FP2級の試験を受けようと考えている人の中に、実技試験ではどんな問題が出るのか、気になっている人はいませんか?
出題している協会ごとに実技試験の科目や出題内容が異なるため、注意する必要があります。
この記事では、そんなFP2級の実技試験の種類や突破方法について詳しく解説しています。
ぜひ事前にチェックして、万全な体制で試験本番を迎えられるようにしましょう。
目次
FP2級の実技試験とは?まずは基本的な概要を理解しよう
まずは、FP2級の実技試験の概要について詳しくご紹介します。
金財と日本FP協会の2つが実技試験を実施していますが、それぞれ科目・出題内容が異なります。
ここでは、試験の種類や、配点、合格点などについて解説します。
FP2級の実技試験の種類
まずは、FP2級の実技試験の種類についてご紹介します。
金財と日本FP協会の2つの機関があり、金財には4種類の試験が、日本FP協会には1種類の試験があります。
この5種類の中から、1種類選んで受験し、合格点に達すれば実技試験合格となります。
きんざい実技①:個人資産相談業務
まず、金財が実施する実技試験に「個人資産相談業務」があります。
金融資産、不動産、相続・贈与、ライフプランニング、年金、タックスの6分野が出題範囲となっています。
範囲が非常に広いと感じた人も多いと思いますが、広いだけで、そこまで深く聞かれないという特徴があります。
実際、この試験を受験する人も多く、対策は比較的しやすいと言えます。
まずは一度過去問を解いてみて、合格点が取れそうかどうか、判断してみてください。
きんざい実技②:中小事業主資産相談業務
続いて、「中小事業主資産相談業務」です。
名前の通り、中小事業主への資金関係の相談に特化した試験です。
中小事業主の経営などを鑑みて、資産の運用や、税金関係の相談に乗ることを前提とした問題が出題されます。
こちらの試験は、資格取得後に、中小事業主に対するコンサルティングを主に行っていきたいと考えている人におすすめです。
実技試験の問題を選択する際には、どの試験なら受かりやすいかを考えるのも大切ですが、どういったキャリアプランを歩みたいかを考えるのも大切です。
きんざい実技③:生保顧客資産相談業務
続いて、「生保顧客資産相談業務」です。
これは、生命保険に関するファイナンシャル・プランに特化した試験です。
もちろん、将来生命保険を主に扱うファイナンシャル・プランナーになりたい人におすすめです。
出題内容は、生命保険や医療保険、年金や相続贈与、タックスなどがありますが、保険に関する分野だけで、全体の4割以上が出題されます。
保険分野をガッチリ固めてから、他の分野を勉強するという指針が良いでしょう。
きんざい実技④:損保顧客資産相談業務
続いて、「損保顧客資産相談業務」です。
保険の中でも、損害保険がメインとなっており、自動車保険や火災保険、地震保険、損害保険が出題範囲となっています。
こちらの試験を選択しようか迷っている人の中には、3つ目に紹介した「生保顧客資産相談業務」と迷っているという人がいるかと思います。
一通り過去問を見て、解きやすい方を選択するというのも、決断方法としては有効です。
日本FP協会実技:資産設計提案業務
最後に、日本FP協会が実施する「資産設計提案業務」という実技試験です。
出題範囲は、資産運用、年金、保険、不動産、相続・承継など、学科試験の範囲と同じ範囲となっています。
内容は似ていると言え、出題傾向や試験形式が異なるため、過去問を解きながら、金財の試験とどちらにするか、考える必要があります。
受験者数は、最も多いのがこの科目です。詳しくは後述しますが、合格率も40%台と比較的高く、非常におすすめです。
学科試験の範囲がすべて含まれているため、実技試験の出題形式に合わせるだけで対策することができます。
FP2級の実技試験の配点
ここでは、FP2級の実技試験の配点についてご紹介します。
まず金財の実技試験ですが、どの試験タイプも大問は5つあり、それぞれ10点ずつの配点となっています。
大問に設問が10個設けられていた場合は、単純に1問あたり1点の配点と考えて良いでしょう。
計算問題になると、他の選択問題よりは難しくなるため、問題数が10問以下の場合は、2点の配点だと考えられます。
続いて、日本FP協会が実施する実技試験ですが、金財と違い、満点が100点となっています。
解答数は、例年70〜80個ほどなので、おおよそ1問あたり1点〜2点の配点だと予想ができます。
計算を伴う問題や、四肢択一問題は、解くのに時間がかかるため、2点の配点となると考えて良いでしょう。
FP2級の実技試験の合格点
ここでは、FP2級の実技試験の合格点についてご紹介します。
金財の実技試験も、FP協会の実技試験でも、全体の6割正解することができれば、合格することができます。
金財の試験であれば、30点/50点、FP協会の試験であれば、60点/100点以上取ることができれば、合格できるということです。
金財の場合、どの種類の試験であっても、6割以上取ることができれば合格できるので、将来のキャリアプランと、解きやすさを鑑みて、判断してみてください。
FP2級の実技試験の合格率
続いて、FP2級の実技試験の合格率についてご紹介します。
合格率という判断基準も、どの試験を受験するか選択するときに入れてみてください。
金融財政事情研究会(きんざい)
2020年の1月の金融財政事情研究会(きんざい)の実技試験の受験者数・合格者数・合格率は、以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
