CFP資格審査試験とは、CFPの資格取得のために受ける必要があります。CFP資格審査試験は他のFP資格とは違い、受験課目が6課目に分かれており、6課目すべてを合格しなければCFP資格を取得することができません。CFP資格審査試験の概要や基本情報、難易度までを解説していきます。
CFP資格審査試験とは?
CFP資格審査試験とは、CFPの資格を取得するために受験する必要があります。CFP資格審査試験は、「Fainancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)」と特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が業務提携契約に基づき、実施しているものになります。CFP資格審査試験は、他のFP資格とは違い6課目の試験に分かれており、すべての課目に合格しなければ、CFP資格を取得することができません。
ただし、CFP資格審査試験は、6課目一括でクリアする必要はありません。期限内であれば、1課目ずつ受験することが可能です。1課目合格するごとに、継続教育単位が7.5単位ずつ自動的に付与されます。また、CFPの資格を取得するためには、CFP資格審査試験だけではなく、CFPエントリー研修を修了する必要があります。CFPエントリー研修は、CFP資格審査試験6課目合格者だけが受講することが可能で、年に2回開催されています。
さらに、CFPの資格取得条件として、「通算で3年以上の実務経験があること」が必須になります。この実務経験においては、FPの実務だけに限らず、金融機関での顧客対応や一般企業での福利厚生関連業務、金融経済教育も含まれます。また、認定教育機関が実施する「みなし実務研修」の修了、日本FP協会が実施する「プロフェッショナルFP研修」「レジデンシーコース」などの修了も対象となります。
これらすべての必要条件を満たし、約定書に署名をし必要書類を提出、日本FP協会にて手続きが完了すれば、CFP認定者となり資格を取得することができます。CFP認定者には、FPSBが認めた認定基準に基づいて、「CFP認定書」と「CFPライセンスカード」が発行されます。ただし、CFP資格審査試験合格後は、5年以内にCFP登録申請を行わなければいけません。CFP資格審査試験合格後5年を過ぎてしまうと、再度CFP資格審査試験を受験し合格する必要があるため、注意が必要です。
CFP資格審査試験の基本情報
CFP資格審査試験の受験地区は、札幌、仙台、宇都宮、東京、神奈川、新潟、金沢、静岡、名古屋、京都、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇の16地区にて実施されています。CFP資格審査試験は、毎年6月と11月の年2回で、それぞれ1日目と2日目の2日間に渡り開催され、試験のスケジュールも予め決められています。CFP資格審査試験の第1回目の試験日1日目は6月の1週目の日曜日、2日目はその翌週2週目の日曜日です。第2回目も同様に、試験日1日目は11月の1週目の日曜日、2日目はその翌週2週目の日曜日になります。
CFP資格審査試験の日程に合わせて出願期間もきまっており、インターネットの場合は第1回目は4月上旬から5月上旬、第2回目は9月上旬から10月上旬になります。郵送の場合には、第1回目は4月上旬から中旬、第2回目は9月上旬から中旬と、インターネットでの出願期間よりも半月ほど期間が短いので注意する必要があります。CFP資格審査試験の試験要項は、日本FP協会が発行する「FPジャーナル」の4月号と9月号にそれぞれ掲載されます。FPジャーナルには、出願書類も添付されているので、きちんと確認しておくようにしましょう。
CFP資格審査試験は、試験当日のスケジュールも確定しているので、事前に把握しておくことをおすすめします。CFP資格審査試験の試験時間は各課目120分で、6課目をそれぞれ1日目2日目に割り振って行います。1日目は「金融・不動産・ライフ」の3課目となり、タイムスケジュールは9時半から11時半までが「金融資産運用設計(金融)」、12時半から14時半までが「不動産運用設計(不動産)」、15時半から17時半までが「ライフプランニング・リタイアメントプランニング(ライフ)となります。
2日目は「リスク・タックス・相続」の3課目で、タイムスケジュールは9時半から11時半までが「リスクと保険(リスク)」、12時半から14時半までが「タックスプランニング(タックス)」、15時半から17時半までが「相続・事業継承設計(相続)」となります。CFP資格審査試験は、試験課目の順番もタイムスケジュールも毎回同じで、変更されることはありません。
