中小企業診断士試験を受験する人で、独学で合格を目指す場合には過去問題が重要な意味を持ちます。
中小企業診断士試験は、科目数が多く非常に難易度の高いことで知られており、非常に長い時間をかけて勉強しなければいけません。
この時間をできるだけ効率化するためには、過去問題の利用が大切になるからです。
目次
中小企業診断士の過去問題が教えてくれる道
中小企業診断士試験は、 非常に難易度の高い国家試験です。
経営コンサルタントとして見ても、中小企業診断士以外は民間資格になります。
非常に価値の高い試験となりますが、簡単に合格することはできません。
中小企業診断士の1次試験を見ても、7科目受験しなければいけないため、覚えるだけでも相当な時間が必要です。
初学者で科目に関連性がない人では、1000時間から1200時間の勉強時間が必要と言われています。
これだけの時間を勉強しなければならなくなれば、独学で1年は余裕でかかるのです。
できるだけ勉強の効率化を図る必要が出てきます。
そこで大切なのが過去問題であり、合格までの道筋を教えてくれるのです。
過去問題を見ると、どのような出題があったのかがわかります。
これまでの傾向の分析も出来ますし、どのような答えまでた取り付ければ合格できるのかも分かるのです。
これが重要な道筋ですが、 これを今の試験に生かす方法を考えなければいけません。
実際に中小企業診断士試験の過去問題を見ると、出題の傾向が見えてくるようになるでしょう。
この出題傾向は、頻出問題にもつながります。
出やすい問題があるということに気がつくはずです。
この頻出問題を抑えることも、過去問題から判断できます。
過去問題の理解としては、一緒に掲載されている解説が大切です。
この解説を読むことにより、どんな問題なのか、何を理解していくべきなのかが見えてきます。
範囲が広く、どこを抑えなければいけないか分かりにくい中小企業診断士の試験問題を的確に分析できるのが過去問題なのです。
うまく利用しなければ、時間もどんどん過ぎていきますし、自分が勉強していることが的外れになることも出てきます。
方向性を正すためにも、過去問題は活用していかなければいけません。
中小企業診断士で役立つ過去問題と科目
中小企業診断士試験の全ての科目で過去問題が活用できるというわけではありません。
中には、過去問題よりも、練習を重ね理解度を深めていかなければいけない科目もあります、
過去問題を使い、独学でも非常に効果が出るのが、中小企業経営・政策です。
この科目は、中小企業白書を中心に出題されることが多く見られますが、過去問題を見ることである程度の範囲が絞り込めます。
この絞り込んだ範囲に合わせて勉強していくことで、膨大な範囲を持つ中小企業白書のすべてを覚えずに済むのです。
中小企業白書を全部覚えようと思えば、課題の時間も必要ですし覚えきれない可能性の方が高まります。
この状態を回避するためには、効率的な勉強しか方法がありません。
そのポイントとなるのが過去問題であり、どのような部分が出題されやすいのか頻出問題を理解するところにあります。
同じように的が絞りやすいのが、企業法務です。
企業法務を膨大な範囲を相手に勉強しなければいけない科目です。
特に民法に関する部分は、難易度も高く覚えなければいけない法文も山のように出てきます。
これを全て相手にするとなれば、いくら時間があっても足りなくなるでしょう。
さらに勉強したことを忘れてしまうかもしれません。
過去問題によって、ある程度の範囲が見えてきます。
どんな問題が出やすいのかどうか、細かく知ることで対策ができるようになるのです。
それでも相当な時間を費やさなければならない科目で、暗記もしていかなければいけません。
法律という大変高度な科目を相手にしなければいけないため、過去問題の利用は必須といえるのです。
逆に過去問題よりも、ひたすら問題を解く力をつけてかなければいけないのが中小企業診断士試験の中でも財務・会計です。
過去問題によって、問題の出題傾向を読むことはできます。
しかし、解答を導く能力を身につけるためには、ひたすら問題を解き自分が対応できるだけの経験を積まなければいけません。
特に時間がかかり答えが導き出せない人は、問題の数を解き練習する以外に方法がないのです。
そうなると、過去問題集だけでは足りなくなります。
簿記2級と似たようなレベルになるため、問題の数はいくらでも用意できるでしょう。
簿記2級に合格できるようになるまで練習するのであれば、実際に受験してしまうというのも方法です。
それほど繰り返していかなければいけない科目となるため、過去問題だけに頼るのではなく力をつけなければいけない科目になります。
2次試験突破には中小企業診断士過去問題で
中小企業診断士には1次試験だけではなく、2次試験が存在します。
