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本当にむずかしい!?行政書士の合格率

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行政書士の合格率は、毎年10%程度しかありません。
1年に1回しかない試験として考えれば、この合格率は行政書士試験の受験者にとって重くのしかかる数値です。
どのぐらいの難易度になるのかも、この合格率から判断する必要が出てきます。

行政書士の合格率の推移

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行政書士の資格試験は、1951年(昭和26年)からスタートしました。
その当時は資格制度が導入されていませんでしたが、業務範囲の広さから考えても、取り扱いには一定の学力が必要とされ試験が制定されています。

行政書士の試験に関しては、受験資格が存在しません。
毎年11月の第2日曜日に試験が行われますが、だれでもチャレンジできるので非常に多くの人が受験している状況です。
独立できる資格として、それだけ行政書士が注目されていると言えるでしょう、

ここ数年の行政書士の合格率は、10%前後です、
行政書士の試験は絶対評価試験で、一定の点数をクリアしたものであれば、だれでも合格となります。
そのため、毎年合格率にばらつきがある状況です。
合格率が高い年では、15%前後の合格率になることも見られました。
特に顕著なのは平成14年度と平成29年度で、合格率が15%を超えたのです。

逆に極端に合格率が低かった年もあります。
平成15年度や平成17年度などは、合格率は2%を超える程度しかありません。
5%未満の年もかなりありました。

行政書士の試験の合格率に関わることとして、受験資格がないということが取り上げられます。
学校教育などで。法律の勉強をしてこなくても受験することができる行政書士は、だれにでもチャンスがあり門が開かれた資格試験とも言えるでしょう。

その反面、だれでも受験できるということが合格率を下げているとも言われています。
だれでも受験できるので、ほとんど準備もなしでとりあえず受けてみようという人が出てくるからです。
実際に試験の範囲は広く、1年をかけて準備してこなければ合格できない人も多数います。
その中で、とりあえずで受験しても、合格できるほど行政書士は甘い試験ではありません。

行政書士試験の受験者の人数を見ても、平成13年度あたりから急激に増加し平成25年度までは5万人以上の人が受験していました。
ピークから見るとだんだんと受験者数も減ってきてはいますが、それでも現在も4万人近くの人が行政書を目指し受験している状況です。
その中で10%程度の合格率で推移していることは、行政書士試験が受験資格がないということを差し引いても、難関の試験であることを表しているでしょう。

行政書士合格率から見る難易度

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行政書士の試験は、絶対評価式試験です。
合格に決められた点数が存在し、クリアできれば合格となります。
合格率のばらつきからも行政書士試験の難易度を判断できるでしょう。

合格率が極端に低かった年は、行政書士試験の難易度が高かったと言えます。
特に平成17年度は、受験者数が74000人を超えていました。
その中で 合格率は2.62パーセントと極端に低い数値が現れた年です。
この前5は5%以下になることも多く、行政書士の試験の難易度が上がっていたことを表しています。

近年では合格率が10%を超える年も多く、以前と比べて難易度が下がってきた傾向もみられます。
受験者数も減ってきている中、行政書士試験の合格率が上がってきていることからも判断できる部分です。

独立開業型の資格としてみた場合、世の中の景気にも左右されます。
サラリーマンよりも、自分で独立して仕事をしようかと考えれば、行政書士試験はぴったりだからです。
受験者数が少なくなってきていても、しっかりと準備をして将来に備えたいという人が増えれば、必然的に合格率も高まります。
インターネットの発展により、行政書士試験に関して多くの情報が手に入るようになり、準備がしやすくなったのも合格率に影響する部分です。

行政書士の試験は、範囲が非常に広いため、どれぐらい準備ができたのかによって合格に大きな差が生まれます。
情報化社会となり、さまざまな情報を得られるのは、難易度よりも合格への向けての準備がしやすくなったことを表しているのです、
しっかり準備できているのであれば、法律系国家資格として行政書士試験は入門に位置することからも、合格できる範囲に入ります。

実際に言われている難易度としては、業種は異なりますが宅建よりも高く司法予備試験よりも低いと言われています。
宅建も行政書士と同様に数多くの人が受験する試験です。
法律に関する出題も多く並行して勉強する人も多いでしょう。

司法試験予備試験は、法科大学院修了程度の知識や能力があるかどうかを判定するための試験であり、これに合格することで司法試験の受験資格が得られます。
この予備試験より、行政書士試験の難易度は低いと言われています。
こうした高度な試験と行政書士試験は比較されるということを考えても、10%の合格率から見る難易度は、一般的な人から見て低くないことが分かるのです。

