社労士試験の合格点は、試験後すぐに発表されるわけではありません。
2ヶ月ほどの時間をおいてから発表されることになるため、やきもきする時間を過ごすことになるでしょう。
そうならない為にも、予測される合格点を上回るように準備をしていくことが大切です。
そのためには、徹底的な試験分が必要になります。
社労士の合格点の考え方
社労士の合格点は、明確な変数ではありません。
通常、絶対評価試験であれば、決められた点数をクリアすることによって合格が決まります。
社労士では、合格点が交差点引きになっていません。
後から合格ラインが発表され、何点が合格だったのかがわかる仕組みです。
非常にわかりにくい部分を持っている構造で、合格者数のコントロールもしていると言われています。
全く基準がないまま社労士の勉強をしていても、ターゲットはぼやけてしまい、うまく進められない可能性も出てきます。
実際に、社労士の合格点としてターゲットにされているのは、70%の正答率です。
7割答えられれば、合格に近づいてことができるでしょう。
これは例年の合格ラインから見られることであり、全く根拠がない数値ではありません。
社労士の合格点の考え方として、前年の平均点から今年の平均点を比較するという方法が取られています。
つまり、前年の平均点を超えることができるようであれば、ある程度合格したと考えることもできるでしょう。
大幅に難易度が広がった場合には、点数の補正もされるのが社労士試験です。
点数を引き上げてくれることによって救済されることも出てきます。
社労士の試験の場合には、各教科足切りもう設定されているので、必ず超えなければいけません。
そのため勉強方法としても、得手不得手を作らず、平均的に取れるようにする必要があります。
試験範囲が非常に広いことからも対応が難しい問題ではありますが、合格するためにも多くの知識をつけていかなければいけないのです。
社労士の試験勉強が合格点に至るまでに、800時間や10時間かかると言われているのは、こうした問題が隠れていると言えるでしょう。
社労士の合格点から見る難易度
社労士の合格点を見てみると、大体が70%といった正答率を求められています。
大幅に変動するような年は存在せず、ある程度予測の範疇といったところになるでしょう。
それでも点数がギリギリだったのではないかと思う人にとっては、発表までかなり苦しい日々を過ごすことになります。
社労士試験が難易度が高いと言われるのは、この合格点の変動流れ部分があります。
社労士試験の範囲を考えると、全て理解していくのは不可能です。
それにもかかわらず、足切りの設定もあります。
一定点数が取れなかった科目があれば、総得点で合格していても不合格になるのです。
受験者が報われないとされる部分ではありますが、社労士の将来という面で考えれば、苦手ですというわけにはいかない以上、正しい判断とも言えます。
合格点から見えるもう一つの難易度があります。
資格試験の問題は、毎年同じレベルであるとは限りません。
難しい年もあれば簡単な年も出てきます。
問題を作成する時点での影響もありますが、全体的に理解度が低かった問題などが出てくれば、足切りされるものが増大してしまう可能性が出てくるのです。
これは資格試験として大きな問題になるでしょう。
そこで救済措置が取られるようになりますが、救済を受けたとしても、根本的な難易度が変わるわけではありません、
あまりに補正が働いた場合には、総得点自体が下がる可能性も出てきます。
社労士試験には、科目合格という考え方もありません。
他の資格試験ではよく見られる方法です。
税理士では合格した科目は、一生有効となります。
中小企業診断士では、総得点としては不合格であっても、合格した科目は翌年試験を免除されるのです。
総得点の面から免除しないで受ける方法もありますが、それだけ選択肢があることが重要になるでしょう。
社労士試験にはこうした科目合格が存在しないため、不合格となってしまえば、また一からやり直しです。
どんな得意科目であったとしても、翌年難易度が上がれば合格点に届かない可能性も出てくるでしょう、
得意だったとしても、非常に長い試験時間を持つ社労士試験ですので、他の科目に影響が出る可能性も否定できません。
社労士試験は、満点を目指す必要がない試験です。
合格点の予測が7割であるのなら、単純にこれを目指せば問題ありません。
満点を取っても、合格点ギリギリだったとしても、合格には違いがないからです。
難易度の揺れ動きは出てきますが、7割を目標とした勉強をする必要があるでしょう。
社労士の合格点と他資格との比較
社労士の合格点は、その年によって変動します。
一般的に相対評価試験と呼ばれる方法のひとつですが、 社労士では少々事情が異なります、
