行政書士の仕事内容とそれに対する報酬額は、いくらいくらいなのでしょうか。行政書士を目指す人にとっては、とても気になる内容の1つのはずです。行政書士の仕事内容に対する報酬額や、報酬単価の相場を詳しく解説します。
行政書士の仕事内容と報酬額は決まっている?
行政書士の仕事内容に対する報酬額は、今現在は行政書士会にて明確には定められていません。日本行政書士連合会のホームページ上でも、「行政書士が業務を行ったときに受ける報酬額については、行政書士各々が自由に定め、事務所の見やすい場所に掲示することとなっております。」というような内容の記載になっています。そのため、行政書士は自分が行った仕事内容に対する報酬額を、自由に決めることができます。
しかし、行政書士の仕事内容に対する報酬額を、それぞれが自由に決められるとはいうものの、じつは「報酬額の相場」はある程度決まっています。また、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、顧客が「法人」か「個人」かによっても大きく変わってきます。さらに、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、一定の金額が決まっているものの、仕事の業務量によって金額が追加されることもあります。
行政書士の仕事内容と報酬単価の相場
行政書士の仕事内容と報酬単価のおもな相場は、「建設業許可申請業務100,000〜200,000円」「飲食店営業許可申請業務50,000〜100,000円」「風俗営業許可申請業務100,000〜300,000円」「宅地建物取引業者免許申請業務50,000〜200,000円」「農地法許可申請業務50,000円」「タクシー経営許可申請業務300,000〜400,000円」「旅行業登録申請業務15
0,000円」「産業廃棄物業許可申請業務100,000〜500,000円」「会社の合弁・分割業務200,000円」「会社設立業務100,000円」「就業規則業務100,000円」「介護保険施設開設許可申請業務500,000円」「医療法人設立許可申請業務500,000円」「医薬品製造販売許可申請業務500,000円」「国籍取得届・永住許可申請業務100,000円」「在留資格取得許可申請業務20,000円」「帰化許可申請業務200,000〜300,000円」「遺言書の起案及び作成指導50,000円」「遺産分割協議書の作成50,000円」「内容証明郵便作成10,000〜20,000円」「契約書作成30,000円」「財団法人設立許可申請業務500,000円」「NPO法人設立認証申請業務200,000円」「学校法人設立認可申請業務400,000円」「宗教法人設立申請業務700,000円」となっています。
また、行政書士の仕事内容における、業務量に比例する報酬単価のおもな相場は、「高度な考案を必要とする書類作成(1枚)3,500〜4,000円」「考案を必要とする書類(1枚)1,500〜1,700円」「考案が不要な書類(1枚)800〜1,000円」「提出手続代行(1時間)3,000〜4,000円」「相談料(1時間)3,000〜5,000円」「実地調査(1日)40,000〜70,000円」「実地調査(半日)15,000〜50,000円」「日当(1日)25,000〜40,000円」「日当(半日)10,000〜30,000円」になります。
このように、行政書士の仕事内容に対する報酬単価の相場は、かなり高い金額になっています。また、個人よりも法人の顧客の方が、行政書士の仕事内容に対する報酬額は高い相場となっています。そのため、法人顧客を多く持っている行政書士ほど、年収が高くなると言って良いでしょう。このようなことから、行政書士は開業した直後から顧客が安定するまでは、生計が大変なイメージがあるものの、顧客さえ獲得することができればそれなりの収入を得ることができる職業です。
行政書士の仕事内容と報酬は見合っているのか?
