行政書士試験のメイン科目として位置づけられているのが行政法です。勉強法については、よく分からないですよね。現行の法律の中で、行政に関するものをまとめて行政法と呼んでいるだけです。
行政法に分類される法律を列挙していくと、その数は膨大な量となります。行政書士試験にそのすべてが出題されるわけではありません。試験で扱われる行政法は、行政法の一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法と、明確に範囲が決められています。
この記事では、行政法の勉強法について説明していきますよ。行政法の勉強法について知りたい方や気になる方は、ぜひ読んでください。
行政法の勉強法とは?
行政法は、行政書士試験の要です。出題数、配点とも最も多くなっています。行政法で点が取れなければ合格は難しいです。行政の観念は元来は法と無関係でした。治山・治水・都市造成など政策の実施は国家の成立とともに行われてきたもので、法律の根拠が必要とされていたわけではありません。
近代以前の行政は法が支配しているわけではなく、人の支配による専断的な政治が行われており、封建領主や専制君主は一方的に行政を執行していました。法治主義(ほうちしゅぎ)とは、「国家のあらゆる社会活動は、法に従わなければならない」という原則のことです。
したがって、行政における法治主義(法治行政の原理(ほうちぎょうせいのげんり))は、行政活動は、その担当者の恣意や行政部外者からの圧迫(暴行や脅迫等を含む)によってではなく、客観的な法に従って行わなければならないという一種の規範的要請を意味します。
法治行政の原理はドイツを中心とする大陸法系諸国で発達した法治行政の原理でいう「法」は立法府の制定する法律を意味し、法律によって行政の恣意や専断を防ぐという趣旨に基づいていますよ。法律による行政の原理は、次の3つの原則からなっています。
法律の法規創造力について見ていきましょう。これは国会で制定する法律だけが、国民の権利義務に関する規律である法規を創造出来ることです。次に法律の優位について見ていきましょう。法律が存在する場合には、行政作用が法律に違反してはなりません。
法律の留保について説明していきます。一定の行政作用については、法律の根拠がなければなりません。一方、アングロサクソンの英米法系の諸国では法の支配の原理が発達したが、法の支配でいう「法」では判例法が重視され、判例法により立法権や行政権がコントロールされるとともに適正手続の保障を重視されています。
行政書士の実務でも使う知識なので、細かいところまで聞いてきますよ。難易度はそれほど高くありません。暗記が重要となっています。
考えさせる問題はさほど多くないからです。まじめに暗記をやった人ほど点が取れます。行政法の対策として最も重要なのは暗記です。
行政法の勉強法1.内容
行政法の出題数
5肢択一……19問
多肢選択……2問
記述式……1問
配点 112点
重要度 ☆☆☆☆☆
難易度 ☆☆☆
行政書士試験の3分の1以上を占めるのが、行政法となっています。行政法とは、行政手続法や行政不服審査法、行政事件訴訟法や地方自治法、国家賠償法の総称です。地方自治法は難問ですが、他は難しくありません。
行政法は行政と私人の権利・義務、または行政機関同士の権利・義務を調整する法律となっています。私人は行政に対して非常に弱い立場です。行政が理由なく私人の権利等を制限しないよう、事細かに定められた法律が行政法となっています。行政法の特徴は「細かい」ことです。
行政法は大まかに3つに分類されますが、行政書士試験の出題範囲である行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法と関連性があります。
行政組織法→行政の組織に関する法律
行政作用法→行政の活動に関する法律
行政救済法→統制、救済に関する法律
そして行政法は行政書士試験のなかでも全体の配点の40%近くを占めていますよ。 そのため行政法を攻略することなくして行政書士試験合格はありえません。行政書士試験は300点満点の試験です。
そのうち行政法の範囲は、5肢択一式問題で76点分、多肢選択式で16点分、記述式問題から20点分の合計112点となっています。行政書士試験は法令科目と一般知識科目の2つに大きく分けることができますが、法令科目の配点はこのうち244点です。
行政法だけで法令科目の配点の約46%を占めているため、捨てて合格することはできません。また、行政法が苦手な人が多い理由として範囲が広いことがあります。
出題範囲の法令は、行政法の一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法とかなり広範囲にわたるうえに、それぞれ突っ込んだ設問が多いため万遍なく対策する必要があります。
