日本には様々な国家資格がありますが、その中で注目を集めるようになってきたのがFP技能検定です。
ファイナンシャルプランナーとして取得する人の多い国家資格となり、知名度も上がってきました。
これから受験後を目指すのであれば、どのような内容を持つのか知っておくことが大切です。
FP技能検定とは
FP技能検定とは、国家資格のひとつであり、FP技能士として名乗ることができる資格です。
FP技能検定には1級から3級までが設定されており、それぞれ難易度が異なります。
お金の知識に関する内容が出題される技能検定で、様々なデータから状況を分析し、顧客に対してフィードバックしていくための知識が問われるのが特徴です。
つまり、顧客から相談を受け、適切なアドバイスを送るための知識を身につける技能検定であると言えるでしょう。
FP技能検定として、学科試験と実技試験が行われています。
学科試験はその名前の通り知識を問われる試験です。
実技試験は、名前から想像するようなものではなく、実際の状況に合わせて解答を導くような形を持っている試験と言えます。
FP技能検定の試験範囲は、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業継承の6科目が指定されています。
この試験範囲は級が変わっても同じで、非常に広い範囲から出題されてくるのです。
勉強する場合にも、テキストなどでは全てをカバーできないこともあるほど、広い範囲を相手に勉強していかなければいけません。
これがFP技能検定の難易度にもつながっていきます。
人気の高まってきているFP技能検定ですが、FP2級と3級の難易度はそこまで高くありません。
FP3級は入門資格として位置づけられており、合格率も国家資格としては非常に高い70%台を示すことがあります。
FP2級でも合格率は50%前後を維持しており、かなり高い合格率を持っているのです。
ですが、お金に関する知識がなければ簡単に理解できる内容ではありません。
勉強もしっかりとしていかなければ、この高い合格率の中に含まれることはないでしょう。
FP技能検定と民間資格の違い
FP技能検定と民間資格が存在するのが、ファイナンシャルプランナーの資格の特徴です。
FP技能検定の場合には、国家資格ではありますが、名称独占だけであり独占業務が存在していません。
つまり、FP技能士と名乗ることは合格しなければできませんが、FP技能士でなければできない仕事はないのです。
さらに、ファイナンシャルプランナーと名乗るのは自由であり、何かに制限されているわけではありません。
民間資格が色々とありますが、これらもファイナンシャルプランナーと名乗るのは自由ですが、FP技能士とは名乗れないのです。
FP技能検定とは別に民間資格が色々とありますが、全く関連性が無いわけではありません。
特によく知られているのがFP技能検定とも連動しているAFPやCFPの存在です。
FP技能検定を実施している団体は二つ存在しています。
きんざいと日本FP協会の二つがありますが、元になっていた資格を運用していたのがきんざいです。
もう一つ民間のAFPからスタートしてきたのが日本FP協会で、国際資格であるCFPも運用をするようになりました。
このどちらもFP技能検定を実施していますが、民間資格であるAFPとFP日本FP協会は同時に実施しているのです。
非常に複雑な仕組みとなりますが、非常に近い関係がある点を理解しておかなければいけません。
AFPは、特別に試験があるわけではなく、AFP技能研修を受けFP2級の試験に合格すれば得られる資格です。
CFPはAFPのような形ではありませんが、FP1級との兼ね合いが強い特徴を持っています。
CFPの所持者はFP1級の学科試験を免除される仕組みがあり、近い存在となっているのです。
民間資格ではありますが、CFPは国際資格でもあり、世界でも認知されるところが特徴です。
FP技能検定は日本だけの資格となるため、ここでも差があることがわかります。
両方を実施しておりますが、業務として活用するのを想定した場合、AFPやCFPが活用されるようになりました。
しかし、CFPなどは登録にも実務経験が問われます。
AFPも更新する場合には、実務経験が伴っていなければいけないなど条件が厳しいのも確かなのです。
FP技能検定の場合には、国家資格等指定更新に対して要件がありません。
一度取得すれば、そのまま使い続けることができるところに違いがあります。
永続的に名乗れるような条件を考えれば、FP技能検定も取得しておく方がメリットが出てくるのです。
民間資格も有効ではありますが、あくまでも使う本人がどこまで活用できるのかがポイントとなるでしょう。
FP技能検定で食べられる?
