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宅建の5問免除とは?免除制度が受けられる「登録講習」を詳しく解説

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宅建の5問免除制度とは、「必要な条件を満たせば50問の試験問題中5問が免除される」という、宅建合格においてとても有効な手段の一つです。専門知識を必要とする宅建は解答に時間がかかる人も多いため、この5問免除制度を活用し試験合格を目指しましょう!

宅建試験の5問免除制度が受けられる「登録講習」とは

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50問の4択マークシート方式の試験問題を2時間以内に全問解答しなければいけない宅建試験は、ハードルが高い資格試験の一つです。この宅建試験において、50問中5問の問題解答が免除される制度のことを「5問免除」と言います。

宅建試験の5問免除制度の概要は、宅地建物取引業法第16条第3項「国土交通大臣の登録を受けた者(登録講習機関)が国土交通省令で定めるところにより行う講習の課程を修了した者については、国土交通省令で定めるところにより、試験の一部を免除する」といったものです。宅建試験で5問免除制度を受けるには、国土交通省が指定する法定講習である「登録講習」を受講し、「登録講習修了者証明書」を交付してもらうことが必須です。

また、宅建試験で5問免除制度を受けるために必須の登録講習は、国土交通省が認定登録した「登録講習機関」でのみしか受講することができません。

登録講習は、通信講習およびスクーリング(通学授業)で学びます。通信講習を受講後に、2日間のスクーリングに参加し講義を受ける必要がありますが、スクーリングの日程が平日に組まれている資格学校もあります。そのため、仕事をしながら宅建取得を目指している人は、スクーリングのために日程を調整する必要がある場合があります。

通信講習と2日間のスクーリングを受講後、修了試験に参加し合格した人にのみ「登録講習修了者証明書」が発行されます。この修了試験の内容は、ほぼ通信講習とスクーリングの内容から出題されるため、きちんと講習を受講していれば問題なく合格できるでしょう。

ただし、登録講習修了後に宅建の5問免除を受けるには、注意しなければいいけないことがあります。宅建の5問免除は、登録講習修了試験合格日から3年以内に受ける宅建試験にしか適用されない点です。登録講習修了者証明証には、「試験合格日から3年間の有効期限」があるため、有効期限内に宅建試験を受けなければ、登録講習を修了しても5問免除制度を受けることができないのです。

登録講習修了者証明証に3年間も有効期限があるからといって余裕を持ってしまうと、いつの間にか有効期限が過ぎてしまい、宅建の5問免除制度を受けることができなくなってしまうので注意してください。

また、あくまでも「登録講習修了者証明証が発行された後」にしか、宅建試験の5問免除は適用されません。登録講習期間中に、宅建の5問免除の申込みをすることはできないので覚えておきましょう。

宅建試験の5問免除を受けるために必要な条件

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宅建試験の5問免除制度を受けるには登録講習が必須ですが、それ以外にも必要な条件がいくつかあります。宅建の5問免除制度を受けるためには、宅建業法にて定められている「宅地建物取引業に従事する者」、つまり「宅地建物取引業に就いていること」が必須です。

また、宅地建物取引業法第48条1項には「宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者にその従業者であることを証する証明証を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない」とあります。そのため、「宅地建物取引業に就いていること」を証明することができる「従業者証明証」を持っていることが、宅建の5問免除を受けるために必要な条件になります。

従業者証明証は、宅地建物取引業に就いていればどのような形態でも発行されるので、正社員以外の派遣社員やアルバイトでも取得することが可能です。そもそも、宅建の5問免除を受けるために必要不可欠な登録講習に申し込みをする際には、この「従業者証明証」のコピーの提出が必要になります。そのため、宅建の5問免除を受けるために必要な条件を揃える順序としては、まず最初に宅地建物取引業に就くことです。

宅地建物取引業に就くことができれば、従業者証明証が発行されるため、この2つの条件を揃えることにより、やっと登録講習の申し込みをすることが可能になります。そして、登録講習後の登録講習修了試験に合格し、登録講習修了者証明証を取得した時点で、宅建の5問免除制度を受けることができるようになるのです。

ただし、登録講習受講途中で宅地建物取引業従事者でなくなった場合(仕事を辞めてしまった場合など)には、登録講習修了試験を受けることができないので注意が必要です。

宅建の「登録講習」の申し込みから5問免除の申請までの手順

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宅建試験の5問免除制度を受けるために必要な「登録講習」は、登録講習を実施している登録講習機関に郵送もしくはインターネットで申し込みをします。講習内容はどの登録講習機関もほとんど同じですが、時間割や費用などに差があるため、なるべく多く情報収集し、自分に適した登録講習機関で受講することがポイントです。

