FPの試験を受けて一息ついたあとにやって来るのは合格発表です。合格発表までのスケジュール、準備にかかる時間、費用等全体のスケジュールを立てるのに必要な情報を紹介します。
目次
FP1級合格発表の確認方法
合格発表はそれぞれの試験を受けた団体の公式HPで確認することができます。大体試験日から1ヶ月後、朝10時が多いです。試験を受けるときには合格発表の日時も確認して素早く確認できるようにしましょう。
FP1級合格発表までのスケジュール【全体】
FP1級合格に向けてスケジュールを立てるときポイントになるのは4月です。その理由は試験内容に関わる法律が改正される可能性があるからです。近年は改正が特に多く今まで正解とされていたことが今年からは誤りになることもあります。そのため年間3回、5月、9月、1月にある試験のうち9月に学科試験を受けると法改正に対応しやすいスケジュールを組むことができます。
4月の法改正が発表されるとその内容に合わせた最新のテキストが6月から7月に発売されます。新しいテキストが発売される前は古い年度の過去問に取り組むなど有効に時間を使い基本的な内容を定着させましょう。目安としては9月に試験を受ける場合4月、5月くらいには勉強を開始します。
テキストの発売に合わせて過去問や問題集、教科書の確認をして9月の学科試験本番に臨みます。9月に試験を受けた場合、合格発表は約1か月後の10月です。そこで見事合格をしたら学科試験で身に着けた知識を忘れないうちに実技試験の対策を始めましょう。
実技試験は口頭試問のタイプと記述するタイプの試験があるので好みの方を選んで対策します。話すのが得意な方は金融財政事情研究会の口頭試問のタイプ、緊張などで実力が出し切れない方は日本FP協会の筆記タイプの試験がおすすめです。実技試験は2月頃行われるのでそれまでしっかり練習を重ねます。そしてさらに1か月後3月に実技試験も合格発表、合格していれば見事FP1級取得です。
9月の学科試験に残念ながら不合格になってしまった方は次の年の1月、5月にチャンスがあります。年度が変わってしまうとせっかく覚えた内容も法改正で変えなくてはいけなくなってくるためです。なるべく同じ制度が使用されているうちに合格できるように不合格でもすぐに気持ちを切り替えて勉強を再開しましょう。
FP1 級合格発表までのスケジュール【学科試験】
金融財政事情研究会のFP1級学科試験の特徴に合わせたスケジュールの立て方を紹介します。
まずは応用問題
学科試験学科試験には応用問題と基礎問題がありますが、まずは応用問題から対策を始めます。まずは基礎、と考える方が多いのですが、FP1級の試験の場合応用問題の方が出題パターンが少なく、対策しやすいからです。計算問題があるのでコツをつかむまでは時間がかかりますが一度理解できれば本番でも得点しやすい分野です。そして応用問題の最大の魅力は部分点があるところです。
答案を正確に書いていればたとえ最後で間違えてしまっても少しは得点になります。FP1級は1点2点で合否が分かれる厳しい試験なので部分点も大切にしましょう。この応用問題の演習にかける時間は100時間程度です。正しい答えを出すことだけでなく部分点がもらえる答案の書き方まで身につけましょう。
演習をするときには問題集の問題を解き、答え合わせをします。答えを確認したら分からなかったところは全て教科書やインターネットを使って調べます。ここでどれだけ深く調べて理解できるかが後々合格率に響いてきます。はじめは時間がかかって焦る気持ちもあるかもしれませんが丁寧に行ってください。大体8割以上得点できるようになったら基礎問題の演習に移ります。
次に基礎問題
基礎問題は教科書にも載っていないような細かい問題が問われることが良くあります。割合としては10%くらいなので本番はできなくても気にする必要はありませんが演習の段階では不思議な問題もふくめ全ての問題の選択肢1つ1つまで不明な点がなくなるようにやりこみましょう。
まずは問題集に取り掛かりわからないところを教科書を使って調べるという演習方法をとっているとはじめは全てわからず不正解ばかりになってしまいますが、問題ありません。時間にとても余裕があり読み物として楽しめる方以外は教科書は問題集を解いていて分からなかったところを調べるツールとして活用しましょう。大体この基礎問題の対策に150時間程度必要になります。
最後に過去問と予想問題でさらに実力アップ
問題集と教科書での演習に目途がついたら過去問と予想問題でさらに力を磨きましょう。過去問演習の時は時間や環境を本番に近くして行うと本番での緊張もほぐれるでしょう。過去問は3周以上できると理想的です。だいたい必要な時間は60時間程度必要です。この段階で時間が足りなくなると本番が近いこともありかなり焦るので余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
