行政書士は以前は、街の法律家とも呼ばれるほど身近な存在でした。
幅広い業務内容を持つ資格で、知識を得るために実務講座を利用する人が増えています。
開業前から合格後のことを踏まえ、経営としても検討する必要があるからこそ、実務講座も数多くなってきているのです。
行政書士の合格と実務講座
行政書士になるためには、国家資格として試験に合格しなければいけません。
これは決して簡単なことではないでしょう
法律系国家資格と見れば、難易度は決して高くありません。
しかし、初学者がすぐにわかるほど簡単なものではないのも確かです。
それだけ行政書士の試験範囲は広大であり、容易に対処できるものではありません。
行政書士に合格するための勉強時間は、800時間とも言われています。
合格するためには、1年をかけて行政書士の勉強していくことになるでしょう。
それだけの時間をかけなければならない試験ではありますが、合格後のことも踏まえて行動していく必要もでてきます。
いろいろとやらなければいけないことが多いのも、独立開業するために必要だからです。
行政書士の合格を目指す人には、さまざまな理由があります。
日常的に使う資格とは少々異なるため、だれもが何かの目標を目指し合格することを考えている資格です。
将来のことを考え、行政書士の資格を取りたいという人もいるでしょう。
現在の仕事から、独立開業を目指すというのも行政書士の資格取得の考え方です。
受験資格がないことも人気で、行政書士の資格を狙う人が多くなっています。
行政書士の開業前を考えると、実務講座を受講することを踏まえて行動するのは、大切なポイントです。
実務講座を利用する理由は、行政書士という資格のかたちにあります。
行政書士を名乗るためには、試験に合格するだけでは用件が足りないからです。
行政書士として仕事をするためには、行政書士会に登録する必要があります。
さらに独立開業することが、行政書士の資格の基本となるのです。
独立開業できるからこそ、行政書士を目指す人がたくさんいます。
しかし、現実的には資格があるだけで、経営が成り立つわけではありません。
この将来を踏まえた上で、実務講座の受講は大きな意味を持つのです。
長い期間かけて勉強していくからこそ、将来を考えておくと安心できるでしょう。
行政書士は実務講座が必要か?
行政書士にとって、実務講座が必要な理由は、将来性の問題だけではありません。
行政書士の試験のシステム的な問題も、実務講座の必要性を高めています。
行政書士の業務範囲の広さから考えても、多くのことを学び身につけていかなければいけません。
そのための資格勉強であるはずですが、合格するための勉強と行政書士の実務はあまり繋がっていないのです。
現在の行政書士が扱える業務の種類は、1万種類を超えていると言われています。
これが法改正のたびに増えていくのですから、行政書士はさまざまな仕事に対応する必要があるのです。
勉強していてもわかりますが、法律の勉強をしても行政書士の実務としての部分はあまり繋がっていません。
書類の作成方法などを学ぶわけではないからです。
記述式問題において、行政書士の立場からどのような答えを導くのか知識が必要になりますが、役に立つのはこの程度の量しかありません。
800時間とも言われる勉強時間の中で、実務に対応できない勉強を繰り返すのですから、将来の不安が残るのを理解する必要があります。
行政書士としても経営者として経営できるかどうかの判断も必要です。
試験の勉強をしていて、独立開業してからどのような仕事をするのか、明確にイメージが湧く人はそうはいません。
実務講座を必要とするのは、合格した時に経営できる知識を身につけるためです。
実務講座を受講すると、さまざまな面が見えてきます。
ひとつの要件に対してどのような方法をとればいいのか、自分にその方法が選択できるかどうかも実務講座を受講して見えてくるのです。
行政書士として外回りをすることも出てきます。
看板を掲げれば仕事がやってくるわけではないからです。
看板を知ってもらうためにも、行動が必要になります。
1万種類もある業務内容のすべてを覚えることもできません。
自分自身がどのような仕事に対応できるのかも、考えなければ宣伝活動もできるはずがないのです。
実際に仕事を受けるとしても、行政書士だからすべてのことができるわけでもないでしょう。
それだけ厳しい競争も待っているのですから、準備が必要になるのです。
行政書士の合格者の数から容易にわかりますが、毎年5000人もの合格者が生まれています。
そのすべての人たちが、行政書士としてどのような仕事ができるか分かっているわけではないからこそ、実務講座は必要なのです。
行政書士実務講座にかかる費用
行政書士の実務講座は、資格学校や通信添削で受ける方法があります。
最近では、実務講座を専門としてる企業も出てきました。
それだけ合格者に対しての必要性が高まっていることの裏返しです。
行政書士の実務講座も種類があり、行われる講座の総時間にも差が出てきました。
一般的なところで40時間から120時間の講座があり、資格学校や通信添削の仕方によっても違いがあります。
内容も行政書士の業務全体にたいして包括的な講座もあれば、ひとつの申請書などにターゲットを絞っている場合もある状況です。