このように、毎回試験課目の順番やタイムスケジュールは変わることがないことから、試験勉強の計画が立てやすいです。また、CFP資格審査試験は、一度にすべての課目を受験することもできますが、課目合格制であることから、1課目のみを受験することも可能です。そのため、自分のペースで受験課目を選択することができます。
ただし、CFP資格審査試験は、一度に受験する受験科目が多ければ多いほど、受験料の割引制度が適用されます。CFP資格審査試験の1課目の受験料は5,400円で、1課目ごとに受験すると合計32,400円になります。しかし、複数課目を受験する場合の割引率は、2課目で10%、4課目で15%と大きく変わります。もしも、6課目を一括で受験する場合には、合計27,000円で5,400円も割引されることから、費用を抑えたいと言う人の場合には一括で受験することをおすすめします。
CFP資格審査試験の出題形式や合格判定
CFP資格審査試験は、マルチプルチョイス方式(マークシート・四肢択一問題)です。各課目ともに出題数は50問で、1問2点の均一配点(100点満点)になります。問題には複雑な計算問題も多く含まれるため、計算が苦手な人の場合には、時間がかかる可能性があります。そのため、なるべく簡単な問題や得意な問題を先に解答していくことが、CFP資格審査試験の筆記試験を合格するためのポイントになります。
CFP資格審査試験の合否判定は、競争試験形式で判定されます。競争試験とは、成績主義の原則のもと、不特定多数の人を対象に採用候補者を決定する試験方式です。そのため、一定ライン(合格ライン)以上で、合否が判定されることになります。このような判定方式であるため、CFP資格審査試験の合格ラインは、各課目の上位3〜4割程度になるように調整され、およそ30問前後(60点前後)であることが多いです。
CFP資格審査試験の合格ラインは、日本FP協会のHPで確認することが可能です。また、日本FP協会のHPでは、CFP資格審査試験の模範解答や合格ラインも閲覧することができ、ダウンロードも可能です。ただし、CFP資格審査試験の試験問題は閲覧のみとなっているため、資料の扱いには注意が必要です。
CFP資格審査試験の難易度
CFP資格審査試験は、課目合格制であるものの、6課目すべてに合格しなければ、CFP資格を取得することはできません。CFP資格審査試験の各課目の合格率の平均は、「金融資産運用設計」34.8%、「不動産運用設計」37%、「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」36.7%、「リスクと保険」37.1%、「タックスプランニング」38%、「相続・事業継承設計」37.6%になります。
CFP資格審査試験の各課目の合格率だけを見ると、3〜4割程度であるため合格率が高いと思われがちです。しかし、CFP資格審査試験の受験資格者は、AFPの資格認定者だけです。AFPの資格認定者は、すでにFPにおける知識や実務経験が豊富な人です。そのAFP認定者でも、4割程度しかCFP資格審査試験を合格することができないということは、かなり難易度としては高いものであると言えるでしょう。
このように難易度が高いCFP資格審査試験を合格するためには、CFP資格審査試験までの勉強スケジュールをきちんと立てて継続・進行することがポイントになります。独学でも勉強を進められる人の場合には、自分でしっかりとルーティーンを決めて継続することに専念しましょう。独学で勉強することが苦手な人や、スケジュール管理が苦手である人の場合には、資格学校で実施しているCFP資格審査試験の通信講座などを利用することをおすすめします。
CFP資格審査試験のように難易度が高い資格は、資格取得のためにしっかりと構成された通信講座を利用した方が、自分で学習するよりも効率的に学ぶことができます。そのため、何から手を付けたら良いかわからない、という人にもおすすめの勉強法です。
まとめ
CFP資格審査試験とは、CFPの資格を取得するために合格する必要がある試験で、日本FP協会が実施しています。CFP資格審査試験は6課目に分かれており、すべての課目に合格しなければ、CFP資格を取得することができません。
CFP資格審査試験は、6月と11月の年2回実施されており、試験科目の順番やタイムスケジュールも毎回同じです。そのため、比較的試験勉強の計画は立てやすいことから、最初の段階で試験日までのスケジュールを作成することをおすすめします。
また、CFP資格審査試験は課目合格制であるため、一度の試験で一括合格を目指す必要はありません。ただし、一度に受験する受験課目が多いほど受験料が割引されるため、受験料をなるべく抑えたいという人の場合には、CFP資格審査試験を一括で受験することをおすすめします。