AFP認定研修とは、AFP認定登録をするために必ず受けなければいけない研修制度です。AFP認定研修には種類があり、それぞれにかかる費用や期間も異なります。AFP認定研修は、日本FP協会が認定する民間の資格学校が実施していますが、どの認定研修を選べばよいのでしょうか。
AFP認定研修とは?
AFP認定研修とは、AFP認定(資格取得)において必要な4つの条件のうちの1つです。AFPは「AFP認定登録」をしなければ、資格を取得したことにはなりません。このAFP認定登録をするためには、AFP認定研修を修了する必要があります。
また、AFP認定登録をするためには、「2級FP技能士の資格を取得すること」も必須です。
ただし、AFP認定研修と2級FP技能士の勉強内容は同レベルであるため、同時に進行することが可能です。
AFP認定研修の内容は、ファイナンシャル・プランニングに必要とされる「倫理、コンプライアンス、ライフプラン、金融、保険」などの6つの専門分野で、体系的に学べるようになっています。おもなAFP認定研修の学習課目は、「FP基礎・リスクと保険・金融資産運用設計・タックスプランニング・不動産運用設計・相続・事業継承設計・ライフプランニング・リタイアメントプランニング・提案書の作成」です。
AFP認定研修は、学習場所や時間を選ばない通信講習が中心で、DVDなどの教材や、インターネット学習などさまざまな形態があり、自分のライフスタイルに合うもの選ぶことができます。これらの内容を、日本FP協会が認定した各教育機関(民間の資格学校)が提供する学習カリキュラムにて学ぶことができます。
ただし、かかる費用や内容・学習スタイルなどは各教育機関により異なるため、しっかりと下調べをする必要があるでしょう。また、AFP認定研修には年齢制限はないものの、AFP認定申請時に「義務教育を修了・もしくは同等の学力がある」ことが必要条件となっています。
AFP認定研修は4種類
AFP認定研修は、「基本課程」「技能士課程」「3級課程」「税理士課程」の4種類のコースにわかれています。
基本課程とは、一般の人や3級FP技能士を取得していない人向けのAFP認定研修コースです。本来2級FP技能士を受験するには、「3級FP技能士の資格を取得していること」、もしくは「2年以上の実務経験があること」が前提になります。しかし、基本課程を修了することで、3級FP技能士を取得していない場合や、FPの実務経験が2年未満である場合でも、2級FP技能士の受験資格を得ることができるのです。
また、AFP認定登録には、AFP認定研修の基本課程修了に加え、2級FP技能士の資格も持っていなければ認定登録をすることができません。そのため、AFP認定研修の基本課程修了と同時に、2級FP技能士検定の資格を取得する必要があります。
技能士課程は、すでに2級以上のFP技能士を取得している人が対象のAFP認定研修コースです。そのため、技能士課程のAFP認定研修通信講習は、基本課程よりも短期間で研修を修了することが可能です。ほとんどの場合、AFP認定研修は基本課程か技能士課程を修了し、同時に2級FP技能士の資格を取得することによって、AFP認定登録手続きへと進むことができます。
3級課程は、3級FP技能士を取得している人向けのコースで、この場合AFP認定研修修了までに2級FP技能士の資格も取得しなければ、AFP認定登録の申請をすることができません。
税理士課程においては、AFP認定研修を受講する時点で、税理士または公認会計士に登録されていることが必須です。そのため、AFP資格取得を目的としている一般の人が、税理士課程を選ぶことはできません。
AFP認定研修(通信研修)にかかる費用
AFP認定研修の費用は、コースにより金額が異なります。
また、AFP認定研修の費用は、各教育機関によってもかなり金額に差があり、講習の種類も数多く存在します。AFP認定研修の費用は、講習の形態や教材の種類、添削回数などにより異なるため、自分に合う学習スタイルや金額の教育機関を探すことが大切です。
ただし、ほとんどは通信講習がメインであり、スクーリング(通学)スタイルの教育機関はありません。AFP認定研修に認定されている教育機関を検索したい場合には、日本FP協会のHPにて検索することが可能です。
AFP認定研修の基本課程にかかる費用の目安は、21,600〜170,000円程度です。金額にかなり差があるので、どのような内容であるのかをきちんと確認して選定することをおすすめします。
AFP認定研修の技能士課程でかかる費用の目安は、8,600〜24,000円程度です。技能士課程は基本課程と比べると、半額以下の費用で収まります。
