FP3級の資格試験を受験するのであれば、試験の概要はもちろん、難易度やメリットなども知っておきたいところですよね。そこで今回は、FP3級の概要を始め難易度やメリットをお伝えします。また、2級との違いも紹介しますので比較してみてくださいね。
FP3級の資格とは?
FP3級はFP試験の入門レベルの試験となっています。試験は1月、5月、9月の年に3回実施されています。チャンスの多い国家試験ですので、毎年多くの人が受験している人気の試験となっています。試験は6,000円で受験することができます。
FP3級の主催団体としてFP協会ときんざいの2種類となっています。学科試験では両協会とも問題が共通しているためどちらで受けても変わりありません。しかし、実技試験においては受験できる内容・科目数が協会ごとに異なってます。受験生は受検の申請時に実施団体と、実技試験の科目を1つ選択することになります。
FP3級は午前の学科試験と午後の実技試験に分けられいます。学科試験は120分、実技試験は60分の試験時間となっています。学科試験は60点満点で36点以上、実技試験は100点満点で60点以上正解することで合格できます。つまり、およそ6割正解することで合格できます。
以上の内容をわかりやすく表にまとめておきます。
試験月 | 毎年1月5月9月 |
試験レベル | 入門レベル |
主催団体 | FP協会・きんざい |
試験時間 | 学科試験:午前 120分
実技試験:午後 60分 |
合格基準 | 学科試験:60点満点中36点以上
実技試験:100点満点中60点以上 |
受験料 | 6,000円 |
FP3級資格取得のメリットとは
実際にFP3級の資格を取得することのメリットは、どんなものがあるのでしょうか?紹介していきたいと思います。
FP2級の受験資格を獲得できる
FP3級の資格取得のメリット1つ目は、FP2級の受験資格を獲得できる点です。
FP2級を受験するためには、AFP認定研修を修了していること、または2年以上のFP業務の実務経験があること、に該当する必要があります。この2つに該当しない方は、FP3級に合格していることで受験資格を得られます。
将来FP資格だけを仕事で活かしたい場合は、FP3級を通過点としてFP2級を受験する必要があります。FP3級とFP2級の同時受験はできませんので、FP2級の資格が欲しい場合はまずFP3級を受験しましょう。
お金の基礎知識が身につく
FP3級の資格取得のメリット2つ目は、お金の基礎知識が身につくという点です。
FP試験の勉強では税金や保険の活用など、お金に関する幅広い知識を学ぶため、資格勉強としてだけでなく自分の家計や生活設計にも生かすことができます。
また、お金の基礎知識が身につくことで仕事の幅も広がってきます。副業などの幅も広がってきます。例えば保険の見直しアドバイスや、マネー関連の記事を執筆するなどでお金を稼ぐことができます。
一生モノの資格が手に入る
FP3級の資格取得のメリット3つ目は、一生モノの資格が手に入るという点です。
FPの資格は国家資格です。国家資格の中には数年ごとの更新が必要で、そのためにその資格に関連する業務経験が求められるものがあります。しかしFPは、一度取得すれば有効期限がないため一生モノになります。
また、FP3級は国家資格の中でも簡単と言われている試験ですので、しっかりと勉強さえすれば多くの人が取得できます。
FP3級の難易度とはどれくらい?
FP3級はファイナンシャルプランナーの入門編ともいえる易しい試験で、国家資格の中でも極めて難易度が低い部類に入ります。
難易度が低い理由としては、選択問題の選択数が2択か3択と正解を選びやすいという点です。特に学科試験では60問中30問が2肢一択、つまり○×形式です。その他30問は3択ですが、FP2級も含めて資格試験の多くが4択問題な中だと、確率的にも正解する確率が高くなっています。
また、FP3級の試験では頻出範囲が決まっており、対策しやすくなっています。ですので、しっかりと継続して勉強できる方であれば、FP3級は合格できる難易度となっています。
以下に合格率も記載しておきますのでぜひ参考にしてみてください。
学科試験
FP協会 | きんざい | |
2020年1月 | 85.34% | 65.43% |
2019年9月 | 78.09% | 62.77% |
2019年5月 | 69.07% | 42.76% |
2019年1月 | 74.09% | 42.76% |
2018年9月 | 78.63% | 61.64% |
2018年5月 | 78.92% | 57.84% |
2018年1月 | 80.33% | 65.34% |
実技試験
FP協会 | 個人 | 保険 | |
2020年1月 | 79.45% | 50.22% | 48.19% |
2019年9月 | 79.48% | 45.44% | 43.31% |
2019年5月 | 86.42% | 54.35% | 44.85% |
2019年1月 | 83.38% | 56.21% | 39.32% |
2018年9月 | 86.50% | 51.46% | 34.32% |
2018年5月 | 90.47% | 71.20% | 35.69% |
2018年1月 | 89.07% | 67.13% | 42.98% |
FP協会は、学科が70~80%、実技は80~90%ほどであることがわかります。
