行政書士の試験に合格するためには、試験科目に対して適切なアプローチが大切です。
知識を身につけるだけの努力をしなければいけませんが、何よりも効率的に勉強を進める必要が出てきます。
そのためにも、試験科目ごとにしっかりとした分析が必要です。
行政書士試験の科目の中心となる法令科目
行政書士は、法律の資格です。
勉強も法律を中心にすることになります。
大きく分けると、2つの科目があり、その1つが法令科目です。
一口に法令と言っても非常に広い範囲をカバーしなければいけません。
法令科目で出題されるのは、基礎法学、憲法、民法、行政法、商法・会社法の五つです。
実際に法律を勉強したことがある人であれば、わ単純にこの五つの範囲は膨大であることがわかるでしょう。
あまりにも多くの内容が出題される試験が、行政書士なのです。
行政書士の業務に関わるような法律の出題が中心で、総得点のうち80%がこの法令科目に集まっています。
合格するための基本となるので、確実に得点することが求められる科目です。
法令科目のうち、基礎法学と商法・会社法に関しては、配点が非常に低く設定されています。
もちろん、得点できることが大切ですが、そこまで勉強の時間をかける必要がないところです。
時間をかけたところで配点が低いため、効率的な勉強にはつながりません。
憲法は、学生の間に基本的な条文に関しての勉強をするはずです。
しかし、深く掘り下げて勉強する機会はほとんどないのが憲法ともいえます。
理解度を高めなければいけない部分でもあり、行政法の基本となるので、しっかりとした知識を身につけなければいけません。
行政法と民法は、行政書士試験の科目の中でも重要な位置を占めます。
この2つの得点が、総得点に大きな影響を与える辛です。
中でも行政法は。最重要科目になります。
配点が最も高い科目で、ここを落とせば合格できません。
行政法という性格上、普段耳にしないような法律用語が多く、判例まで理解する必要が出てきます。
行政法は、国民に不利益を被らせないようにするための法律です。
不服の申し立ての手順などに関しても出題されます。
内容としてみれば、そこまで難しいものではないので丸暗記するぐらいの姿勢が必要な科目です。
用語も覚えてしまえば問題ないでしょう。
同じように得点源になるのが民法です
非常に広い範囲を誇る法律であり、理解度を深める必要性が出てきます。
細かいこともあり複雑になるので、図解なども作りながら勉強しないと理解が難しいところです。
理解度を深めることで、記述式問題にも答えられるので、しっかりやる必要があります。
民法の勉強法は、行政法と比較されますが、暗記ではとても対応できません。
立場を変えて理解するなど、深く掘り下げていく必要も出てきます。
一般知識は行政書士試験の科目の壁
行政書士試験の受験者の重荷となる科目が、一般知識です。
一般知識にも最低限の得点が決められており、これを越えなければ足切りの対象となります。
どれだけ法令科目で点数が取れたとしても、足切りに合えば不合格です。
そのため、多くの配点を撮ることではなく、足切りに合わない得点を摂ることが必要になります。
一般知識には3つの科目が存在します。
政治経済社会は、一般知識の中でも得点が取りやすい範囲です。
勉強の方法は、高校などで習う政治経済の勉強などとは違い、生活にかかわる部分が出題されやすい傾向を持ちます。
普段から社会で起きていることに注目するだけでも。かなりの部分をカバーできるのです。
実際に出題される傾向が強いのは、時事問題です。
過去問題が出題される傾向が少なく利用しにくい面がありますが、逆に当時の時事を理解できれば、こうした問題が注目されるポイントも見えてきます。
出題範囲は曖昧で、広範囲になることからも行政書士試験を受ける人を悩ませますが、普段からニュースなどに関心を持っていればそこまで難しいことはないのです。
法律の整備が進んできているのが、情報通信・個人情報保護に関する部分です。
この科目は、現代社会として大きなウエイトを占めるようになりました。
特に個人情報保護法に関する出題が重要で、かなり細かなところまで掘り下げられることがあります。
実務に関することも出題されるので、どんなことに関係しているのか理解する必要があるでしょう。
難易度として見た場合には、一般知識の中で最も低いため、得点の底上げとして利用できます。
一般知識の中で、最も大きな壁となるのが文章理解です。
行政書士試験のすべての科目の中で、必要性も議論されるほど合格率を左右しています。
単純に内容を言えば、文章理解は現代文です。
法律とは全く関係がありません。
知識も要求されないと言われていますが、対策も難しく簡単にできません。
長文読解が多く、小論文などが利用されることから内容が理解しにくい場合が出てきます。
問題の難易度がその年によって大幅に揺れ動くことでも知られており、どうしても得点しにくい科目です。