宅建試験は毎年10月の第3日曜日の実施であるため、各登録講習機関(資格学校)は1〜5月頃に登録講習の募集を開始します。各登録講習機関ともに受講定員数が限られていることから、5問免除制度を確実に活用したい人は、なるべく早めに申し込むようにしましょう。宅建試験の時期や通信講習にかかる期間を逆算すると、登録講習機関への申込みは「3月頃まで」には終わらせておいた方が良いです。

登録講習申込後は、通信講習を受講するために必要な教材が自宅に届きます。
最初に受講する通信講習は、専用の教材を使った自宅講習となり、講習完了までは一般的におよそ1〜2ヶ月程度の期間がかかります。

通信講習を受講後には、2日間のスクーリング(通学授業)に参加し、講義を受ける必要があります。スクーリングは、1日6〜8時間ほどの講義(うち3時間講義×3回、1時間講義×1回)を2日間に渡って受講し、修了となります。スクーリング修了後の修了試験(約1時間程度、全20問の4択試験で14問以上の正解で合格)に合格することで、無事に登録講習修了者証明証を取得することができます。
登録講習修了者証明証は発行後3年間の有効期限がありますが、有効期限内に宅建試験を受験しなければ5問免除は適用されないため、なるべく早く本試験に申し込むことをおすすめします。
宅建試験には、インターネットおよび郵送にて申し込みが可能です。インターネットでの申込みは毎年7月1日〜7月15日、郵送は7月1日〜7月31日までと、それぞれに申込期間が異なるので注意するようにしましょう。
また、登録講習修了者証明証の発行が申込期間の直前であった場合には、登録講習修了者証明証の修了番号が各登録講習機関から試験団体に届いていないことがあります。このような場合には、インターネット上で修了番号の照合ができないため、申込みは郵送のみとなります。

宅建試験で5問免除される問題の範囲

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宅建試験で5問免除される問題の範囲は、50問中の46〜50問目までです。内容としては、「宅地建物取引業法施行規則 第8条第1号」の土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関することと、「宅地建物取引業法施行規則 第8条第5号」の宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関することになります。

この2つの内容は、例年宅建の本試験において46〜50問目に出題されることから、5問免除が適用される場合には、45問目までを解答することができれば良いのです。5問免除制度を活用することにより、宅建試験の解答の1割を回避することができるので、その分楽に試験を受けることができます。

また、5問免除される宅建試験の問題範囲がすでにわかっているので、その範囲の勉強時間を省くことができることから、5問免除制度を活用するのは忙しい社会人にとってはとても効率的であると言えるでしょう。

宅建試験で5問免除を受けるための「登録講習」にかかる費用

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宅建試験で5問免除を受けるための登録講習には、受講費用が必要です。登録講習に必要な費用は、受講する登録講習機関(資格学校)によって異なります。登録講習の受講費用は、おおよそ1万5千円〜2万円程度が平均相場となっています。

また、資格学校により早割やインターネット割引などの割引き制度を設けているところもあります。なるべく費用をおさえて宅建の5問免除を受けたいと考えている人の場合には、まずは登録講習機関を検索し情報を集め、それぞれの受講費用を比べてみることをおすすめします。

宅建試験は一般受験者よりも5問免除者の方が合格率が高い

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宅建試験は例年20万人ほど受験者がおり、その中で合格できる人数は3万人程度であると言われています。一般社団法人不動産適正取引推進機構の資料によると、一般受験者の宅建合格率は14〜15%であるのに対し、5問免除者の合格率は19〜20%にも登っています。

この資料からもわかるように、宅建試験は一般受験者よりも5問免除者の方が合格率が圧倒的に高いです。そのため、確実に宅建合格を目指すのであれば、5問免除制度を活用することに越したことはありません。また、宅建試験では1〜2点というわずかな点数差で不合格になることも多いため、5問免除制度を活用することは受験者にとって大きなメリットであると言えるでしょう。

まとめ

宅建試験の5問免除は、確実に試験合格を目指す人にとっては、とても有効な制度です。宅建の合格率は15%前後であり、決して簡単な試験ではありません。しかし、5問免除を活用すれば、一般受験者よりも宅建の合格率は5%近くも上がります。

このようなことから、宅建試験の5問免除は勉強時間の短縮ができると同時に、合格率もアップさせることができるので、これから宅建試験に挑もうと考えている人にとてもおすすめな制度です。