日本の法律系の資格として、社労士には大きなメリットがあります。
他の資格にはない形を持っており、広く資格を活かしていけるところは大きなメリットになるでしょう。
ただし、良い面があれば悪い面もあるように、どういった仕事なのかを正確に知り目指すことが大切です。
社労士の資格がもつメリット
社労士の資格は、取得まで800時間から1000時間かかると言われています。
1年間で計算しても、毎日数時間勉強しなければ到達することができません。
それほど広い内容を学ばなければいけませんし、対応できるだけの能力も必要です。
社労士の資格の大きな特徴として、企業に勤めながら、独立開業せずに活躍することができます。
もちろん、企業に勤めたりせずに自分の力で開業することも可能です。
これも社労士取得のメリットで、自分で自由にやり方を決めていくことができます。
他の士業や業種とつながり、業務の幅を広げることもできるでしょう。
収入の面でも、仕事の量を確保できれば、大きな金額を得ることも珍しくありません。
当然のことですが、顧客を確保できなければ仕事にはなりません。
社労士の場合、企業を相手にすることになるため、顧客獲得が簡単ではないところが問題です。
看板を掲げたからといって、すぐに顧客が確保するのは難しいといわざるを得ません。
資格取得の難易度もありますが、開業後の問題はもっと大きくのしかかる可能性があります。
社労士を取得することにより、自分の将来を決めることができるのは大きなメリットです。
企業に勤め資格を活かすこともできますし、独立もできるので、自分の運命を自分で決定できると言う大きな力を持っています。
細かな法改正が繰り返される業界で、常に知識を求められるため、人事労務で働くのであれば、最新の知識を身につけていくことになるでしょう。
この情報の速さも、社労士のメリットとなるのです。
社労士を武器に転職したらメリットはあるか
社労士は、士業の資格として独立開業せずに企業内でなのに活動することができます。
非常に珍しい程度を持っているところが、ほかの資格にはないメリットのひとつです。
そこで、社労士の資格を活かして転職しようという人もできます。
実際に人事や労務の部門で募集している場合には、かなり大きな効果を受けることになるでしょう。
給与計算などを行わなければいけない人事や労務の部門では、社労士の資格が大きな武器になるからです。
労働保険や社会保険関する知識も企業で働く上では、強力な武器になります。
例えば事業拡大を考えており、社内で人事労務のシステムの整備が必要となる場合、社労士がいることは、企業にとっても大きなメリットになるでしょう。
会社を新規に立ち上げるときも、大事な役割を持ちます。
大企業だけではなく小さな企業でも、社内に社労士を抱えられることは、人材ということだけではなく費用的な面でもメリットにつながるのです。
社労士がいれば、労務や人事に関して、的確なアドバイスを得られるようになります。
資格の難易度から考えても、代替がきく存在ではありません。
うまく転職ができるのであれば、しっかりしたポジションを獲得できるようになるはずです。
実際に数多くの社労士を抱えている企業は、ほんのわずかしかありません。
一人でも二人でも雇用できることがあれば、企業としては大きなチャンスになるのです。
非常に高いメリット持ちますが、転職時に既にメリットになるだけではありません。
条件によってはデメリットになる可能性も秘めているからです。
人事労務以外の部門で考えると、社労士の資格は要りません。
トライアル雇用などを行っている企業には、即戦力になる社労士は必要ないでしょう。
希望してる企業が、こうした制度を使っている場合、社労士の資格が邪魔になる可能性も出てきます。
実際にトライアル雇用で。人事労務の能力を持った人を狙うケースはあまり存在しません。
その点ではあまり心配することがないとは言えます。
社労士を取得するまで1年以上の月日が必要と考えられている中、こうした企業にどうしても転職したいという人も少ないでしょう。
転職を考える上でメリットになるのがもう一つあります。
雇用された場合に、他の部門に異動させられる可能性は限りなく低くなる点です。
社労士という能力を活かして雇用されるわけですから、他の部門に利用する価値はありません。
専門性が高いため、人事労務の部門で必要になるからです。
当然のことですが、その企業でその部門の中にいたくないと思った時に、異動を願い出たとしても、受理される可能性もなくなります。
自分の能力を生かすために転職してきたのですから、こうした事態が起こることは覚悟しておかなければいけません。
社労士で生まれるメリットとデメリット
社労士のの資格を取得することは、多くのメリットを生み出します。