その他、AFP認定研修の3級課程は37,800円、税理士課程は40,000〜170,000円程度の費用になります。
AFP認定研修修了までにかかる期間
AFP認定研修にかかる期間は、受講する課程により異なります。
2級FP技能士を取得済である人の場合は、最短で1ヶ月ほどでAFP認定研修を修了することが可能です。また、AFP認定研修の基本課程からの場合には、最短で3ヶ月〜4ヶ月程度となります。
しかし、ゼロからスタートする人の場合には、4ヶ月でAFP認定研修修了と2級FP技能士合格はやや厳しいでしょう。あくまでも最短期間は、スムーズに進められた場合の目安なので、人によりAFP認定研修修了までにかかる受講期間は異なります。
また、AFP認定研修を受ける教育機関によっても、修了までにかかる期間は異なります。AFP認定研修は、最低でも集合研修は1ヶ月以上、通信講習は3ヶ月以上〜最長でも1年以内と受講期間が定められています。そのため、AFP認定研修は、定められた期間内に修了しなければなりません。
AFP認定研修の教育機関を選ぶポイント
AFP認定研修を修了するにあたり、もっとも難関なのが最後に作成する「提案書」です。提案書とは、ファイナンシャル・プランのことで、FPが作成する「顧客の希望にそったファイナンシャルプラン」になります。AFP認定研修の仕上げに、この提案書を実際に作成していく課題が出されます。提案書の解答が合格点をクリアすることができなければ、AFP認定研修の修了試験は不合格となり修了することができません。
また、AFP認定研修修了試験の提案書は、FPに必要とされる税金、年金、資産運用などのお金についての知識がなければ、作成することができないものです。そのため、FPの実務経験がある人であれば、スムーズに作成することも可能ですが、未経験である人の場合には、課題につまづき作成し終えるまでに数ヶ月もかかってしまうこともあります。
とくに、お金の計算に弱い人にとっては、キャッシュフロー表を作成する課程もあるので難しく感じることでしょう。それ以外にも、顧客の立場に立ってライフプランを見直したりなど、実際のFP作業をシミュレーションする課題になるため、初めて挑戦する人にとっては時間がかかってしまう作業なのです。
このように、提案書作成で行き詰まってしまうような状況を考慮すると、AFP認定研修の教育機関を選ぶポイントは「質問や問い合わせができる講習を選択すること」であると言えるでしょう。もともと初心者でAFP認定登録を目標としている人の場合には、提案書以外の場面でも必ずわからないことが多々出てくるはずだからです。
このような場合に、質問制度がないAFP認定研修の講習を選んでしまった場合、先に進めなくなってしまいます。また、AFP認定研修は最長でも1年以内と受講期間も決まっているため、期限内にすべてを完了させなければいけません。そのため、ゼロからスタートする人の場合には、質問や問い合わせをすることができる講習を選択することをおすすめします。
AFP認定研修の講習を選ぶもう1つのポイントとしては、AFP認定研修の難関は提案書の作成であるため、それ以外の学習については、必要最低限の教材があれば十分であるということです。AFP認定研修の講習における費用の内訳は、DVDや教材なども大きく関わってきます。そのため、AFP認定研修の費用をなるべくおさえたいという人の場合には、とにかく「質問や問い合わせが可能」で「もっとも低価格の講習」を選ぶことをおすすめします。
もしも、足りないテキストなどがあったとしても、今ではインターネットで専門的な本を購入することが可能であるからです。テキストや教材が多すぎることの方が、AFP認定研修修了後に使用する機会は少ないため、無駄になってしまいます。これらを踏まえた上で、自分の勉強スタイルやスケジュールに合ったAFP認定研修の講習を選ぶことが大切です。
また、AFP認定研修の講習においても、口コミなどの情報はたくさん見つけることができるため、経験者の意見を参考に決めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
AFP認定研修は、AFP認定登録をするために必ず受ける必要のある講習です。AFP認定研修は、日本FP協会が認定する民間の教育機関(資格学校)にて実施されており、費用や学習方法、カリキュラムなどがそれぞれに異なります。
AFP認定研修を最短で修了するためには、自分のライフスタイルに合った講習を選択することが大切です。
また、AFP認定研修の修了において、もっとも難関なのが「提案書」の作成です。提案書作成に行き詰まった際などに、「質問や問い合わせができる」AFP認定研修の講習を選ぶことが大切です。