行政書士合格率と勉強時間の関係

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行政書士試験は受験資格が定められていない、だれでも受験することができる資格試験です。
だれでも受験して合格を目指せますが、合格率からだれでも合格できる試験ではありません。
実際に受験者10人に1人しか合格していないからです。

仮に受けるだけ受けるという人が多かったとしても、10人に1人しか合格しない実情は見逃してはいけません。
受けるだけ受けるという人の中には、法律を勉強したり仕事としたりしている人も含まれているからです。

大学などで法律の専門課程を受けて来なかった場合、行政書士試験に合格するためには勉強時間としては800時間前後必要だと言われています。
800時間という長さは、決して短くありません。
1日3時間としても、9ヶ月ほど必要になるからです。
毎日3時間の勉強時間を確保するということは、簡単ではないことはすぐに理解できるでしょう。
これほどの時間をかけたとしても、合格率が10%前後であることを考えてみる必要があります。

多くの人が行政書士試験の勉強に時間を割いているはずです。
仮に半分の人だけが、これだけの勉強時間をかけて合格を目指したとします。
それでも合格率から見れば10%しかありません。
勉強しなかった人が半数板として全て不合格だったと仮定しても、合格率はわずか20%にしかならないのです
つまり、10人に2人しか合格できない試験なのですから、行政書士は簡単とは評価できません。

法律を勉強してきた人から見れば、行政書士の試験は入門レベルであると判断しますが、現実的にはそんな簡単なものではないことが。こうした分析からも分かります。
かなりの時間をかけて、行政書士の勉強をしなければいけませんし、試験対策も入念に必要です。
行政書士の試験範囲に対する理解度を深める努力は、毎日続けていかなければいけません。
それだけの努力をした人が、合格する試験になるため、準備は欠かすことができないのです。

行政書士合格率と絶対評価試験の意味

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資格試験には、相対評価式試験と絶対評価式試験があります。
この2つは似ているようで、全く違う性格を持っています。
相対評価式試験は、受験者全体に対して何パーセント合格させるかという基準が存在します。
例えば1000人受験したとした場合、10%の合格率を設定した場合には、100人合格者がでるのです。
受験者数が100人であれば、10人しか合格者が出ないことになります。

絶対評価式試験の場合には、合格者を何人だすのかは決まっていません。
試験の中で一定レベルを超えたものに関して、合格とするからです。
行政書士の試験は、この絶対評価式試験になりますが、基準点を超えるかどうかが合格の分かれ目になるでしょう。
この絶対評価式試験から、合格率を細かく判断する必要があります。

行政書士試験では、合格基準が全体で60%以上の得点をしつつ、法令科目は50%、一般知識等では40%の得点をしなければいけません。
どちらかでも基準を下回れば、足切りされます。
全体で300点満点なのが、行政書士試験の特徴です。

ここから判断すると、180点以上の得点をしつつ、法令東科目では244点122点以上、一般知識等では56点中24点以上を特定しなければ基準を満たしません。
難易度が極端に高かったとされた年には、救済措置として補正がかけられる場合もあります。
これも絶対評価式試験として、行政書士の試験の難易度にばらつきがあることを意味しているのです。

絶対評価式試験として考えた場合、行政書士の試験は頑張れば合格することを意味します。
どんなに法律を勉強した人たちが数多く受験したとしても、この基準をクリアできれば合格率に関係なく合格できるのです。
相対評価式試験であれば、合格者の人数は定められています。
法律に慣れ親しみ勉強してきた人が、その合格者の多数を占めてしまえば、初学で始めてきた人たちに合格の道はなくなります。
絶対評価式試験だからこそ、周りの人のレベルは関係ないのです。

資格学校などに通っている場合でも、相対評価式試験であれば、隣に座る人はすべてライバルです。
行政書士のような絶対評価式試験であれば、合格率に関係なく隣にいる人は同じ試験を受ける志を同じくした仲間となります。
一緒に合格を目指しながら勉強してこともできますし、お互いを高めることができる存在です。
頑張っている姿を見て、一緒に合格できる未来も想像できるでしょう。
モチベーションを高めるためにも、隣に座っている人は大事な存在となるのです。

まとめ

行政書士試験の合格率は、さまざまな資格試験と比較しても、決して高くありません。
世の中で言われるような、法学入門というような簡単な難易度というわけでもないのです。
現実的には10%前後しかない高確率の中で、行政書士を目指し試験を受けていくことになるでしょう。
しっかりと準備をして合格に向けて取り組むことが、行政書士試験では必要になるのです。