3ヶ月でFP1級に合格した例もある
次は3ヶ月で合格を掴んだ方のスケジュールです。3ヶ月だとまいにち長時間の勉強時間が必要になるので時間に余裕のる方向けの進め方です。合計で勉強に費やした勉強時間は250時間程度です。
こちらでもやはり始めに取り組む内容は応用問題です。まず過去問での応用問題の演習に50時間程度、次に問題集で基礎分野の演習に55時間程度費やします。この基礎問題の演習をする55時間には教科書を読みこんで問題集に出てきた知識を身に着ける作業ももちろん含まれています。
その後問題集の応用問題の演習に15時間程度必要になります。1回目に過去問で演習をして計算の方法や答え方が身についているので短時間で消化できます。さらに問題集2周目を20時間程度かけて進めます。ここまでで1ヶ月半つまり勉強できる期間の半分が終了しています。
後半は過去問と予想問題集に取り組みます。基礎問題も含めた過去門の演習に25時間程度、予想問題にも25時間程度かけています。そのあと最後の50時間ほどは過去問と予想問題集をひたすらやりこみます。ここまで3ヶ月で完了させるのは意思の強さと集中力が求められます。誰にでもこなせるスケジュールではありませんが、実際に3ヶ月で1発合格されている方もいるということを励みにしてください。
合格発表までのスケジュール【費用編】
FP1級の試験のスケジュールは時間と同時に費用についても準備が必要になります。勉強するだけなんだからそんなにかからないでしょ、と思われるかもしれませんが、試験料も高いので一例を紹介します。
学科試験
金融財政事情研究会でFP1級の試験を受ける場合に8.900円、日本FP協会でCFPを受験する場合は20,000円かかります。
その他に参考書代として20.000円前後、スクールで授業を受講すると150.000程度かかります。自宅以外で勉強する場合にはカフェ代も必要になります。1回500円程度としても100回行けば50.000円になります。自習室やコワーキングスペースなどレンタルスペースを借りる方法もありますが、自由な場所で勉強するためにはカフェが適しています。さらに実力を確認するために模試を受ける場合は2.000円から3.000円程必要になります。
この中で節約できる費用はカフェ代です。家族がいたり家の状況によっては難しいですが、家で学習できる環境があるなら活用した方が節約になります。独学の場合がテキストなどの費用を考慮しても安く済みます。どうしても自力での勉強が難しい場合は上手に利用しましょう。オンライン受講を利用すれば50.000円程度で講義を受けられます。
テキストはたくさん買う必要はありません。基本的には問題集と教科書1セットと過去問、足りない部分があればテキストを追加するくらいのイメージで大丈夫です。
実技試験
実技試験金融財政事情研究会の実技試験を受ける場合、試験料は25,000円です。テキストは現時点で1種類のみなので8.000円程度です。実技試験の模試はないので費用はかかりません。
実技試験と同様、家以外で勉強する場合はカフェ代やレンタルスペース代が追加されます。さらに実技試験を口頭試問の方法で受ける場合には話す練習が必要になります。録音や録画をすると本番に近い状態で練習できるうえ、自分の話す姿を確認して効率よく練習できます。スマートフォンでももちろん大丈夫ですが容量の問題がある場合はレコーダーを準備すると良いでしょう。
CFPは維持費にも注意
金融財政事情研究会でFP1級を取得した場合には受験料のみでCFP基本的に維持費はかかりません。任意で有料の会員になることもできますが、それでも年会費10,000円程度です。一方日本FP協会でCFPの資格を取得した場合受験料の他に新規登録料が5,000円、年会費20,000円、更新費用4,500円がかかります。
そのためFP1級を取得するための方法としてCFPの資格審査試験に合格した方はFP1級の実技試験に合格してFP1級を正式に取得するまでこの年会費などを払い続けなければいけません。そしてFP1級ではなくCFPの認定を受け、ずっと維持するとなると毎年25,000円程度払い続けることになります。どちらも同じように難しく価値ある資格ですので受験方法だけでなく将来的な費用も考慮に入れて選択しましょう。
まとめ
難関資格に合格するような大きなことを成し遂げる時、スケジュール管理は必須事項です。実現可能で効果のあるスケジュールを立て、不具合があったらこまめに修正することの繰り返しで適切なスケジュールが出来てきます。