1回の試験でおよそ8万人の人が受験すると言われているFP2級の資格試験。その合格率や難易度をご存知ですか?おおよその難易度は知っていても、はっきりとした合格率は知らない人も多いのではないでしょうか。そんな方のために今回は、FP2級の合格率や難易度を紹介します。FP3級とも比較してわかりやすくお伝えします!
FP2級の合格率・難易度は?
FP2級は他の国家資格と比べると比較的難易度が低い資格となっています。根気強く勉強を継続してできる人であれば、基本的に合格できるくらいの難易度です。
FP協会ときんざいが主催の2級FP資格試験の学科・実技試験は両方とも、高いときには合格率が40%を超える時もあります。目安として他の国家資格の合格率を紹介しますと、行政書士などの合格率は、毎回10%にも届きません。また、比較的合格しやすいといわれる宅地建物取引士の試験も、合格率は毎回15%前後です。ここから見てもFP2級は比較的取得しやすい資格試験だと言えます。
理由としては、出題範囲がFP3級と同じな部分や試験実施が年3回でチャンスが多く過去問等も豊富なこと、そして過去問からの出題量が多くひっかけ問題が少ないという点です。以上の理由から、FP2級は難易度の低い資格試験となっています。
また、FP2級は偏差値で表すと47ほどになります。目安としては偏差値40だと簡単な資格で、偏差値が60だと難しい資格になります。ここから見てもとても難しい試験ではなさそうです。根気強く勉強を継続していれば合格できる資格といえます。
では次に学科試験と実技試験それぞれの試験の合格率を紹介します。機関ごとにも紹介しますのでぜひ参考にしてみてくださいね!
FP2級学科試験の合格率
初めに学科試験の合格率です。FPの資格試験はFP協会ときんざいの2つの機関に分かれていますが学科試験は、共通の試験となっています。合格率は以下になります。今回は令和2年度(2020年)1月FP2級試験合格発表結果を参考にしています。
令和2年度(2020年)1月FP2級試験合格発表結果
FP協会 | きんざい | |
申込者数 | 30,592 | 51,092 |
受験者数 | 23,968 | 40,110 |
受験率 | 78.34% | 78.5% |
合格者数 | 10,032 | 11,557 |
合格率 | 41.86% | 28.81% |
このような結果になっています。次に直近2年分の合格率の推移を紹介します。
FP協会 | きんざい | |
2020年1月 | 85.34% | 28.81% |
2019年9月 | 78.09% | 20.97% |
2019年5月 | 69.07% | 20.88% |
2019年1月 | 74.09% | 31.11% |
2018年9月 | 78.63% | 21.45% |
2018年5月 | 78.92% | 28.24% |
2018年1月 | 80.33% | 28.53% |
日本FP協会を見ると、FP2級の合格率は大体40~50%、きんざいを見ると、FP2級の合格率は20~30%となっています。こう見ると、FP協会ときんざいの合格率には差が見られます。理由としては、きんざいの方は金融機関に所属する社員たちによる団体申し込みが多く、自ら進んで資格試験を受けようとしていないことから受験生の中には勉強してない人が多数います。そういった理由もあってきんざいの合格率の方が低くなっています。
偏差値的にはFP2級は簡単に取れそうな気がしてきますが、合格率を確認してみると上記のように30~40%くらいで、決して簡単に合格できるわけではありません。理由としては、試験範囲が広範囲という特徴が大きな理由です。
試験がライフプランニングと資金計画・リスク管理・金融資産運用・タックスプランニング・不動産・相続・事業継承といった6つの分野で構成されていて、普段の生活ではあまり深く考えない分野も出題されます。合格するためには、この6つの幅広い分野を勉強しなくてはなりません。つまり、しっかり勉強しておかなければ落ちてしまう試験です。
FP2級実技試験の合格率
次に実技試験についてです。FP2級の実技試験は全部で5種類あります。
実技試験の種類としては、FP協会の資産設計提案業務の1種類。きんざいの、個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務の4種類で計5種類が用意されています。
合格率は以下のようになっています。
令和2年度(2020年)1月FP2級試験合格発表結果
FP協会 | きんざい | |
申込者数 | 25,508 | 43,034 |
受験者数 | 18,980 | 32,494 |
受験率 | 74.4% | 75.5% |
合格者数 | 11,884 | 12,495 |
合格率 | 62.61% | 38.45% |
以上の結果になります。次に直近2年分の合格率の推移を紹介します。こちらの推移は実技試験別に紹介します。
FP協会 | きんざい(個人) | 中小 | 生保 | 損保 | |
2020年1月 | 62.61% | 33.13% | 55.82% | 45.88% | - |
2019年9月 | 62.63% | 31.72% | 55.49% | 50.80% | 67.22% |
2019年5月 | 62.65% | 25.77% | - | 54.73% | - |
2019年1月 | 50.31% | 36.93% | 33.98% | 40.06% | 50.00% |
2018年9月 | 50.52% | 20.47% | 41.97% | 37.42% | 54.61% |