行政書士の仕事内容に対する報酬は、以前は規制がかかっていたものの、現在では各々が自由に決めることができるようになりました。また、行政書士の仕事内容に対する報酬の相場自体も比較的高い金額であることから、きちんと業務に見合った金額設定をすることができれば、同等かそれ以上の報酬を得ることができると言えるでしょう。そのため、報酬額をどのように決定するかによって、収入が大きく変わってくることとなります。
また、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、「専門分野に特化する」ことにより、より高い金額を得ることが可能です。現在行政書士は、受験資格がないことから、非常に人気のある国家資格であるため、毎年行政書士として開業する人が後をたちません。そのため、同じような行政書士であれば、誰でも行うことができるような業務だけでは、仕事を得ることが難しくなってきているのが現状です。
このようなことから、より多くの顧客を獲得し、かつ高い報酬額を得たいと思うのであれば、「他の行政書士との差別化をはかる必要」があります。他の行政書士との差別化をはかるには、自分の強みとなる専門分野を何か持っておくことが大切です。たとえば、「行政書士の業務であれば、一通り何でも請けます」という行政書士と、「遺言書作成から相続までを専門特化しています」といった行政書士とでは、やはり自分が依頼したい業務内容に特化している専門行政書士の方に、仕事を依頼したいと思う人が多いはずです。
そのため、何か1つの専門分野に特化した行政書士になることにより、その分野における顧客の獲得率はかなり高くなると言って良いでしょう。また、より高い専門知識を持つ専門行政書士になることにより、サービスや仕事内容の質が向上するため、高い報酬額であっても顧客に信頼され、結果的に会社を長く継続することができるようになるのです。
行政書士の仕事内容と報酬単価を決めるときの注意
行政書士の仕事内容に対する報酬単価は、一般的に見てかなり高い金額です。しかし、報酬単価が高いとはいえ、行政書士の仕事内容はつねにあるものであるかといえば、そうではない案件であるものの方が多いのが特徴です。そのため、行政書士は仕事内容に対する報酬額の設定も重要ではありますが、それ以上に「どのように毎月の仕事を組み立てる」かが肝心であると言えるでしょう。
なぜなら、行政書士の仕事内容において高額報酬である「財団法人設立許可申請業務」「NPO法人設立認証申請業務」「学校法人設立認可申請業務」「宗教法人設立申請業務」などは、1件入れば1ヶ月分の収入をまかなうことはできますが、これらの案件が毎月継続してあることは、ほとんどないと言って良いでしょう。そのため、これらの高額報酬の案件にだけ頼り切ってしまうと、先々の見通しが難しくなってしまいます。
しかし、行政書士の仕事内容の中で、比較的安価な書類作成業務であれば、高額報酬の案件よりもはるかに件数が多くあることから、1日1件の仕事を得る可能性は十分にあります。行政書士の仕事内容においては安価な報酬額だとしても、1日1件を見込むことができれば、それだけで月に60万円ほどの収入を得ることができます。このように、行政書士として生計を立てていくには、高額報酬の案件〜少額報酬の案件を月々バランス良く組み込むことが、もっとも重要になります。
また、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、それぞれ自由に決めることができますが、設定金額が高すぎると顧客の開拓や安定がしにくくなります。しかし、反対に、行政書士の仕事内容に対する報酬額が安価すぎると、より多くの案件をこなさなくてはいけなくなることから、自分のキャパシティ以上に仕事を抱え込んでしまい、結果としてサービスや質が低下し、顧客も離れていくというような悪循環にもなりかねません。
このように、行政書士は仕事内容に対する報酬額を自由に設定することができるのは利点ではありますが、自分に見合った仕事量と報酬額に設定する必要があります。そのため、行政書士として開業したあとは、自分がこなせる仕事量を把握しながら、顧客に対して提供できるサービスの質を客観的に見たところで、自分に見合った報酬額を決定するようにしましょう。
また、行政書士の仕事内容に対する報酬額を決定する際には、日本行政書士連合会の「報酬額統計調査のデータ平均」を参考にすることも、忘れずに行うようにしてください。行政書士の仕事内容に対する報酬額は、それぞれ自由に決定できるとはいえ、相場の報酬額からかけ離れた金額である場合には、顧客自体を獲得することができません。このようなことにならないためにも、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、すべてを総合的に見て、自分に適切な金額設定をすることをおすすめします。
まとめ
行政書士の仕事内容に対する報酬額は、現在はそれぞれが自由に決めることが可能性です。しかし、行政書士の仕事内容に対する報酬額は、日本行政書士連合会による統計調査の結果から、相場の報酬額がある程度定められています。そのため、行政書士の仕事内容に対する報酬額を決める際には、必ず日本行政書士連合会のホームページ上にて、「報酬額統計調査のデータ平均」を確認するようにしましょう。
行政書士の仕事内容に対する報酬額は、基本的にかなり高い報酬額となっているため、顧客さえ獲得することができれば、平均以上の年収を得ることは可能です。しかし、月々の収入を安定させるためには、依頼数の少ない高額な案件ばかりに偏るのではなく、少額でも依頼件数の多い案件などもバランス良く組み込むことが重要です。