相対評価試験に近い形であり、珍しい仕組みを持っている試験です。
絶対評価試験に属するのは、代表的なのが行政書士です。
行政書士は合格点が決められており、これをクリアすれば合格になります。
簿記やファイナンシャルプランナーも同様です。
非常に多くの試験が絶対評価試験を基本としていますが、一定の合格点を設定する代わりに、試験の難易度で合格者数が大きく変動します。
難易度が低く、多くの人がクリアすれば、大量の有資格者が生まれるのです。
簿記などの資格試験であれば、これはそこまで大きな問題になりません。
しかし、独占業務などを持つ国家資格では、非常に大きな問題につながります。
合格点が低く、大量の有資格者を生み出せば、必然的に資格のレベルも下がり混乱も生み出す可能性が出てくるでしょう。
資格の信頼を失う可能性も出てきます。
大量の有資格者が生まれたために、市場に飽和状態を作り出す可能性があるのです。
そこで、国家資格としては、行政書士ぐらいしか採用していません。
相対評価試験の場合には、合格者数を設定します。
例えば受験者の上位10%を合格させるとして、合格ラインを引くのです。
こうすることによって、一定の合格者が生まれることになり、市場の崩壊を防げます。
社労士試験も相対評価試験のひとつとされています。
合格点は前年の試験の平均点と比較して設定されますが、絶対評価試験のように定められているわけではないからです。
ここが大きなポイントになります。
他資格と比較しても、かなりわかりにくい設定ですし、発表までに時間もかかるのが社労士です。
合格点が変動するという点では、中小企業診断士に近い部分も持ちます。
基本は、絶対評価式試験であり、足きりはあるものの、総得点数の6割で合格できる試験です。
しかし、試験の難易度が著しく高かった場合には、補正が入ります。
合格点が下げられる場合もありますので、大きな違いが生まれるでしょう。
社労士とも似ている部分を持っていますが、中小企業診断士には1次試験のほか2次試験もあります。
合格点の設定はどちらも同じですが、記述式試験になるため、合格者をコントロールしやすい部分を持つ試験です。
どちらも完全な相対評価試験とは言えませんが、満点を目指す必要はないため、目標とする点数に到達するように勉強していかなければいけません。
社労士の合格点と合格率
社労士試験の合格点とともに、合格率を見ていく必要があるでしょう。
難易度の変動がわかるからです。
社労士の合格率は、毎年6%前後で推移しています。
しかし、平成27年のように、わずか2%程度になる年もあるのです。
これが社労士の大きな特徴となってきます。
相対評価試験ではありますが、かなり大きな合格率の変動を持ちます。
かつては、10%を超えた年もありました。
年によってこれだけ違う合格率をもっていましたが、かなり安定するように変わってきています。
2%だった年を考えると、それだけ難易度が高かった可能性が出てきます。
しかし、相対評価試験である条件を考えれば、それだけ合格者を出したくなかったとも置き換えることができるのです。
合格者数をコントロールする年に当たると、合格がかなり難しくなります。
それでも平成27年度は、救済措置が4科目に実施されているところも注目しなければいけません。
合格ラインを前年の平均点と比較して設定するため、それだけ点数が低かったといいかえることもできます。
ただし、翌年である平成28年度では、選択式試験だけではなく、択一式試験も含め5教科も救済されています。
それでも合格率は4.4%もあり、前年の2.6%よりもはるかに高い数値といえるでしょう。
合格者数から見ると、1051人しか合格できなかった平成27年度に比べ、1770人もの合格者が出ています。
ただし、受験者数も平成27年度が4万人を超えていたのに比べ、平成28年度は4万人を切っていました。
こうした変化が起きる試験が社労士ではありますが、合格点が難点に設定されようと、7割程度点数を取り、足きりに合わないようにできれば、合格に届くことがわかっています。
ほとんどの年がこの条件に当てはまってくるのですから、弱点をなくすための勉強をし、点数を引き上げていく必要があるのです。
社労士試験は広い試験範囲を持ちますが、時間をかけてでもカバーできるような準備が必要になります。
まとめ
社労士の合格点は、毎年変動しますが、目標とするポイントにはそこまで影響がありません。
多くの人が受験する試験で相対評価試験としては、周りの人はライバルです。
一人でも抜けば合格する可能性が広がる可能性も出てきます。
しかし、7割の得点が目標となってくることを考えれば、自分で努力し得点を引き上げていくことが、合格するための大事な条件となるのは間違いありません。