP協会の違いとは?

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違いをそれぞれ紹介していきます。

 

実技試験内容が異なる

 

FPの資格試験には学科試験と実技試験が用意されています。学科試験はFP2級と3級に関して言えば共通の試験になりますが、実技はそれぞれ種類があります。

 

FP2級の実技試験は一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)で4種類、NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)で1種類の、計5種類が用意されています。そして、実際の試験では、このうちの1つを選んで受験することになります。それぞれの実技試験で内容が異なっており、より細分化され専門的になっています。

 

きんざいの実技試験の種類は、個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務の4種類です。こちらの全ての実技試験では、記述式による筆記試験事例形式で5問出題されます。点数は50点満点で30点以上正解していれば合格です。

 

FP3級実技試験の試験内容は、FP協会が1種類、きんざいが2種類で計3種類です。FP協会は資産設計提案業務、きんざいは個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務です。

 

FP協会の資産設計提案業務は、FPで学ぶ6分野全てが出題範囲となっています。問題は新聞や不動産のチラシ、金融商品のパンフレットなどを題材にした実務系問題が多くなっていますので、新聞や雑誌などをよく読んでいる人には解きやすいでしょう。出題範囲は、実技試験の3科目の中で一番広いですが、素直な出題パターンが多いので、難易度は3科目の中で最も低くなっています。

 

受験者数が違う

 

実際の受験者数は以下の通りです。

 

令和2年度(2020年)1月試験合格発表結果

 

FP協会 きんざい
学科試験 申込者数 31,806 36,291
受験者 25,170 27,744
実技試験 申込者数 30,825 39,932
受験者 24,237 31,147

 

以上の結果となっています。きんざいの方が受験者数は少し多くなっています。きんざいの試験は法人申込の受検者が多いことから、多くなっているのだと思われます。

 

合格率の違い

 

FP3級の合格率は以下の通りとなっています。

 

学科試験

 

FP協会 きんざい
2020年1月 85.34% 65.43%
2019年9月 78.09% 62.77%
2019年5月 69.07% 42.76%
2019年1月 74.09% 42.76%
2018年9月 78.63% 61.64%
2018年5月 78.92% 57.84%
2018年1月 80.33% 65.34%

 

実技試験

 

FP協会 個人 保険
2020年1月 79.45% 50.22% 48.19%
2019年9月 79.48% 45.44% 43.31%
2019年5月 86.42% 54.35% 44.85%
2019年1月 83.38% 56.21% 39.32%
2018年9月 86.50% 51.46% 34.32%
2018年5月 90.47% 71.20% 35.69%
2018年1月 89.07% 67.13% 42.98%

 

FP協会は、学科が70~80%、実技は80~90%ほどであることがわかります。

きんざいは、学科が50~70%、個人は60~80%、保険は40~60%ほどであることがわかります。FP協会の方が比較的合格率が高くなっています。

 

きんざいの試験については、法人申込の受検者が多いことや、実技試験での専門性の高い出題により、合格率がやや低くなっているものと考えられます。

 

これをみてわかるように機関によって合格率が違ってきています。

 

難易度の違い

 

試験問題の難易度は、きんざいの方が難しい傾向があります。マニアックな問題や深く掘り下げた細かな点が出題されています。

 

出題傾向はFP協会の方が実務的内容で、きんざいの方が基礎的内容になっています。問題数はFP協会の方が多くなっています。きんざいの方が問題数も少ないため、簡単なように感じてしまいますが、その分配点が高くなっていますので、1つのミスがとても大きく響いてしまいます。

 

出題形式の違い

 

次の違いは出題形式の違いです。これは機関ごとに違ってきます。

 

どちらも試験時間は60分ですが、問題数は数が違います。

FP協会は、3級が20問2級が40問でそれぞれ点数が100点満点です。きんざいは、2級3級共に問題数が5問で点数が50点満点です。合格点はどちらも6割正解で合格となっています。

 

問題数が大きく違いますので、時間配分や解き方のリズムも、どちらを選ぶかで異なったものを身に着ける必要が出てきます。

 

過去問などからその辺りをつかむことが重要となってきそうです。

 

FP試験】きんざいとFP協会の共通点

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上記ではきんざいとFP協会の違いを解説してきましたが、次は共通点を紹介します。

 

まず学科試験についてですが、学科試験はFP協会ときんざいどちらも同じテストとなっています。試験時間は120分で、問題数が60問の60点満点、解答形式はマークシートとなっています。

 

その他にも、受験日や受験料はどちらの機関も同じです。試験日は毎年1月5月9月で、受験料はFP3級が6,000円、FP2級が8,700円となっています。

 

また、どちらの機関で受験をしても、合格をすれば両者ともに国家資格である「FP技能士」の資格を取得することができます。

 

共通点
学科試験 解答形式 マークシート
試験時間 120分
問題数(合格点) 60問(60点満点中36点以上)
試験日 毎年1月5月9月
受験料 FP3級:6,000円

FP2級:8,700円

取得できる資格 FP技能士

 

FP試験】きんざいとFP協会の選び方

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これまでFP協会ときんざいの違いや同じ点を紹介してきましたが、実際にどちらの機関を選ぶ方がいいのか、これを紹介していきたいと思います。学科試験は共通テストとなっていますので、実技試験の中からどの試験がおすすめなのか紹介します。

 

FP3級の場合

 