それゆえに行政法を苦手としている人も多いのです。しかし行政法の内容自体が難しいわけではなく、出題パターンを掴むことができれば得点しやすくなります。
行政法の勉強法2.ポイント
過去問を解きながら条文を覚えましょう。行政法は条文の細かいところを聞いてきます。民法や憲法と比べると、暗記が重要になりますよ。
過去問を解きながら考えながら、丁寧に条文を暗記していくのが良いです。択一問題について説明していきます。択一問題(5肢択一)は、暗記が重要です。
単なる丸暗記で全てを覚えることは不可能となっています。記憶には限界があるからです。詳しくは、以下の通りですよ。
数字(期間や、期日など)
例外と、例外の例外
推定する、みなす
他の条文と似ている条文
ただし~
これらは、全て試験に出やすいポイントなので常に意識しておいた方が良いです。そして、暗記した知識を定着させるには過去問演習が一番となっています。多肢選択問題について説明していきます。
多肢選択問題は、主に判例から出題されていますよ。重要な判例はテキストでチェックします。出題形式は、判例の穴埋めで長文です。
判例そのものを覚えるのは無理だからですよ。そして重要な語句は、意味内容をしっかりと理解して覚えていきましょう。初見の判例が出題されても、ある程度対応が可能です。
多肢選択は、満点を取ろうと思うと難しくなっています。2、3個の正解を狙うのであれば重要語句を覚える作戦でもなんとかなりますよ。行政法の記述式対策について説明していきます。
行政法の問題であることを意識しましょう。記述は、行政法1問、民法2問が出題問題に「行政法」「民法」と記載されているとは限りません。「これは行政法の問題だ」と意識して解くことが大事です。
また、ポイントとしては結論から考えることが言えます。理由から考えるよりも、まず結論を考えましょう。40字にまとめるテクニックについて説明していきます。
これは民法の記述でも使えるテクニックです。最初に「型」を作ってしまうやり方となっています。あとはこれを穴埋めしていくだけです。
最終的に、文字数を整える調整は必要になります。このように型を作ると全く見当違いの解答にはなりにくいメリットがありますよ。記述式問題は、自由作文ではないので、求められていることに、求められている形式で答えることを意識しましょう。
行政法の勉強法3.おすすめ問題集
行政法を本格的に勉強する前に肝に銘じておいた方がいいことがあります。それは、色々なことに手を出さないということです。行政書士試験対策用のテキストや問題集が数多くあるからです。
やることの種類が多いということですよ。それぞれに個別の使い方があるという複雑さがあります。人を挫折させやすくする特徴がありますよ。
実際、行政書士試験の受験率は80%を下回っています。試験当日に20%以上の人が欠席をしていますよ。試験の申し込みはしたものの、合格の可能性が感じられないことを理由に欠席したという人が一定数いるということです。
また、合格率に関しても毎回10%前後ですから、準備が不十分な状態で試験に臨んでいるという人も多いですよ。やることを徹底的に少なくすることや、やり方を思いっきりシンプルにすることが必要となっています。使用する教材は1つに絞って勉強しましょう。
法律を初めて勉強する人であれば、基本テストに『資格スクエア 行政書士』をおすすめです。このテキストの大きな特徴は、法律用語に慣れていない人でも理解できるような説明に徹していることですよ。1つの条文でも、抽象的でわかりにくいようなものは具体例を交えながら2度、3度と言葉を変え、口語体で何度も説明してくれています。
暗記に頼らず理解できますし、試験範囲の網羅性も問題ありません。ちなみに問題集を別に購入する必要ありませんよ。問題集はそれぞれの問題集ごとのクセがあり、過去問にも過去問特有のクセがあります。
問題集を繰り返し解くことによって、実力が鍛えられるのは事実です。どうしてもその問題集のクセも一緒に身につきます。そうすると合格までの道のりがより複雑になりますよ。
過去問を問題集として使用するのが効果的です。問題集を使用するとしたら、テキストと過去問を徹底的にやり込んだ後ですよ。自信が持てない苦手分野があって、その部分の知識を確認するために利用するといった方法もあります。
行政法の勉強法を活用しよう
行政法は、行政書士試験における最重要科目です。勉強していて楽しい科目ではありません。民法や憲法の勉強は、「法律を勉強している」という楽しさがあります。
行政法は細かいルールの話です。退屈に感じる人も多くなっています。どう意識的に勉強するか、割り切って暗記する事も大事です。
意識の持ちようで点が取りやすくなり、モチベーションも上がります。この記事があなたのお役に立てたら、うれしいです。あなたが合格することを願っています。