マッチしたものを見つけることが大切であり、体系的な知識だけで済ますのかそれとも経営論まで包括するかによってもかかる金額も時間も違いが出てます。
絞り込むことも必要ですが、どのような経営を目指すのか、その知識の量に応じて費用を考えていくべきでしょう。
実際に行われている講座の相場は、一概に比較することができない状態です。
共通した部分が少なく、実務講座というだけでも大きな差があります。
業務ひとつにターゲットを絞り込み、内容を落とし込むような講座であれば、時間としては1日で終わるため、価格も1万円程度です。
しかし、経営ということで行うのであれば、日数もかなりかかりますし、費用も応じて高くなります。
実際に行われてるような実務講座では、30万円にもなるようなところも出てきました。
費用に対する基本的な考え方は、コマ数で判断することもできます。
1回の講座で見たときに、1時間という時間割ではありません。
そこで授業単位をコマと呼びます。
このひとコマがいくらなのかということで、開催されている数を数えて判断すると、比較がしやすくなるでしょう。
それでも内容はさまざまであり、ひとコマで済むようなことから、数日かけてやらな蹴ればいけない実務講座まで出てくるのです。
こうした費用は、利用者によって価値も変わります。
費用対効果が高いと感じる人もいるのは、必要性の度合いによって違いがあるからです。
道がわかる人にカーナビを購入する意味はありませんが、知らないところにいくのならあったほうが安全と感じます。
法律の初学者や経営の知識もあまりない人には、フルコースの行政書士実務講座を選ぶと、経営に対する不安を拭えるのです。
その度合いを考え、費用と価値を検討しなければいけません。
経営に対する力は、行政書士の場合でも、一朝一夕で身に付くものではありません。
知識を身につける意味では、行政書士講座というよりも経営者講座という場合も出てきます。
当然のごとく、時間がかかりますし、身につける知識の量も膨大です。
これまで経営したことがない人には、基礎から身に付けられる機会になるのですから、費用としても元が取れる金額となるでしょう。
知らなければ、経営するどころか、すぐに破たんする可能性も高まるからです。
行政書士実務講座と現実
現実的な部分では、行政書士の試験勉強をいくらしたとしても、経営力はつきません。
書類の作り方もわからないのは、あくまでも試験勉強であって、経営でも業務の勉強でもないからです。
ひとつの事例をターゲットにしていつも講座が行われてる現実を考えてみましょう。
行政書士の合格者のほとんどが、独立開業し経営者となっても道に迷っている現実があるからです。
独立開業できるのは、確かに夢がある話です
サラリーマンとして生活してきた人が試験に受かれば独立できると思って勉強する事もあるでしょう。
ある意味で間違いではありませんが、資格が経営してくれるわけではありません。
あくまでも登録した結果行政書士として、名乗れるだけです。
世の中の行政書士の数は、非常に多く競争相手はいくらでも出てきます。
資格を取ったから参戦できるほど、障壁は低いものではないのです。
さらに受験資格がないという現実の問題も絡みます。
行政書士がだれもが受験できる資格要件が魅力ですが、それだけのバックボーンを持たずに受験する人も多くみられます。
バックボーンが存在しなければ、なんら特徴のない行政書士事務所として独立することになるでしょう。
なにもできることのカラーがないのですから、特徴をアピールできません。
これで激戦のなかで勝負できるほど、行政書士は甘いものではないのです。
実務講座を利用する意味として、合格後に備え、少しでも準備を進める必要があることが見えてきます。
実際に開業した行政書士のなかには、講座実務講座があったおかげで経営が成り立った人も多いでしょう。
利用せずに経営を進めてきた人から見れば、必要がないと思えるのも当然です。
全ての人にフィットするような内容の講座なのではなく、自分に不足している部分をカバーするために受けるのが実務講座です。
経営力がなければそこまで含めた実務講座が必要になります。
受けられる仕事の幅を広げようと思うのであれば、個別に行われている実務講座を受けることが経営を軌道に乗せるために必要です。
受験前に不安を感じている人はたくさんいます。
合格したはいいが、登録にもかなりの費用がかかり、独立開業する準備もしなければいけません。
それだけの費用を投資したとしても、経営として取り返せるかどうかは別問題だからです。
そうした不安がある人は、試験前から実務講座を利用することで勉強にも集中できるようになるでしょう。
実際に教室などに行って受講するだけではなく、Web講座なども出てきました。
すきま時間を利用して知識を身に付けられるので、自分にあった実務講座を見つけるのが大切です。
まとめ
行政書士の実務講座はだれにでも必要というわけではありません。
少しでも不安を持っているのであれば、うまく活用していくべきサービスです。
受験前に受講するだけではなく、開業後に必要な講座を受けることもできるので、業務の幅を広げるための機会として考えれば、使い道も変わるでしょう。