FPの資格を取得するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?FPの資格は、資格の種類によってもかかる費用が異なります。それぞれのFPの資格取得にかかる費用を、詳しく解説します。
FPの資格取得にかかる費用はどれくらい?
FPとは、「ファイナンシャルプランナー」の資格の略称で、FP技能士・AFP・CFPの総称になります。この3種類のFP資格は、資格ごとにかかる費用が異なります。まず、「FP技能士」は、国家資格で1級〜3級までレベルに応じた等級があります。FP3級がもっとも難易度が低く、FP1級がFP技能士において最上級になります。合格した等級により「◯級FP技能士」という肩書を名乗ることができる資格です。
AFPは、「アフィリエイテッド・ファイナンシャルプランナー」の略称で、日本FP協会が認定する民間資格になります。AFPは、2級FP技能士の資格を取得していなければ、受験することができない資格であるため、「2級FP技能士と同レベル」であると言われています。AFPは試験合格後に、日本FP協会に登録しなければ資格を取得したことにならないため、資格取得費用の他に入会金や年会費などが別途かかります。
CFPは、「サーティファイド・ファイナンシャルプランナー」の略称で、AFPと同じく日本FP協会が認定する民間資格です。CFPは、AFP認定後でないと受験することができないため、「1級FP技能士と同レベルの資格」であると言われています。AFP同様に、資格試験合格後に日本FP協会にて登録することによって、CFP資格を取得することができます。そのため、CFPも資格取得費用の他に入会金や年会費が別途かかります。
FP技能士を取得するためにかかる費用は、等級により受験費用が異なります。FP技能士3級の場合には、「学科実技ともに3,000円」です。FP技能士3級は学科実技ともに合格しなければ資格取得にならないため、資格取得費用は合計6,000円の費用がかかります。
FP技能士2級の場合は、「学科4,200円実技4,500円」で、FP3級同様に学科と実技ともに合格する必要があるため、資格取得費用は合計8,700円になります。FP技能士1級の場合は、「学科8,900円実技20,000円」で、同様に両方合格する必要があることから、資格取得費用は合計28,900円になります。
AFPの場合には、「FP2級の資格取得「と「AFP認定研修の修了」が必須条件です。そのため、ゼロからAFP資格取得を目指した場合の資格取得費用は、「2級FP技能検定受講料8,900円」と「AFP認定研修・基本課程受講料(最安)21,600円」の合計30,500円になります。
CFPの場合にも、AFP同様に必須条件がいくつかあります。CFPの資格を取得するには、「AFP認定者である」「CFP資格審査試験6課目に合格」「CFPエントリー研修の修了」「通算で3年以上の実務経験」「資格合格後5年以内に登録申請」といった条件をクリアする必要があります。単純にCFP資格審査試験6課目の受験費用だけを算出した場合、「1課目5,400円×6課目」で合計32,400円になります。
ただし、CFP資格審査試験は、2課目以上一度に受験する場合には、割引制度が適用されます。2課目以降は10%から最大で16%も割引が適用されることから、6課目すべてを一度に受験すれば、合計27,000円で受験することが可能です。このようなことから、CFP資格審査試験の費用を抑えてい場合には、なるべく複数の課目をまとめて受験することをおすすめします。
FPの資格維持にかかる費用
FPは資格の種類により、資格維持にかかる費用が異なります。FP技能士の場合には、資格取得の際に入会金や年会費がかからず更新制度もないため、一度資格を取得してしまえば追加でかかる費用はありません。ただし、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)がFP技能士の継続学習をバックアップするために創設した「ファイナンシャルプランナー技能士センター」に自主的に入会する場合には、年会費が必要になります。
FP技能士センターに入会し会員になると、FPの知識を最新にアップデートするための学習機会やサービス提供を受けることができます。FP技能士センターの会員は、4種類のランクに分かれており、それぞれにかかる年会費や受けられるサービスがことなります。会員の種類と費用は、「準会員C(3,888円)準会員B(7,776円)準会員A(10,368円)正会員(10,368円)」になります。