2018年5月 | 51.68% | 23.87% | - | 45.47% | - |
2018年1月 | 57.45% | 31.72% | 47.56% | 50.20% | - |
以上が直近2年分の推移となっています。FP協会の実技試験は50~60%ほどです。きんざいの実技(個人)は20~40%、中小は30~50%、生保は40~50%、損保は50~60%ほどです。 実技試験においてもきんざいの試験については、法人申込の受検者が多いことや、実技試験での専門性の高い出題により、合格率がやや低くなっているものと考えられます。
FPの資格試験をきんざいで受験するか、それともFP協会で受験するか皆さんにとっては重大な関心ごとであると思います。今回は上記のように合格率の推移についてお伝えしましたが、どちらを受験するかは合格率だけでなく、試験の出題傾向なども考慮し、総合的に判断をして下さい。
FP2級の合格率〜3級と比較〜
上記ではFP2級の合格率の推移などを紹介してきましたが、3級とは実際どのくらい違うのでしょうか?一般的にFP3級からFP2級の難易度は、とても上がると言われています。偏差値で比較してみても、FP2級の時は47でしたがFP3級はおよそ37と言われています。10も違ってきます。
そもそもFP2級と3級の資格試験には、どのくらいの違いがあるのでしょうか?試験内容の差から同じ点まで紹介します。
FP2級と3級の違う点
FP2級 | FP3級 | |
出題形式 | 学科:60問(4択のみ)
実技:記述式5題 |
学科:60問(3択と○×式)
実技:事例形式5題 |
受験料 | 8,700円 | 6,000円 |
出題分野 (*1) | 6分野 | 6分野 |
FP2級と3級の同じ点
FP2級・FP3級 | |
試験科目 | 6科目 |
試験日時 | 1,5,9月に実施
時間は学科は午前、実技は午後 |
合格ライン | 60%以上 |
(*1)大きい括りは6分野で同じですが、細かい出題内容は違ってきます。
違いや同じ点は上記のようなものになります。ただ、出題分野については少し違う部分があるので解説しておきます。
分野はライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野です。その中でもライフプランニングと資金計画、タックスプランニング、相続・事業承継の3分野で違いがあります。FP2級のみ追加されている出題内容を記載しておきます。
ライフプランニングと資金計画
・中小法人の資金計画
タックスプランニング
・法人税
・.法人住民税
・法人事業税
・消費税
・会社、役員間及び会社間の税務
・決算書と法人税申告書
・諸外国の税制度
相続・事業承継
・事業承継対策
・事業と経営
以上になります。では実際の合格率はどう違うのでしょうか?FP2級、FP3級の合格率を比較してみましょう。
学科試験
2級FP協会 | 2級きんざい | 3級FP協会 | 3級きんざい | |
2020年1月 | 85.34% | 28.81% | 85.34% | 65.43% |
2019年9月 | 78.09% | 20.97% | 78.09% | 62.77% |
2019年5月 | 69.07% | 20.88% | 69.07% | 42.76% |
2019年1月 | 74.09% | 31.11% | 74.09% | 42.76% |
2018年9月 | 78.63% | 21.45% | 78.63% | 61.64% |
2018年5月 | 78.92% | 28.24% | 78.92% | 57.84% |
2018年1月 | 80.33% | 28.53% | 80.33% | 65.34% |
実技試験
2級FP協会 | 2級個人 | 2級中小 | 2級生保 | 2級損保 | 3級FP協会 | 3級個人 | 3級保険 | |
2020年1月 | 62.61% | 33.13% | 55.82% | 45.88% | - | 79.45% | 50.22% | 48.19% |
2019年9月 | 62.63% | 31.72% | 55.49% | 50.80% | 67.22% | 79.48% | 45.44% | 43.31% |
2019年5月 | 62.65% | 25.77% | - | 54.73% | - | 86.42% | 54.35% | 44.85% |
2019年1月 | 50.31% | 36.93% | 33.98% | 40.06% | 50.00% | 83.38% | 56.21% | 39.32% |
2018年9月 | 50.52% | 20.47% | 41.97% | 37.42% | 54.61% | 86.50% | 51.46% | 34.32% |
2018年5月 | 51.68% | 23.87% | - | 45.47% | - | 90.47% | 71.20% | 35.69% |
2018年1月 | 57.45% | 31.72% | 47.56% | 50.20% | - | 89.07% | 67.13% | 42.98% |
以上の結果になります。実技試験はFP2級、FP3級とそこまで大きな差は見られませんが、学科試験に関しては、FP2級になることで合格率がとても下がっています。それだけ難易度が上がっているということだと思います。
まとめ
今回はFP2級の合格率や難易度を紹介してきました。3級との比較も紹介しましたので、グッと難易度が上がるということがわかったかと思います。比較的合格しやすいと言われるFPの資格試験ですが、半分以上の方が落ちていますので、油断せずしっかり対策をして試験に挑んでくださいね!