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合格率は低い!難関の中小企業診断士試験

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中小企業診断士は、国家資格の中でも難関の試験として知られています。
低い合格率の資格試験であり、簡単に合格することができません。
勉強にも長く時間を必要とすることからも、合格率の推移と理由を理解しておく必要があります。

中小企業診断士と合格率

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中小企業診断士の合格率は、非常に低いレベルで推移してきました。
ただし、1次試験と2次試験をバラバラに見ると、20%台と結構高い数値が出てると感じる人もいるはずです。
国家資格として20%台を示しているのであれば、難関試験と呼ばれることはありません。
それどころか5人に1人は合格できるということで、かなり難易度の低い試験となってしまいます。
ところが、中小企業診断士の現実的な問題としては異なります。

中小企業診断士の合格率を見る場合に必要なのが、1次試験は科目合格が存在するというところです。
中小企業診断士1次試験に合格するための条件は二つあります。
総得点が60%以上になることと、1科目でも足きりにならないことです。
総得点が60%以上はわかりやすいところですが、1科目でも足切りにならない条件とは40%以下にならないことです。
足切りになってしまうと不合格となりますが、60%以上の得点を取れた科目は2年間の免除を受けることができます。

2年間の免除ということで、不合格の際に再度受験した時にメリットが生まれます。
この科目免除が存在するため、合格率20%というところはもっと正確に判断しなければいけなくなります。
こうした仕組みからわかるとおり、中小企業診断士1次試験は絶対評価試験です。

2次試験も合格率20%程度を持つ試験ですが、こちらは相対評価になっています。
相対評価ですので、上位から20%の人だけは合格することができると考えれば問題ありません。
全員の中から2割だけが合格できるということは、何点を取れば合格するのかがわからないという意味を持ちます。
試験としての難易度も高く、かなり準備しなければ回答にたどり着けないことも出てきますので、短い期間でも準備しなければいけません。

ここまで合わせて、一発で合格できる確率は、20%に対する20%で4%しかないことがわかります。
それも科目合格を含めての数値となるため、合格率は4%以下であると考えるべきでしょう。
それほどの低い合格率の試験ですので、受験前には見間違わないようにすることが必要です。

中小企業診断士の合格率の推移と内容

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中小企業診断士の合格率の推移を見ていくと、その年の難易度などが見えてきます。
ここ数年の一次試験の合格率を見ると20%前後で推移していますが、平成27年の26%という高い数値がある一方で、平成28年には17.7%まで落ちています。
平均すると20%前後というところに落ち着きますが、10%もの平均値の違いがあることを考えると、問題の難易度がかなり揺れ動いたことがわかるでしょう。
安定してると判断しているところもあります、科目によって相当高い難易度の出題が出てくるのが中小企業診断士試験です。

合格率から合格者数の判断もできます。
ここ数年は、毎年3000人程度の人が1次試験に合格しています。
受験者数は14000人から6000人程度なので、かなり多くの人が合格していることは間違いありません。
それでも科目合格が存在し、全科目を受験しないでも合格できている場合が含まれています。
こうした救済措置をとらなければならないほど、高いレベルの試験なのです。

二次試験の合格率も見てみなければいけません。
1般的に20%と言われていますが、記述と口述を合わせた高確率は20%を切ります。
平成26年は24.3%高い数字を出しましたが、他の年はほぼ20%を切り19%台なのです。
もう少し細かく見ると、この合格率はほぼ記述試験の合格率を表しています。

記述試験は、非常に難易度の高いことでも知られています。
一次試験の7科目の中から絞り込まれ出題されますが、すべて文章に書き起こして答えを書かなければいけません。
何を問うているのか、問題の意図を理解し、必要なキーワードを盛り込んだ上で文章を締めなければいけないのです。
文章の構成能力も必要で、どのような解答に仕上げていくのか考えなければいけません。

口述試験は、99%台の合格率を持っていると考えればいいでしょう。
100%の年もあるほどで、ほとんどの人が合格します。
逆を返せば、全体のうち数人は、不合格になる可能性を持っています。
この数人に入らないようにしなければいけません。

中小企業診断士の合格率が低い理由

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中小企業診断士の試験の合格率が低いのには様々な理由が考えられます。
試験内容として難しいということは当然ですが、それだけではありません。