しかし、全てがメリットとなるわけではありません。
多くの人が社労士を目指すためには、膨大な時間を犠牲にしてきます。
この時間が取れる人はまだ幸せでしょう。
資格取得を目指し、これだけの時間を犠牲にすれば、それだけの利用も失うことになります。
メリットがあることだけ見つめ、将来性の部分で正確に判断できていないと、支度を終えても活かせないかもしれません。
現在社労士が置かれている状況は、決していいとは言えません。
社労士の市場は飽和状態であり、社会の中に数多く存在してしまいました。
企業を相手にするのが基本の社労士ですので、企業の数に対して社労士が増えすぎれば、当然仕事はありません。
人事労務の相談を受けるとしても、初めて出会った社労士に全ての事が話せることはないでしょう。
企業の内部事情にも関わる部分であり、初見で色々と話せるほど簡単な問題ではありません。
そのため、一度依頼した社労士がいると、非常に長い取引をしていくことになります。
一朝一夕で割って入れるようなものではなく、営業したから仕事が取れるという世界でもありません。
コネクションがなければ身動き一つ取れない可能性も出てくるのですから、 新規参入に伴う障壁の高さは驚くほどの世界です。
頑張ったからといって、すべて報われるわけではありません。
それどころか、下準備をしなければ、報われないことのほうが多いといっていいでしょう。
勉強にかかる費用も取り返せるとは限りません。
すべて失う可能性のほうが高いことを覚えておくべきでしょう。
もちろん、知識は身に付きますが、どこで生かせるのかといえば、社労士はかなり狭い範囲にとどまります。
人事労務の分野を除けば、ほぼ使えない知識になるからです。
こうしたデメリットも踏まえ、受験の準備とともに準備を進めていく必要があります。
さまざまな企業と交渉をしながら、取得後に仕事ができるかどうか確認していくといいでしょう。
雇用してもらえる企業の存在を、リサーチする必要もあります。
ほとんどの場合、働きながら資格取得を目指すのですから、現実を見て甘く見積もるのではなく、しっかりとした将来のビジョンを持ち、対応していかなければいけません。
独立開業したときの社労士のメリットとデメリット
社労士は、ほかの士業と同様、独立開業できる資格です。
これは大きなメリットでもあり、デメリットにもなります。
独立開業できることは、夢があるのは確かです。
景気が悪い時期は、社労士として独立し、収入を増やそうと考えるのは、確かに間違いではありません。
メリットにもなりますが、景気に左右される部分でこれがデメリットにもつながります。
社労士は、企業とともに生きていく資格です。
景気が悪くなり、社員の雇用も控えたいと思っている状況では、社労士の仕事も増えてはいきません。
企業の数自体も減少する可能性が出てきます。
その中で独立開業しても、仕事量の確保ができない可能性があります。
受験資格のところからも考えなければいけません。
中卒でも高卒でも受験はできますが、多くの知識を必要とする社労士としては、どれぐらい身につけてきたのかが経営にかかわってきます。
独立開業したとしても、誰かに教えてもらえるわけではありません。
社内社労士として働いてきて、実績を積んできたのであれば別ですが、資格取得からすぐに独立するケースでは、知識のなさが大きな壁となります。
社労士に依頼する側とすれば、専門家として知識を有していることが依頼する前提です。
依頼するうえで、確認することも難しいところですが、話をしているうちにかみ合わなければ、そのまま撤退するでしょう。
それだけ大事な話をしていくからです。
仮に資格取得からすぐに独立したとしても、それを依頼する企業としては分かりませんし、理由にもなりません。
自分自身に対する準備がどこまでできるのか、そこまで含めて独立しなければいけないでしょう。
独立するにあたって、資金繰りの問題もあります。
長い時間をかけて勉強していくことになりますが、ここに大きな費用が必要です。
社労士として登録に費用が掛かりますし、開業準備に資金がいります。
志だけで独立できるような世界ではありません。
事務所の準備から活動資金まで、すべて用意して臨まなければいけないのですから、独立を目指す事業としての大きな壁です。
まとめ
社労士には、資格としてさまざまなメリットがあります。
そのメリットを生かしていくためには、時間だけではなく、資金や人間関係など多くの準備が欠かせません。
勉強すれば、自分の将来を切り開けるというわけではありませんので、デメリットも含め対応できるようにしなければいけないでしょう。
そのうえで、どのように生かせるのか、勤務するのか独立するのかを明確にして進んでいけば、社労士という難関資格のメリットを最大化できるのです。