FP試験に合格したら、様々な道が見えてきますが、ダブルライセンスを活用する方法もあります。
ファイナンシャルプランナーとして活動するためには、多くの知識が求められますが、他の資格の知識も活かしていけば、サービスとしても充実するでしょう。
顧客側から見て、どのような形をとれば利便性が向上するのか、ダブルライセンスという形で考えてみる必要もあるのです。
FPにダブルライセンスを付加する意味
ファイナンシャルプランナーは顧客から様々な相談を受け、適切な解決方法を考えていくのが仕事です。
適切な方法も色々とあり、FPの資格を活かしながら提案していくことになるでしょう。
しかし、できることにも限界があり、なんでもサービスとして提供できる訳ではありません。
その幅を広げるために必要となるのが、ダブルライセンスです。
ダブルライセンスの考え方にはいくつかあります。
FPで考えると、どんなに1級やCFPを取得したとしても、独占業務が存在していません。
FPの資格でなければできないと言ったことは、実は何もないのです。
正確には、ファイナンシャルプランナーと名乗ったところで、罰せられる法律も存在していません。
ファイナンシャルプランニング技能士としては、名称を使うことができませんが、ファイナンシャルプランナーは使えるからです。
この辺りの問題がFPの資格の弱さとも言えます。
FPの資格自体は、どんどんと知名度が高くなり、多くの人が認知するようにはなりました。
しかし、どのようなことをしてくれるのか、何のために存在してるのかは今一つ通用していません。
保険業務の相談ができればいいと言った、限定された認知に止まっているのが現状です。
その中で、ダブルライセンスを取得し、他の業務もできることを知ってもらえれば、仕事の幅が広がっていきます。
ダブルライセンスのもう一つの仕事が独占業務を持つのであれば、ここからファイナンシャルプランナーとしての仕事を広げていく方法もあるでしょう。
FPの資格だけでは、独立して食べていくとすると弱い部分があるのは間違いありません。
業務の中心の柱を持つのは大切ですが、柱を生かすためには梁も壁もなければいけないのです。
これで初めて家としての形も作り上げられるようになるため、仕事を太くしていくためにもうダブルライセンスの活用が求められると言えるでしょう。
独立して仕事をしているだけではなく、雇用されている状態でもダブルライセンスは強力に働いてくれます。
FPに相性のいいダブルライセンス
FPの業務を考えた時に、相性の良いダブルライセンスを取得しなければ、業務に活かしていくことはできません。
どのような資格が有効に働いてくれるのか、それを理解して初めてダブルライセンスとして活用できるでしょう。
FPの資格を活かしていくとすると、顧客は二つに分かれます。
個人と法人の顧客となりますが、どちらも大切なのはお金の流れを知ることです。
計算が出来なければFPの資格も取得できませんが、ここで共通的な部分を持っているのが簿記です。
FPの資格を取得する際に、簿記の2級の勉強などをする人も多いでしょう。
これは、FPの試験に相性がいいからで、ダブルライセンスとしても知識を深めるために役立ってくれます。
顧客の目線から考えてみると、相談したはいいが、書類の代行してもらえないのは面倒な状態が出来上がります。
別のところに依頼しなければいけなくなれば、それだけ費用もかかりますし、時間も使ってしまうでしょう。
このポイントを改善できるのが、行政書士の資格です。
行政書士は、街の法律家さんと呼ばれる時期もあったほど、法律にも長けていますし多くの書類の作成代行ができるようになります。
こうした書類に関する相談も乗れるようになるため、FPの資格とも相性がいいのです。
特に相続や事業継承といったところで活躍できるのが行政書士の力でもあり、FP試験との関連性も見えてきます。
行政書士としてだけでも十分に経営していくことができますので、2本の柱としてダブルライセンスを活躍している人も多いのです。
社会保険労務士や年金アドバイザーといったところも、FPと相性の良いダブルライセンスになってくれます。
ライフプランニングに関わる年金などの相談を受ける場合、これらの資格が有効に働いて行きます。
個人だけではなく企業に対してもアピールできる資格になるのがポイントです。
ダブルライセンスとしてみた時に、社会保険労務士の資格を活かして企業との取引をして、年金などの相談は個人からでも受けると言った広がりもできるでしょう。
もちろん、社会保険労務士だけでも十分に食べていける資格ですので、これらも2本の柱として活用できるのです。
FP1級としてのダブルライセンス
FP1級としてみた場合には、さらに高度な資格との組み合わせも考えられます。
FP1級を取れるまでの実力があると、実際に仕事もかなりの量を確保していると考えられるでしょう。