この2次試験がとてもやっかいで、簡単に対策ができないところが問題です。
中小企業診断士の2次試験は、記述式と口述式に分かれています。
全体の合格率としては20%で、相対評価試験になるため、上位から約2割合格すると考えれば間違いありません。
この2割に入るかどうかが合格の鍵ですが、口述式は99%の合格率を誇ります。
つまり、記述式試験に合格しなければいけないということです。
記述式試験は、出題に対して文章で解答する形をとります。
問題に対して解答を作ることは難しいというわけではありません。
過去問題を使っても同じことが起きますが、独学で勉強する時にどうやって採点するのかを考える必要があります。
中小企業診断士の2次試験の記述式試験という性格上、一体何が答えなのか、点数に繋がった部分はどこだったのかがわかりません。
必要なキーワードなどは予想がついても、明確に合格できたかどうかの判断は、独学では自分で付けるしかないのです。
その予想をするためには、できるだけ正確な情報が必要になるでしょう。
その役に立つのが過去問題集です。
過去問題集の中でも、再現解答が掲載されているものであることが大切です。
再現回答は、実際に2次試験を受験した人が思い出して作り上げた答えになります。
その人が合格しているのであれば、再現解答も点数が取れたと仮定することができるのです。
答えの見えないブラックボックスのような出題ですが、再現解答を見ることによりおぼろげでありながらも抑えるべきポイントが見えてきます。
その解説も読むことで、一体どんな答えに導き出せばいいのか、限られた時間の中でどうしたらいいのかが分かるのです。
これは、再現解答だからこそ見えてくる答えであり、模範解答ではわからない部分があります。
模範解答は資格学校の講師などが時間をかけて作り上げた答えだからです。
中小企業診断士二次試験後に作られるものであり、再現解答なども活用しながら作り出していくため、本試験の時間の中で考える内容とは異なります。
過去問でも2次試験ではこのような違いが生まれてくるため、どのような過去問題集を活用するのかよく考えて選択しなければいけません。
誤って方向性を取ってしまえば、1次試験合格後から時間のない中で2次試験に臨むことになるでしょう。
勉強の効率化ということでも、足を引っ張られますので、よく考えておかなければいけないポイントです。
総合的に使える中小企業診断士過去問題
最速合格のための第1次試験過去問題集 TAC
資格試験予備校として有名なTACが出版している過去問題集です。
中小企業診断士試験として、7科目バラバラに発売されています。
全て揃えるとかなりの金額になりますが、科目別のため使い勝手の良い過去問題集とも言えるでしょう。
最速合格のためと銘打たれていますが、TACの特性上、しっかりとした知識が身につくように構成されています。
単純に合格を目指すだけの薄い知識ではないことからも、2次試験の知識としても役立つ内容です。
過去5年間の過去問題が掲載されており、解説も丁寧に作られています。
初めて中小企業診断士試験に取り組むのであれば、使い勝手のいい過去問題集です。
中小企業診断士 1次試験 過去問題集 資格の大原
資格学校として大都市に展開している資格の大原の中小企業診断士1次試験過去問題集です。
分かりやすい敵リストを作ることでも知られている資格の大原ですので、図表などを使いつつ展開しているのが特徴です。
基礎的な部分から解説が作られるため、実力アップを狙うためには適した過去問題になります。
科目別で販売されていることから、全て集めるとかなりの金額になるのはネックです。
持ち運びに便利なところをうまく利用し、隙間時間などに活用してことが求められるでしょう。
別途販売されているテキストと合わせて勉強するのが、この過去問題集の基本的な使い方です。
ふぞろいな再現解答 同友館
中小企業診断士2次試験の再現解答として、定番とも言われる過去問題集です。
実際に受験した人が作った再現解答であり、二次試験の大きなヒントになるのは間違いありません。
多くの人が使い続けてきた過去問題集なのは、再現解答の活用がカギを握るからです。
他にもふぞろいな答案分析や、ふぞろいな合格答案など様々な過去問題集が同時に販売されています。
同様の編集がなされていますので、中小企業診断士試験を受験する際にはうまく活用していくと勉強の幅が広がります。
まとめ
中小企業診断士に独学で独学で合格するためには、いかに勉強の効率化を図るのかがポイントになるでしょう。
できるだけ回り道をしないように、適切な過去問題を利用していくことが大切です。
特に何をしなければいけないのかを見失わないようにするためにも、過去問題と解説をうまく使っていかなければいけません。