個人資産相談業務 | 20,294 | 6,724 | 33.13% |
中小事業主資産相談業務 | 1,745 | 974 | 55.81% |
生保顧客資産相談業務 | 10,455 | 4,797 | 45.88% |
損保顧客資産相談業務 | – | – | – |
受験者数は個人資産相談業務が最も多く、合格率は中小事業主資産相談業務が最も高いことが分かりました。
損保顧客資産相談業務に関しては、例年受験する人が非常に少なく、受験者がいない年もあります。
日本FP協会
2020年の1月の日本FP協会の実技試験の受験者数・合格者数・合格率は、以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
資産設計提案業務 | 23,968 | 10,032 | 41.86% |
金財の試験データと比較して、受験者数は非常に多いものの、合格率は、そこまで大きくは変わっていません。
基本的に、FP2級の実技試験は、金財の「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」か、日本FP協会の「資産設計提案業務」を受験している人が大多数であることが分かります。
これらの結果を踏まえて、どの試験を受験するか、選択してみてください。
FP2級の実技試験対策は何をすれば良い?覚えることやコツについて解説
ここでは、FP2級の実技試験対策は何を行えば良いのかについてご紹介します。
覚えておくことや、ポイントを押さえるだけでも大きく違うため、ぜひ一通りチェックしてみてください。
FP2級の実技試験対策のコツ・ポイント
FP2級の実技試験対策のコツ・ポイントは、大きく以下の2つです。
過去問を解く
まずは過去問を解いてみることをおすすめします。
どういった問題が出題されるのか、どの試験なら解けそうなのかは、しっかり見極めるべきです。
もちろん、今後のキャリアプランなどから、どの分野を受験するべきかを決める場合もありますが、何よりも合格しないと話にならないため、過去問を解いてみて、その上で判断してみてください。
出題される傾向を分析する
また、過去問などを解く中で、どういった問題が出題されるのか、という傾向を分析するのも大切です。
学科試験でも同じことですが、まずは試験分析を行うことが大切です。
試験日までの時間は有限ですので、無駄なく勉強を進めていくことほど大切なことはありません。
過去問を解き、どういった問題が出題されるのか把握できたら、例年どんな問題が出題されやすいのか、分析してみましょう。
FP2級で覚えておくべき計算式
FP2級の実技試験を突破するために、ある程度覚えておくべき計算式というのが存在します。
テキストや勉強サイトなどでもまとめられていますが、
- 金利と利回り
- 公的年金等控除額
- 相続税額の計算
など、かなりたくさんあります。
もちろん、すべて暗記しないといけないというわけではありませんが、計算式というのは暗記するレベルで使えないと、実際の試験では役に立たないことがほとんどです。
自分なりの出題傾向や、他のテキスト・勉強サイトを参考にしながら、どの計算式を暗記したら良いか、考えてみてください。
FP2級の実技試験の過去問はどこで見れる?おすすめの問題集や予想問題を紹介
最後に、FP2級の実技試験を突破するために参考にしたい問題集や予想問題テキストをご紹介します。
独学で合格を目指している人はもちろん、通信講座などを活用している人にもおすすめなので、ぜひ書店等で目を通してみてください。
金融財政事情研究会(きんざい)
まずご紹介するのは「金融財政事情研究会(きんざい)」が出している実技試験用のテキストです。
試験の種類ごとにテキストがあり、過去に出された問題から精選された問題が掲載されています。
精選されているため、難易度が高いと感じる場合がありますが、繰り返し解いて、完璧にすれば、確実に合格を勝ち取ることができます。
ぜひ購入を検討してみてください。
FP技能検定試験研究会
続いて、ご紹介するのは「FP技能検定試験研究会」が出している実技試験用のテキストです。
FP技能検定試験研究会が出しているテキストは、問題集というよりも、過去問題を集めたテキストです。
なので、演習というよりは、試験直前に行う勉強に役立ちます。
金財・日本FP協会のすべての種類の試験に対応しているので、ぜひ受験する試験のテキストを選んでみてください。
TACの予想問題シリーズ
最後にご紹介するのは、資格取得に強いTACが出している「予想問題シリーズ」です。
試験日前になると、「こんな問題が出題されるのではないか」という、予想問題が出版されます。
本番と同じような形で解くことができるため、試験直前の非常に良い演習になります。
3回分の模試が収録されているので、何度も解き直して、演習することも可能です。
ぜひ試験前に解いてみてください。
FP2級の実技試験の対策をしっかり行って、合格を勝ち取ろう
FP2級の資格は、学科試験と実技試験の両方に合格して、始めて取得することができます。
学科試験同様に十分な対策を行う必要があり、どの試験を受験するかによっても左右されます。
まずは過去問を一通り確認して、どの試験を受けるか、決めてみてください。
そして、最後におすすめしたテキストなどを参考に、効果的な勉強を行いましょう。
FP2級の受験を考えている人にとって、参考になる記事となれば、幸いです。