中小企業診断士試験には、受験資格は設定されていません。
様々な人が自由形にすることが出来るわけですが、その中に科目免除と呼ばれる制度があります。
非常に難易度の高いことでも知られている中小企業診断士試験ですので、合格するためにはこの科目免除もうまく利用するのが大切です。
中小企業診断士の受験資格と科目免除
中小企業診断士の受験資格は、特別なものがありません。
年齢や性別国籍と言ったことも影響しない試験です。
誰もがチャレンジできるということでは、門が開かれた資格だと言えます。
その反面で、一発合格はわずか4%しかない高難易度試験です。
誰もが合格できるような試験ではなく、ほとんどの人は1次試験の壁に阻まれ諦めてしまうほど高い難易度を誇っています。
非常に多くの知識を問われる中小企業診断士試験で、出題も7科目になっておりそれぞれがあまり関連性がないのが特徴です。
それぞれしっかりと知識を身につけなければとても合格できません 。
受験者の特性を見ると、ほとんどが社会人であることが中小企業診断士の特徴です。
つまり、ある程度の経験がなければ合格するのは難しいと言ってもいいでしょう。
これまで生活してきたバックボーンが重要になってきますが、うまく活かしていくことができれば、合格に近づいていきます。
その中でも、これまでどのようなことをしたいお金より、科目免除を受けることができるのも特徴です。
中小企業診断士試験の内容的には、科目免除の方法は二つ存在します。
その一つが、これまで培ってきた能力による免除です。
他の国家資格など持っていることで科目免除を申請することができます。
もう一つが、一次試験において60点以上の得点を捨て科目合格になった後に、科目免除を申請する方法です。
こちらは、メリットとデメリットがはっきりしています。
科目免除が出来る代わりに、自分で得点ができる科目を放棄してしまうため、総得点が下がってしまう可能性が出てくるのです。
受験しなくてもいいということは確かに負担が減りますが、合格という面ではデメリットになる可能性が出てくるため、状況を良く捉えて申請する必要があります。
中小企業診断士の科目免除の要件は高い
中小企業診断士の科目免除の要件は、決して低いものではありません。
1次試験で60%以上の得点を取るというのも、決して楽な条件ではないでしょう。
1次試験では7科目ありますが、それぞれ専門性の高い科目になっています。
経済学や会計分野、法律など多岐に渡る科目を相手にしなければいけません。
その中で60%以上の得点を取るのは、かなり難しい問題です。
得意としている分野で60%以上取るのは簡単ですが、不得意なところで科目免除目指せるようにしなければ意味がありません。
不得意な分野をどの程度まで引き上げていけるのか、それが合格に近づく大事なポイントになるでしょう。
もう一つ中小企業診断士試験の特徴として、非常に難易度の高い科目が出てくる場合があります。
科目によって違いがありますが、時折非常に高い難易度の出題が目立つ傾向があるのです。
これがとてもやっかいであり、うまく点数を取り科目免除により回避するという方法もあります。
何年に一度行ってくるなど周期性があるわけではありません。
しかし、1年で合格を目指すのは非常に負担の高い試験なのが、中小企業診断士です。
複数年で合格することを考えていくと、この科目免除をどのように活かすのかが大切になるでしょう。
もう一つの要件として、所持資格による科目免除があります。
これが非常に高い要件を持っているため、誰でも利用できるとは限りません。
しかし、自分で所持している科目があれば、積極的に免除してしまうというのも方法です。
科目免除の名前の通り、所持してる近くによって違いがあります。
経済学・経済政策であれば、大学の経済学教授や、公認会計士、不動産鑑定士といった資格が必要です。
経営法務であれば、弁護士や司法試験合格者が科目免除を受けられます。
他にも、財務会計は公認会計士や税理士が対象です。
経営情報システムの場合には、技術士や情報処理技術者試験合格者になります。
この4科目だけが科目免除の要件を持っていますが、どれを見ても非常に高いレベルを要求されています。
公認会計士が税理士、後は弁護士といった資格を取得するのは、中小企業診断士以上に大変です。
IT系の資格についても同じことが言えるでしょう。
こういった資格の所持者は、知識レベルだけではなく、普段の生活でも活用しているはずです。
それだけに、本当に科目免除をするべきかどうか考えていかなければいけないでしょう。
勉強時間と中小企業診断士の科目免除
中小企業診断士試験で合格するためには、初学者では1000時間か1200時間以上の勉強時間がだと言われています。
数で見ればなかなか実感できない数字ですが、1日3時間勉強するとしても、334日から400日と1年は余裕でかかることが分かるでしょう。