AFPは資格取得をする際に、日本FP協会への「入会金10,000円」「年会費12,000円」がかかります。そのため、AFPの資格を維持するためには、資格取得の時点で22,000円の費用がかかることになります。その後は、年会費12,000円と継続教育費や2年ごとの更新費などがかかることになります。そのため、AFPは資格取得をすることにより、その後毎年資格維持費用がかかるため、取得を目指している人の場合には、費用をきちんと把握しておく必要があるでしょう。
CFPもAFP同様に、日本FP協会への「登録料(入会金)5,000円」「年会費12,000円」「会費8,000円」がかかります。そのため、CFPの資格を維持するためには、資格取得の時点で25,000円の費用がかかることになります。CFPもAFPと同様のシステムですが、AFPよりも上級の資格であるため、CFP会員費がAFPよりも多くかかるため注意が必要です。
FPの実務経験にかかる費用
FP2級以上の資格を取得するためには、受験資格として実務経験が必須です。FP2級の場合には「2年以上の実務経験」、FP1級の場合には「5年以上の実務経験(FP2級を取得していない場合)」、CFPの場合には「3年以上の実務経験」が必要になります。この実務経験とは、おもにFPの実務経験や金融業界でのさまざまな実務経験を指しますが、実務経験がまったくないと言う人の場合には、「みなし実務研修」や「みなし実務経験」を活用するようにしましょう。
「みなし実務研修」は、認定教育機関が実施しており、「みなし実務経験」は日本FP協会が実施する「プロフェッショナル研修」や「レジデンシーコース」を修了することで、申請することが可能です。ただし、みなし実務経験は、「CFP資格審査試験のみ」に有効であるため注意する必要があります。みなし実務経験(3年分)にかかる費用は、およそ85,000円程度になります。
FPの勉強にかかる費用
FPの資格取得のためには、受験費用だけでなく、独学の場合はテキスト代、通信講座を利用する場合には別途受講料などがかかります。FP3級においては、難易度が低いため、独学でも十分に合格が可能です。そのため、FP3級の勉強にかかる費用は、テキスト代(問題集含む)のみで10,000円程度になります。FP2級以上になると、難易度が高くなるため、人により通信講座を受講する必要があります。
FP2級を独学で勉強した場合にかかる費用は、テキスト代(問題集含む)15,000円程度です。FP2級の通信講座を受講する場合には、最安で12,000円になります。FP1級を独学で勉強した場合にかかる費用は、テキスト代(問題集含む)45,000円程度です。FP1級の通信講座を受講する場合には、最安で44,000円になります。
AFPは、AFP認定研修修了が必須であるため、通信講座を受講しなければなりません。AFP認定研修(基本課程)の最安講座の費用は22,000円になります。CFPを独学で勉強した場合にかかる費用は、テキスト代(問題集含む)26,000円程度です。CFPに限っては、通信講座がほぼないため、通学か独学で試験に挑む人が多いようです。また、CFPを受験するレベルであれば、FPに関しての知識が十分にあるため独学でも合格できるでしょう。
また、FPの通信講座にかかる費用は、資格学校によってかなりの差があります。FPの通信講座で高額なものは、20万円ほどかかるものもあります。そのため、FPの通信講座は、きちんと学習内容や教材を確認して決めることをおすすめします。FPの通信講座において、もっとも費用がかかっているのは教材です。人によっては、通信講座で送られてきた教材の一部をまったく使用しなかったという場合もあるため、FPの勉強にかかる無駄な費用を減らすために講座選びはとても重要です。
このように、FPの勉強にかかる費用は、勉強方法により大きく異なります。そのため、自分に合う勉強方法を、費用面やかかる時間なども考慮した上で選択することをおすすめします。
まとめ
FPの資格取得には、それぞれ受験費用や資格維持費用、勉強費用などがかかります。この費用は、FPの種類により金額は異なるため、事前に調べ把握しておく必要があるでしょう。
とくに、FP技能士とAFP・CFPは、同じFPでも資格の種類も費用がかかる形態も異なるため注意が必要です。FP技能士は、入会金や年会費はかかりませんが、AFPやCFPは入会金・年会費ともにかかり、それぞれ金額も異なるため、きちんと把握しておくことをおすすめします。
また、FPは資格のレベルにより、勉強方法も異なります。FPは独学での勉強方法と、通信講座での勉強方法では、費用面でもかなり差があるため注意が必要です。さらに、FPの通信講座は、資格学校によっても費用にかなりの開きがあるため、自分に合った通信講座を選ぶことがもっとも重要であると言えるでしょう。