基本的に保険顧客資産相談業務は保険について学びたい、又は将来保険に関わる仕事に就きたいと決めている方におすすめの試験です。逆に言うと、そのように考えていない方は、その他の実技試験がおすすめです。

 

FP協会の資産設計提案業務、きんざいの個人資産相談業務で言うと、きんざいの個人資産相談業務の方が勉強がしやすくなっています。理由としては、試験機関であるきんざいが実技試験用のテキストを販売しているためです。

 

そのテキストを利用して勉強をすれば、傾向が似ていますので試験対策がしやすくなっています。逆にFP協会の資産設計提案業務は、公式のテキストを販売していませんので一般のテキストでの勉強になってしまいます。

 

ただ、FP協会は出題傾向が似ていますので、過去問を利用することで対策は十分にできる試験でもあります。試験そのものの難易度的には、FP協会が一番易しくなっています。

 

FP2級の場合

 

初心者の方や、保険が得意な方以外はFP協会の資産設計提案業務をおすすめします。その理由としては、各科目から基本的な知識で解ける問題が出題されるため、比較的やさしい。そして出題パターンが一定で、過去問を勉強すれば確実に合格できる可能性が高いという点です。また、FP協会は毎回受講者数も多いことから過去問や対策テキストなどがかず多く出版されています。ですので、他の実技試験よりも勉強や対策がしやすくなっています。

 

FP協会の試験は特定分野の深い知識が必要なく、FPの基本を幅広くしっかり勉強したい方に向いています。ただし、6科目全てから出題されますので、全体的にしっかり基本知識を身につけることが大事になってきます。

 

FP協会の資産設計提案業務と同じくらい受講者数が多いのがきんざいの個人資産相談業務です。出題範囲が金融資産・不動産相続・承継・ライフプランニング・年金など、大半の日本人の生活に直結した内容が出題されます。ですので、その他の試験を受ける特別な理由がなければ、FP協会の資産設計提案業務かこちらの個人資産相談業務を選ぶことをおすすめします。

 

その他の中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務から選ぶ方の多くは、すでにその業務の仕事をしている人です。保険会社で働いていて、会社からFP2級を取得されるように言われた人や、会社の決まりで受ける人が生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務を選んでいます。ただ、損保顧客資産相談業務は1年に1度しか試験が実施されないため、受講者数は少なくなっています。

 

また、中小企業向けのコンサル等をしている人は中小事業主資産相談業務を選択していますね。それに加え、FP1級取得を目標としている方は中小事業主資産相談業務を選ぶといいかと思います。FP1級の試験が富裕層に向けたコンサルティングを前提とするものであるため、もし選べば1級の対策も兼ねた勉強ができます。

 

最終的に実技試験の種類を決めるときは、「なぜFP2級を取得するのか」ということを再度考えてみましょう。するとどの試験があなたにあっているかわかってくると思います。その他にも合格率や難易度も考慮して決めるといいかもしれません。

 

以上のように紹介してきましたが、一番はあなた自身が勉強をしてみて合うものを選ぶ方がいいです。ですので、過去問が掲載されているサイトを利用して、実際に過去問を解いて決めるのがいいかもしれません。

 

FP試験】きんざいとFP協会の難易度

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それぞれの機関の難易度はどう違うのでしょうか?FP2級とFP3級それぞれご紹介します!

FP2級の場合

 

FP2級は他の国家資格と比べると比較的難易度が低い資格となっています。根気強く勉強を継続してできる人であれば、基本的に合格できるくらいの難易度です。

 

FP協会ときんざいが主催の2級FP資格試験の学科・実技試験は両方とも、高いときには合格率が40%を超える時もあります。目安として他の国家資格の合格率を紹介しますと、行政書士などの合格率は、毎回10%にも届きません。また、比較的合格しやすいといわれる宅地建物取引士の試験も、合格率は毎回15%前後です。ここから見てもFP2級は比較的取得しやすい資格試験だと言えます。

 

理由としては、出題範囲がFP3級と同じな部分や試験実施が年3回でチャンスが多く過去問等も豊富なこと、そして過去問からの出題量が多くひっかけ問題が少ないという点です。以上の理由から、FP2級は難易度の低い資格試験となっています。

 

また、FP2級は偏差値で表すと47ほどになります。目安としては偏差値40だと簡単な資格で、偏差値が60だと難しい資格になります。ここから見てもとても難しい試験ではなさそうです。根気強く勉強を継続していれば合格できる資格といえます。

 

FP3級の場合

 

FP3級はファイナンシャルプランナーの入門編ともいえる易しい試験で、国家資格の中でも極めて難易度が低い部類に入ります。

 

難易度が低い理由としては、選択問題の選択数が2択か3択と正解を選びやすいという点です。特に学科試験では60問中30問が2肢一択、つまり○×形式です。その他30問は3択ですが、FP2級も含めて資格試験の多くが4択問題な中だと、確率的にも正解する確率が高くなっています。

 

また、FP3級の試験では頻出範囲が決まっており、対策しやすくなっています。ですので、しっかりと継続して勉強できる方であれば、FP3級は合格できる難易度となっています。

 

まとめ

 

今回はそれぞれ違いと共通点、そして選び方や難易度を紹介してきました。FP試験を受ける方には知っておいてもらいたい内容を集めています。ぜひ参考にして、試験を受験してみてくださいね。