文章を読まなければならず、解答を得るためにも時間がかかります。
最も後半に出題されるので、ここで時間切れになってしまうことも出てくるのです。
科目としての重要度が低いことから、ここまでに合格できる点数を取るというのが行政書士試験のテクニックです。
それほど分かりにくい問題となるので、対策も注意しなければいけません。
行政書士試験で抑えたい科目
行政書士の試験には、いくつか押さえなければいけない科目が存在します。
法令の中で言えば、出題傾向がある程度決まっており、暗記で対応できる行政法です。
暗記で対応できるということは、ひたすら覚えていけばいいといえます。
もちろん、行政書士にとって大切な内容ともなるので、理解を深める必要が出てきますが、試験に合格するという意味では徹底的な暗記です。
行政法では、多肢選択問題が2問出題されます。
虫食いになっている部分を埋めるという出題ですが、8点と高い点数が置かれています。
2点が4箇所という構成なので、全て正解しなくても得点が加算されるのが特徴です。
この出題は、判例の判旨が原文のまま出てくるので、ある程度を範囲を絞り込むことができます。
ひたすら暗記してしまい、記憶に落とし込むことによって、自然と解答できるようになるでしょう。
同じように出題されるのが憲法です。
憲法は、他紙選択問題が一問だけ出題されます。
範囲も広くないため、行政法と同様に暗記で対応できる部分です。
押さえておかなければいけない科目として、民法も挙げられます。
民法は範囲が広すぎるため、暗記では対応できません。
さらに記述式問題として2問出題され、1問20点で40点あります。
行政法からもう一問出題されますが、民法は範囲の広さが違うのです。
得点としても落とすことができない範囲なので、民放は細かく理解をできるように勉強する 必要があります。
一般知識の中では、個人情報保護法が外せません。
他の法律と比べ、格段に難易度が下がるので、丁寧に勉強していくと点数が取れます。
一般知識の足切りを防ぐためにも、個人情報保護法は徹底的な対策が必要です。
配点から見れば12点しかありませんが、これだけでも足切りを防ぐポイントになります。
行政書士試験科目として対策が異なる記述式
行政書士の試験科目として、非常に難しい回答を求められるのが記述式です。
高い配点を持ちますが、基礎知識がなければ答えにたどりつけません。
問題に対して解答を40字以内に簡潔にまとめなければならず、少なければほぼ得点できない問題です。
文章としてまとめる能力も必要となるので、難易度の高い問題となります。
出題自体が難題でですが、論点としては基本的なことが問われます。
範囲はある程度決まっているので、覚えようと思えば出来ないことはありません。
過去問を見ながら、条文や判例を覚えるということが基本的な対策です。
特にキーとなるようなフレーズが存在するような条文や判例は、集中的に覚えておかなければいけないでしょう。
その上で、理解を深めるための努力を重ね、どの角度で出題されても答えられるような準備が必要です。
記述式の場合答えが完璧でなくても点数がもらえます。
満点でなくてもいいと思えば、重荷が取れてくるはずです。
白紙回答がもっとももったいない解答の方向になりますので、しっかりと最後まで文章を作り上げていかなければいけません。
論理性も必要ですが、整合性のある文章を書かなければいけない出題です。
記述式が難関とされる理由の一つとして、対策がしにくいという点が挙げられます。
覚えて解答を導くといったプロセスの集大成になる問題です。
これを頭で文章に変えてかなければいけません。
ほかの出題と比較して答えの出し方が異なるため、行政書士試験科目の中でも厳しい問題となるのです。
専門の参考書が販売されているほど注目される問題ですが、なかなか慣れることができない人もいます。
資格学校などでは、記述式問題に対する専門講座なども開いている場合があります。
どうしても慣れることができないなら、こうした専門講座を利用すると良いでしょう。
解答を添削してくれるだけで、習得度に大きな差がついてきます。
自分で模範解答と比較しても、本当に合っているのかどうか、加点されるかどうかの判断が難しいからです。
一番のポイントは、範囲が決まっており、それ以外の部分は覚える必要がないということです。
参考書などを見ると、その範囲を超えている解説や出題が出ていることがあります。
参考書にも範囲外書かれていたりしますが、あえてやる必要もありません。
必要なところだけで絞り込み勉強しなければ、余計に迷ってしまうのです。
まとめ
行政書士の試験科目に対する勉強は、かなり広い範囲をカバーする必要があります。
あまりにも広いため、全てをやろうと思えば一年間があっても間に合わないでしょう。
しっかりとターゲットを絞り込み、効率良い勉強方法にするのが、合格への近道になるのです。