1級FP技能士になりたいと考えている人はいませんか?1級FP技能士になるにはどうすれば良いのか、試験の内容など、気になることは多いですよね。
この記事では、そんな1級FP技能士になるための方法や試験概要、試験の勉強法について詳しく解説しています。
ぜひ参考にして、1級FP技能士になる準備をしましょう。
目次
まずは、1級FP技能士や試験概要についてしっかり理解しよう
まずは、1級FP技能士という職業や試験概要について、詳しく解説します。
仕事内容や年収、どのような試験を受験するのかなど、ぜひ確認してみてください。
1級FP技能士とは?年収やメリット、なる方法について紹介
1級FP技能士とは、1級FP試験に合格した人に与えられる称号です。国内のFP資格の中では、最もレベルが高く、FPを目指すのであれば、目標としたい資格です。
FP1級は、2級よりもレベルが高く、その希少さは金融業界の中では知れ渡っているため、資格手当や仕事の幅等が広がり、結果的に収入に結びつくパターンが多いです。
1級FP技能士試験を受けるためには、次の受験資格が必要です。
- FP2級を取得していてかつ1年以上のFP業務の実務経験があること
- FP業務で5年以上の実務経験があること
2つ目の資格に関しては、すでに金融業界等で、FP業務を行っている人のキャリアアップ向けになります。
基本的には、FP2級を取得し、1年以上の実務経験がある人が1級の受験対象となるでしょう。
FP2級・AFPまで順調に取り、1年以上の実務経験をコツコツ積むしか、1級FP技能士になる方法はありません。
1級FP技能士の試験内容や試験日
1級FP技能士の試験内容は、以下のとおりです。
日本FP協会 | 金財 | ||||
試験方式 | 試験内容 | 試験方式 | 試験内容 | ||
学科試験 | 基礎分野 | – | – | マークシート式 | ・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理 ・金融資産運用 ・タックスプランニング ・不動産 ・相続・事業承継 |
応用分野 | – | – | 記述式 | ||
実技試験 | – | 記述式 | 資産設計提案業務 | 口頭試問方式 | 資産相談業務 |
注意すべきは、日本FP協会と金財とで、実技試験の方式が違う点です。
日本FP協会は、筆記試験(記述式)ですが、金財は口頭試問方式と呼ばれる面接形式になります。
相談業務に関する内容が問われることには変わりないため、記述式と口頭試問方式、どちらがより高得点が取れるか、考えておくようにしましょう。
1級FP技能士は、きんざいとFP協会のどちらを受験すべき?
1級FP技能士試験の受験を考えている人の中には、FP協会と金財、どちらで受験すべきか迷っている人もいるでしょう。
相談業務に関する内容で同じとは言え、問われる問題内容は、やはり異なります。難易度も同じ程度ですし、比較しにくいというのも事実です。
結論から言うと、実際に過去問を見てみて、解きやすそうなほうを選択するのが、最適です。
まずはFP協会、金財の過去問を見て、どちらが解きやすそうか、判断してみてください。
1級FP技能士はなかなかなれない?試験の合格率や難易度について解説
ここでは、1級FP技能士の合格率や難易度についてご紹介します。
1級FP技能士の合格点・合格率
1級FP技能士の合格点は、次のようになっています。
日本FP協会 | 金財 | |
学科試験 | – | 120点/200点 |
実技試験 | 60点/100点 | 120点/200点 |
金財は学科試験・実技試験ともに、200点満点のうち、120点取れれば合格です。日本FP協会は実技試験のみで、100点満点中60点取れれば、合格です。
どの試験も、全体の6割取ることができれば、合格となります。
FP1級の試験データ | 日本FP協会 | 金財 | |||||
– | 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2020年1月 | 学科試験 | – | – | – | 7,049 | 833 | 11.81% |
2020年2月 | 実技試験 | – | – | – | 710 | 603 | 84.92% |
2019年9月 | 学科試験 | – | – | – | 5,836 | 592 | 10.14% |
2019年9月・10月 | 実技試験 | 1,009 | 938 | 93.0% | 521 | 433 | 83.10% |
2019年5月 | 学科試験 | – | – | – | 4,893 | 576 | 11.77% |
2019年6月 | 実技試験 | – | – | – | 699 | 599 | 85.69% |
2019年1月・2月 | 学科試験 | – | – | – | 7,310 | 618 | 8.45% |
実技試験 | 14 | 14 | 100.0% | 783 | 677 | 86.46% |
これは、1級FP技能士試験の学科試験・実技試験の受験者データです。
学科試験の合格率は軒並み低く、10%前後であることが分かります。一方、実技試験に関しては、日本FP協会・金財ともに、80%以上を記録しています。
学科試験を突破することができれば、基本的には実技試験も突破できると言えるでしょう。
1級FP技能士の難易度
1級FP技能士の難易度ですが、非常に高いと言えます。まず、FP試験には、FP3級・FP2級、そしてFP1級がありますが、FP3級・FP2級までは、会社単位で受験することも多く、受験数が非常に多いのが特徴的です。
そして、合格者もある程度おり、少なくても30%の合格率です。しかし、1級FP試験となると、会社単位で受験させることはなく、希望者のみが受験するのがほとんどです。