毎日勉強の時間を確保できるわけではありませんし、モチベーション的な問題も出てきます。
その中でこれだけの時間を確保するのは非常に難しい問題です。
仕事をしながらこれだけの時間を確保するのは、そうそうできることではありません。
学生なら勉強時間としてあてることができますが、働きながらではかなり厳しい現実が待っています。
睡眠時間なども削り勉強していくことになるからです。
わずか3時間と思うかもしれませんが、働きながらでは格好できる時間は1日に5時間もないからです。
科目免除を利用する理由の一つとして、この勉強時間を確保する目的が挙げられます。
勉強時間を確保するということでは、1科目でも免除できれば200時間近い時間を確保できる可能性が出てくるのです。
もちろん科目によって違いがありますが、時間というところで見れば、中小企業診断士の合格へ向けて大きな価値が出てくることは間違いありません。
節約することができた時間を他の科目の勉強にあてることができるからです。
少し違った考え方もできます。
有資格によって科目免除した場合、普段から自分が使っている資格の内容として科目免除することになるでしょう。
やらなくても解るといった内容がほとんどになることも珍しくありません。
例えば、弁護士だったとして、中小企業診断士の企業法務は、難しいとは言えないはずです。
ほとんど勉強しないでも、過去問などを見て対策をするだけで済むのであれば、そもそも勉強時間は使っていないことになります。
そうなると中小企業診断士試験として考えてみた時に、どこまで時間が削減できるのかということにもなるでしょう。
しかし、科目合格して免除した場合は話が違います。
それも苦手だった科目を頑張って科目合格したなら、再び受験しないで済むというのは大きなメリットにつながります。
2年計画などで長期的な視野に立ち、初年度で頑張って苦手科目を合格したのであれば、次の年の勉強時間は大幅に削減できることになるでしょう。
こうした活用の仕方をするのであれば、科目免除の勉強時間に対する価値は大幅に上がることになるのです。
本当に中小企業診断士の科目免除を使うべきか
便利な面を持つ中小企業診断士の科目免除ですが、絶対に活用しなければいけないというわけでもありません。
逆に使ったことがデメリットになる可能性も考えるべきです。
中小企業診断士の1次試験では、合格するために60%以上の総得点を獲得しなければいけません。
さらに足切りの問題もあります。
1科目でも40%以下になると、総得点で60%を超えていても不合格になるからです。
そこで苦手科目は40%以上の得点を狙うというのがセオリーとなりました。
つまり、いかに得意科目で総得点の底上げを狙うのかが大切です。
科目免除ができる科目は、有資格者などであればかなり得意な分野といえます。
それこそ、なんら勉強しないでも合格できる可能性も高い科目です。
悪問などがあったりする可能性もあるので、満点を取るのは不可能としても、かなりの高得点が狙えるでしょう。
その科目を、科目免除という形で捨ててしまうことは、総得点に大きな影響を与えるのは間違いありません。
そうなると、苦手分野で足切りギリギリの可能性があるのであれば、科目免除は使わない方がいいということになるでしょう。
これは科目合格した場合も同様です。
得意科目で60%以上取れるのは、当然のことです。
総得点で60%以上をとらなければいけないのですから、当然60%以上の科目が出てきます。
それもほとんどは得意科目になるでしょう。
その中で科目免除を受けるということは、不利な条件を作り出す可能性があるのです。
科目合格になったとしても、得点源となる科目は免除しないのが基本です。
特にどの時期でもあまり内容が変わらず、暗記してしまえば済むような、経営情報システムなどは 、簡単な得点源となります。
覚えてしまえばそこまで難解な問題が出題されません。
仮に難しい問題が数問出題されたとしても、全体の難易度はそこまで変わることがないのです。
逆に中小企業経営・政策など、前年度の情報などが関わるような科目は、難易度が変動しやすい傾向があります。
科目合格できて免除できるのであれば、翌年は受験しないのは現実的な選択となるでしょう。
グラフなどを暗記するとしても簡単なことではありませんでし、中小企業白書を購入し暗記する時間も科目免除で節約できます。
どの科目で使うのかはっきり考えることが必要です。
まとめ
中小企業診断士試験とって、科目免除は諸刃の剣となる条件です。
有効に活用できるように利用するか、計画的に考えていかなければいけません。
単純に免除できるから利用するといった考え方ではなく、本当に必要かどうか中小企業診断士のシステムとして理解した上で利用することが必要です。