FP1級の受験資格も、AFPを取得するために実務経験が必要となってきますし、登録するときにも3年の実務期間がなければ登録することができないからです。
ここまでの実務能力を求められている状況であれば、様々な顧客がいて当然と言えます。
いったいどのような顧客がいるのかによって、ダブルライセンスの考え方も変わってきます。
現在の商流を太くするためにダブルライセンスを必要とするのか、新たな顧客を求め活用するのかで考え方が変わるからです。
現在必要とされているような資格は何か、業務の内容から割り出していく必要があるでしょう。
例えば企業を相手に相談を受けているような状態であれば、社会保険労務士はダブルライセンスとして有効に働きます。
労務などに関してのスペシャリストであり、独占業務を持っている社会保険労務士は、企業にとって重要な役割を持つからです。
個人の保険などを対象に仕事をしている場合には、保険の販売資格などを取りダブルライセンスとして生かす方法が考えられます。
実際に取得している人がFP1級になると大半ではあるはずですが、これから独立を目指していくというのであれば、損害保険の代理店といった資格もいいでしょう。
リスク管理に関して強みを発揮できますし、独立した時に顧客を増やす方向が取れるからです。
FP1級と税理士の組み合わせも強みを発揮できるのは間違いありません。
FP1級自体でも相当な税理に関する勉強をしなければいけませんが、税理士の資格も独占業務を持つ資格で、税理のスペシャリストになるのです。
個人でも法人でも活躍できる資格であり、税理の相談を乗るためにも大切な資格となります。
FP1級となるとタックスプランニングや相続税事業継承などの勉強をすることになり、税理士の勉強にもつながっているのです。
ただし、そのままでは受験資格が取得できないため、まずは簿記の1級を取得しなければいけません。
一般的な受験資格の流れですが、税理士の場合には、科目合格できると継続できるため、FP1級で活動をしながら徐々に税理士取得を目指すという方法が考えられます。
一発合格するだけが税理士を目指す方法ではないので、長い目で取得をめざせるのもFPと相性の良いところと言えるでしょう。
違った視点で見るFPとダブルライセンス
FPとの相性を考えた時に、様々なダブルライセンスが見えてきます。
どちらを活かすのかという問題もありますが、もっと大きく展開していくために取得を目指すという方法もあるでしょう。
そこで考えられるのが、宅建や不動産鑑定士の資格です。
FPの中で土地取引に関することも勉強していきますが、実際にダブルライセンスとしてみても活用できる余地がいろいろと出てきます。
宅建の勉強をしながらFPの受験をしている人も多いでしょう。
それほど近い資格として知られているからです。
お互いが近い存在にあれば、ダブルライセンスとして取得して活用する道が見えてきます。
特に宅建の場合には、不動産取引には欠かすことができない存在です。
宅建を取得している人が説明しなければいけない事項もあり、これだけをアルバイトとしている人もいます。
FPの仕事の内容と比較しても、資産運用という面で宅建は必ず役に立ちます。
不動産鑑定士の場合には、独立して食べていくこともできるほどの資格です。
FPの資格を活かしつつ、違った方向も行かせるという面では、強みを持ったダブルライセンスになるでしょう。
企業の目線で考えた時には、中小企業診断士と共にFPの資格を活かす方法も出てきます。
中小企業の相談業務を中心とする中小企業診断士は、経営コンサルタントの刺客として、唯一の国家資格です。
アドバイスをする業務という点では、FPと同様の方向性を持っています。
個人を相手にするという意味では、中小企業診断士はあまり役に立たないかもしれません。
しかし、経営という面ではFPよりもさらに強みを発揮できる存在となるでしょう。
この二つの方向性を活かしていけ、さらに業務内容が広がるのは間違いありません。
どちらも働きながら資格を活かせるという面も持っています。
国家資格の中には独立して開業することが基本のものもありますが、この二つはダブルライセンスとして勤めながら活用できるのです。
まとめ
FPと相性のいい資格は色々と存在しています。
問題はどのように活用するのかというポイントであり、いくつもの資格を持っていればいいというところではありません。
ダブルライセンスも活用する道を見つけていかなければ、刺客として役に立たないことも出てきます。
勉強することで多くの知識が身に付きますので、これだけを目的にダブルライセンスを取得してみるのも良いでしょう。
いかにFP資格に対して幅を持たせるのかが、ダブルライセンスの肝となる部分になります。
活用できる資格があるのなら、どんどん広げていくのもファイナンシャルプランナーとして大切です。