大前提として中小企業診断士の一次試験だけでも、7教科を相手にしなければいけません。
7教科の勉強と言っても、それぞれがほとんど関連性がなく、独立した科目として勉強する必要が出てきます。
相当な時間をかけて勉強しなければならず、試験の前になった時には、初めの頃のことを忘れている可能性もあるのです。
あまりに長い時間を勉強するというのは、こうしたデメリットを引き起こします。

科目としてみた時に、理解度が必要なものと、暗記しなければいけない科目がある飲む難易度を高めています。
勉強方法として違いがあるだけではなく、得意不得意がはっきりと出てくるからです。

科目も社会系的な経済学などがあるだけではなく、理系科目である財務会計や経営情報システムもあるのです。
さらに経営法務のような法律系科目もありますし、システム的な部分で理解しなければいけないところまで範囲が広がります。
これだけの内容となれば、得意不得意が出てきて、足切りにかかる可能性も高まるのです。

2次試験との関連も重要で、これらがすべて出題されるわけではありません。
1次試験の科目の中から一部だけが出題されることになりますが、暗記では対応しきれないことから理解度を高めることになります。
1次試験から意識して勉強しなければ、対応は難しくなるでしょう。
一年かけて準備できる1次試験に比べて、1次試験の合格後に2次試験の受験が決まるというのも難易度を上げています。
つまり、そこまで長い時間が取れないのです。

2次試験の勉強は、1次試験の延長のように見えますが、国語の能力まで問われます。
文章を作成し、一定の文字数の中に収めなければいけません。
文章の構成も重要で、キーワードを適切な形で盛り込むことが、点数につながります。
中小企業診断士の試験内容覚えてるだけではなく、しっかりと理解できていることが必要なのです。
そこまでしなければいけない試験となれば、当然合格率は下がります。

2次試験の場合、明確な答えがわからないというのも合格率をされている要因です。
どんな解答が合格したのか、再現解答のようなもので判断するしかありません。
資格学校が出している模範解答を見ても、それが本当に得点できたかどうかはわからないのです。
もちろん、再現解答などから導き出した模範解答なので活用することはできますが、作成するための時間などの問題も出てきます。
模範解答は、資格学校の講師などが時間を使い作りますが、2次試験は限られた中で解答を導き出さなければいけないのです。

中小企業診断士の試験は、1次試験も2次試験も厳しい面を持っており、合格率にも表れてきます。
勉強の時間も必要となるため、計画的に進めていかなければ合格することが難しいのです。

合格率が低くても中小企業診断士を乗り切る

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合格率が低かったとしても、中小企業診断士になろうと思えば乗り切るしか方法はありません。
問題はどのような方法を持って乗り切るかというところになるでしょう。
乗り切る方法はいくつかあります。
費用をかけて、資格学校などに通い、専門の講師に教わることが一番効率的です。
専門の講師だけではなく、資格学校が積み重ねてきた対策法なども利用できるため、中小企業診断士へ最も近い道となります。

資格学校では、受講生の合格率も大きな影響を与えます。
合格率の低い資格学校へは、誰も通いたいと思わないからです。
資格学校が生き残っていくためにも、合格率を引き上げなければならないため、受講者としては有効に利用できるのです。

独学で乗り切ろうと思うのであれば、時間をかける方法があります。
時間をかけると言っても、中小企業診断士試験は1年に1回しかない試験のため、あまり長くしても意味がないのです。
あまりに長く勉強したとしても、記憶が保持できるというわけではありません。
暗記科目などは、早いタイミングで試験が来るほうが効率的だからです。
そこで、抑えてこなければいけないのが、科目合格になります。

2年に分けて合格を目指すことにより、勉強の負担を軽減していくことが可能です。
科目合格を利用して、次の年の勉強量を減らすことができれば、2年をかけて中小企業診断士試験に合格する道が見えてきます。
この方法であれば、いくら中小企業診断士試験の合格率が低かったとしても、勉強の時間と負担を確保することができるのです。
もちろん、2次試験の対策も考えなければいけないため、3年程度の時間で合格を目指すというのも方法となるでしょう。
ただし、科目合格が有効なのは2年間しかないため、1次試験に3年以内に合格できなければ、この方法は瓦解してしまいます。

まとめ

中小企業診断士になるためには、低い合格率であっても乗り越える方法を作り出していかなければいけません。
中小企業診断士試験には、科目免除のような条件だけではなく、科目合格を持つ特徴があるのですから、システムとしてもうまく利用することが必要です。
それでも、総得点の60%というハードルがある以上、得意科目で積み重ねていくことも考えなければいけないため、計画的な利用をしなければ合格が見えてこないでしょう。