FP技能検定で大きなポイントとなるのは、独占業務が存在しない点にあります。
一般的な国家資格には、独占業務が存在しており、資格を取得するメリットがあるのです。
資格を取得しなければ該当する業務ができないため、質の向上にも役立ちます。
利用する側から見ても、有資格者かどうかを判断するだけで、信頼できるかどうかの判断基準になるでしょう。
国が行なっている資格で、ほとんどが登録することを要件としており、検索して調べられるのも特徴となっています。
FP技能検定の場合には、独占業務が存在しないため、取得しなければできない仕事はありません。
FP技能士と名乗れないだけの資格であり、登録しなければ仕事ができないということもないのです。
これが資格として食べられるかどうか大きな分かれ目となるでしょう。
実際に資格がなくてもファイナンシャルプランナーとして活躍してる人はたくさんおり、職業としても成り立っています。
利用者から見た場合に、ファイナンシャルプランナーという名前だけでは不安があるかどうかといえば、まだそこまで浸透はしていません。
ファイナンシャルプランナーは、FP技能検定を合格している人というイメージがあるからです。
この違いがもっと明確になって行った時には、FP技能検定の価値は高まるのは間違いありません。
ではFP技能検定が役に立たないものなのかといえば、これは間違いです。
自分で活用する場合に、国家資格であるFP技能士であることを前面に押し出せるのであれば、有効に活用できるでしょう。
ファイナンシャルプランナーという存在が、顧客から受けた相談に対して適切なアドバイスを送る仕事である以上、もっとアピールできる瞬間が出てきます。
信頼関係を構築する時に、FP技能士であることを説明できれば、十分に食べていける資格となるでしょう。
逆にこのような活用の場面がない人にとって、FP技能検定はあまり有効に働いてはくれません。
実際に資格手当などをもらえる会社もありますが、高額な手当てが付くわけではないからです。
FP3級を取得したとしても、実際に使う機会はほとんどありません。
難易度が低いことも知られており、履歴書にもあまり書かれないレベルです。
最低でもFP2級以上から活用できることも覚えておくと良いでしょう。
FP技能検定として上を目指すなら
FP技能検定としてみた場合、活用できるのはFP2級からです。
最低でも上を目指していくステップとして、FP2級は考えておかなければいけません。
実際にFP3級から取得をスタートする方法もありますが、通信教育会社などではAFPの研修を行っており、これによりFP2級の受験資格を得る方法が取られてきました。
研修を修了していることが条件ではありますが、FP3級を経由しないため時間が短縮できるのです。
問題点があるとすれば、FP3級の知識をFP2級を受験する上で重要な基礎になります。
試験を受けていない状態でFP2級からスタートするため、本試験様式になれないままチャレンジしなければいけません。
これが大きな障害になるケースもあるため、入念な準備をして進める必要があるでしょう。
さらにFP技能検定を使い上を目指して行くのであれば、CFPの取得が基本線となります。
FP1級も当然視野に入りますが、国際資格として活用できるCFPは魅力があるからです。
CFPを取得する上で大きな問題は、実務経験が3年必要になるというところにあります。
普段からファイナンシャルプランナーとしての活躍が必要であり、経験がなければCFPとして登録ができません。
これが大きなネックとなるため、徐々にステップアップしていくほかないのです。
逆にファイナンシャルプランナーとしての実務経験があると、FP1級なども直接受験することができます。
しかし、現実的な試験対策として考えた場合、FP技能検定の範囲は非常に広く、実務経験があるからといってすべてがカバーできません。
カバーできない上に、出題はかなり細かな点まで進められるため、資格試験として合格できない可能性の方が高いのです。
基本となるのはFP2級やAFPということになりますので、実務経験があってもステップアップしながら上の資格を目指して行った方がいいでしょう。
実務経験のある人の多くが、資格として取得できずに悩むケースも多いのです。
ファイナンシャルプランナーは、上を目指す限り限界がありません。
法律なども改正が進み、時代に即した内容に変わっていくからです。
様々な商品も生まれていくため、上を目指して行くのであればFP技能検定を上手く使い、勉強を続けていく必要があります。
まとめ
FP技能検定は国家資格ではありますが、FP3級から誰でもチャレンジできるなど、多くの人が取得を目指せる特徴を持っています。
FP技能検定を取得したからといってすぐに活用できるわけではありませんが、多くの知識を身につけステップアップのために活用できれば、役立つ資格であるのは間違いありません。
お金の知識を持つことは将来を豊かにしてくれる大事な財産となりますので、勉強してみる価値は十分にあるでしょう。