そして、合格率は10%前後となっています。受験意欲があるのにも関わらず、合格率は10%前後というのは、かなり難しいと言えるでしょう。
1級FP技能士に並ぶCFPとは?資格内容や取得方法について解説
1級FP技能士に並ぶ資格に「CFP」と呼ばれる資格があります。
これは、Certified Financial Plannerのことで、頭文字を取ってCFPと呼ばれています。CFPに似た資格にAFPというものがありますが、AFPはFP2級レベルの国内限定のFP資格です。
一方、CFPは、FP1級レベルの国際資格です。FP試験に合格することでもらえる称号と違うところは、FP1級などの資格は国家資格なのに対し、AFP・CFPは民間資格なため、資格を維持するのに更新が必要なこと、ある程度の費用がかかってくることが挙げられます。
そして、なんと言ってもCFPは世界24の国と地域で認知されている資格で、FPのスタンダード資格とされています。
海外や外資系等でFP業務を行いたい人、FPとしてのレベルを格段にあげたい人は、CFPも合わせて取得するようにしましょう。
また、CFPの受験資格は、
- AFP認定者であること
- 所定の大学院で単位を取得すること
そして、資格を取得するためには、通算で3年以上の実務経験がある必要があります。
まずは、FP2級・AFPの資格を取得し、その後CFPの試験を受験し、エントリー研修受講・通算3年以上の実務経験を積むという流れになります。
1級FP技能士に合格するには?必要な勉強時間や勉強法について紹介
ここでは、1級FP技能士に合格するために必要な勉強時間や具体的な勉強法についてご紹介します。
1級FP技能士に合格するのに必要な勉強時間
1級FP技能士試験に合格するためには、500〜600時間必要だと言われています。FP2級には約300時間程度必要なので、単純に倍の時間がかかると考えて良いでしょう。
必要な勉強時間から、現実的な勉強スケジュールを立てるところから始まります。例えば、サラリーマンの方は、平日はお仕事でしょうから、勉強できても2時間でしょう。
休日は頑張って6時間行ったとして、月に100時間、つまりFP1級の合格点に到達するためには半年程度のスケジュールで考える必要があると言えます。
もちろん、計画通りに行くことは少ないですから、ある程度余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
1級FP技能士試験向けの勉強サイトやテキストで演習する
1級FP技能士は、どこまで取りこぼさずに勉強を進めることができるかにかかっています。まずは、「みんなが欲しかったシリーズ」などの参考書を用意して、1級FP試験を突破するために必要な知識を入れます。
1級FP試験では、広い範囲の知識を、深く問われるので、最初からインプットを重点的に行うのではなく、インプットとアウトプットを繰り返し繰り返し行いながら勉強を進めていくと、効率よく知識を深めることができます。
一通り知識を入れることができたら、問題集を用意して、演習を行います。ここでは問題が解ける・解けないことに一喜一憂せず、インプットした内容を適切にアウトプットできているか、アウトプットしたものの正答率が低い範囲・分野はどこなのかをマークして、次のインプットに備えます。
インプットを一通り行い、アウトプットを一通り行うやり方でも良いですし、ある程度の範囲ごとにインプットとアウトプットを行うのでも良いです。
問題集で合格点が取れそうだ、試験まで3週間を切ったら、過去問題演習に移ります。
1級FP技能士試験の過去問で演習する
演習の段階で、ある程度知識が定着した、もしくは試験まで残り3週間程度になったら、1級FP試験の過去問題を活用して、演習を行いましょう。
過去問演習では、まず試験時間を実際よりも短く設定して、その中で合格点が取れるかを測ります。
きちんと解いた後に、自己採点を行い、間違った問題があれば、なぜ間違ってしまったのか、必要な知識等を確認して、次は間違えないように復習します。
これを5年分ほど行い、短い試験時間の中で、合格点が取れるまで行いましょう。
必要に応じて、1級FP技能士試験向けの通信講座を活用する
必要に応じて、1級FP技能試験向けの通信講座を活用するのも良いでしょう。通信講座を活用するメリットとして、
- テキストが充実している
- 勉強の伴走となってくれる
- 質問や相談が行える
などが挙げられます。ある程度の費用はかかってしまいますが、一人で勉強するのが難しいと感じる場合は、通信講座や予備校などを利用すると良いでしょう。
また、無料で閲覧できる勉強サイトも非常におすすめです。勉強サイトでは、FP1級やCFPを受験して、合格した人がおすすめするテキストや体験談などがまとめられています。
FP1級レベルにもなると、解説や解説動画等がまとめられていることは少ないですが、勉強プランを見直す上で、非常に参考になるでしょう。
1級FP技能士試験に合格して、FP試験をマスターしよう
ここまで、1級FP技能士や、試験概要、試験勉強やCFP資格についてなど、詳しく解説してきました。
FP資格は、2級までは取得している人が多いものの、1級・CFPとなると、格段にレベルが上がり、取得している人が非常に少ないです。
合格に必要な勉強時間も倍以上に増え、より根気強く勉強する必要があると言えるでしょう。
おすすめの勉強法やテキストなども紹介しましたが、不安が残るようであれば、通信講座や予備校を活用するのもおすすめです。一人で悩むよりも、信頼できる講師に相談し、早急に解決したほうが良いです。
この記事が、一人でも多くの人の参考になれば幸いです。