きんざいは、学科が50~70%、個人は60~80%、保険は40~60%ほどであることがわかります。
きんざいの試験の方が合格率が低くなっていますが、きんざいの試験法人申込の受検者が多いことや、実技試験での専門性の高い出題により、合格率がやや低くなっているのだと考えられます。
FP3級と2級の違いとは
上記ではFP3級の難易度などを紹介してきましたが、2級とは実際どのくらい違うのでしょうか?一般的にFP3級からFP2級の難易度は、とても上がると言われています。
そもそもFP2級と3級の資格試験には、どのような違いがあるのでしょうか?試験内容の差から同じ点まで紹介します。
FP2級と3級の違う点
FP2級 | FP3級 | |
出題形式 | 学科:60問(4択のみ)
実技:記述式5題 |
学科:60問(3択と○×式)
実技:事例形式5題 |
受験料 | 8,700円 | 6,000円 |
出題分野 (*1) | 6分野 | 6分野 |
FP2級と3級の同じ点
FP2級・FP3級 | |
試験科目 | 6科目 |
試験日時 | 1,5,9月に実施
時間は学科は午前、実技は午後 |
合格ライン | 60%以上 |
(*1)大きい括りは6分野で同じですが、細かい出題内容は違ってきます。
違いや同じ点は上記のようなものになります。ただ、出題分野については少し違う部分があるので解説しておきます。
分野はライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野です。その中でもライフプランニングと資金計画、タックスプランニング、相続・事業承継の3分野で違いがあります。FP2級のみ追加されている出題内容を記載しておきます。
ライフプランニングと資金計画
・中小法人の資金計画
タックスプランニング
・法人税
・.法人住民税
・法人事業税
・消費税
・会社、役員間及び会社間の税務
・決算書と法人税申告書
・諸外国の税制度
相続・事業承継
・事業承継対策
・事業と経営
以上になります。では実際の合格率はどう違うのでしょうか?FP2級、FP3級の合格率を比較してみましょう。
学科試験
2級FP協会 | 2級きんざい | 3級FP協会 | 3級きんざい | |
2020年1月 | 85.34% | 28.81% | 85.34% | 65.43% |
2019年9月 | 78.09% | 20.97% | 78.09% | 62.77% |
2019年5月 | 69.07% | 20.88% | 69.07% | 42.76% |
2019年1月 | 74.09% | 31.11% | 74.09% | 42.76% |
2018年9月 | 78.63% | 21.45% | 78.63% | 61.64% |
2018年5月 | 78.92% | 28.24% | 78.92% | 57.84% |
2018年1月 | 80.33% | 28.53% | 80.33% | 65.34% |
実技試験
2級FP協会 | 2級個人 | 2級中小 | 2級生保 | 2級損保 | 3級FP協会 | 3級個人 | 3級保険 | |
2020年1月 | 62.61% | 33.13% | 55.82% | 45.88% | - | 79.45% | 50.22% | 48.19% |
2019年9月 | 62.63% | 31.72% | 55.49% | 50.80% | 67.22% | 79.48% | 45.44% | 43.31% |
2019年5月 | 62.65% | 25.77% | - | 54.73% | - | 86.42% | 54.35% | 44.85% |
2019年1月 | 50.31% | 36.93% | 33.98% | 40.06% | 50.00% | 83.38% | 56.21% | 39.32% |
2018年9月 | 50.52% | 20.47% | 41.97% | 37.42% | 54.61% | 86.50% | 51.46% | 34.32% |
2018年5月 | 51.68% | 23.87% | - | 45.47% | - | 90.47% | 71.20% | 35.69% |
2018年1月 | 57.45% | 31.72% | 47.56% | 50.20% | - | 89.07% | 67.13% | 42.98% |
以上の結果になります。実技試験はFP2級、FP3級とそこまで大きな差は見られませんが、学科試験に関しては、FP2級になることで合格率がとても下がっています。それだけ難易度が上がっているということだと思います。
まとめ
今回は、FP3級の概要を始め難易度やメリットをお伝えしてきました。この記事内では、FP3級はとても簡単だということをお伝えしていますが、合格率を見てわかるように、少なからず合格していない人もいます。誰でも簡単に合格できるわけではありません。ですがFP3級は、継続してしっかりと勉強をすれば、取得できる国家試験ですので、気を抜かずに勉強に取り組んでみてください。
そして今回の記事を参考に、FP2級の挑戦も考えてみてください。 FP2級は3級と比較すると難易度が上がっているように見えますが、こちらも勉強をすれば確実に合格できる試験ですので、挑戦してみてくださいね。