FP技能士とは、日本の国家資格のひとつで、大変人気が高くなっていきました。
テレビのCMなどでも出てくる、ファイナンシャルプランナーの資格のひとつです。
人気は高まっていますが非常に複雑な組織体系を持っており、分かりにくい面を持っているのもよく知られてきました。
その中で民間資格であるAFPやCFPとの違いも理解しておかなければいけないでしょ。
FP技能士とは
FP技能士とは、ファイナンシャルプランニング技能士というのが正式名称です。
国家資格のひとつであり、知名度が高まり認知されやすくなってきました。
保険業界で働いている人がよく知られていますが、お金に関する知識を問われる資格試験であり、金融業界をはじめ不動産業などでも活躍できる資格です。
FP技能士を理解するためには、組織的構造を知っておく必要があります。
非常に複雑な状況となっているのは、FP技能士の元になる資格をきんざいが行なっていたところが事の発端です。
現在のAFP資格はもとよりありましたが、金融渉外技能審査と呼ばれる資格がきんざいでスタートしました。
これがFPに関する初の公的資格となったのです。
ところが後にCFPがスタートします。
これを発足したのが日本FP協会でした。
現在とは違い任意団体でしたが、民間資格としてCFPの試験を実施して行ったのです。
金融渉外技能審査が技能審査ではなくなり、技能検定となったところで仕組みが徐々に変化し、技能検定としてファイナンシャルプランニング技能士が設定されるようになりました。
これがFP技能士のスタートですが、AFPとCFPも存在したまま、日本FP協会も技能検定試験の指定試験機関の指定を受けることになるのです。
この時点でFP技能士の試験を実施できるところが二つになってしまいました。
この二つの団体は当然違う組織ですので、同じ試験を扱っていません。
FP技能士が非常に複雑な試験形式を持っているのは、このような遠隔があるためです。
FP技能士の試験には学科と実技がありますが、きんざいと日本FP協会では実技試験が異なります。
さらにFP1級になると、学科試験を行っているのはきんざいのみで、日本FP協会は実技だけの試験となるのです。
それなのにも関わらずFP1級として登録する要件は、実技に合格することにあります。
さらに実技試験を受けるためには、きんざいで学科試験に合格するか、日本FP協会でAFPの登録からCFPに合格したことで学科試験が免除されるのです。
FP技能士とは、非常にわかりにくい仕組みが特徴となりました。
AFPやCFPとFP技能士の違いとは
FP技能士と比較されることがあるAFPやCFPは、民間資格なところが大きな違いです。
国家資格であるFP技能士と近い関係にあるAFPやCFPは、実施団体が異なります。
AFPやcfapを行っているのは日本FP協会のみであり、AFPは日本FP協会のみの資格になっています。
CFPはアメリカにあるCFPボードと提携している日本FP協会が実施している資格であり、国際資格としても知られるようになりました。
AFPの立ち位置は、国家資格であるFP技能士2級とほぼ変わりません。
順番はどちらが先でも構いませんが、AFPの認定研修を受けており、FP2級にも合格していればAFPとして登録することができます。
その際には日本FP協会に入会しなければいけません。
つまり、事実上AFPはFP2級とほぼ同一であり、FP2級の試験自体もAFP資格審査試験として活用されているのです。
AFP認定研修は、FP2級の受験資格となっているところも複雑な部分と言えます。
AFPは日本FP協会の資格ではありますが、きんざいでFP2級を受けたとしても、この流れで受験資格を得ていれば、事実上AFPの資格審査試験として効力を発揮するからです。
CFPの場合には、CFP資格審査試験に合格しなければいけません。
その上でCFPエントリー研修もう終了しておく必要がありますが、登録更新には実務経験が必要となります。
FP1級はCFPの試験とはなっていませんが、受験資格として機能しているため、ほぼ同一レベルと考えられるのです。
その代わりFP1級は国家資格として一度取得すれば更新要件がありません。
非常に複雑に絡み合っている状態ではあります、FP技能士とは兄弟のような関係にあります。
FP2級とAFP、FP1級とCFPは登録の要件が違うものの似たような存在といっていいでしょう。
ただし、登録できるのは実施している日本FP協会のみであり、FP技能士のようにきんざいで試験を受験したりする形はとれません。
日本FP協会に登録することが条件の一つとなっていますが、きんざいにもファイナンシャルプランニング技能士センターというものがあり、登録できるようになっています。
こちらの登録は完全な任意となるため、FP技能士としての必須条件ではありません。
FP技能士とは食べられる資格?
ここまで複雑な組織体系を持つFP技能士とは、取得した時点で活用の幅が大きい資格ではありません。
FP技能士は、名称独占はあるものの、独占業務が存在していない国家資格です。
FP技能士を取得していないものは、FP技能士と名乗ることはできません。
しかし、FP技能士でなければできない仕事もないのです。
これが大きな特徴となってくるでしょう。
FP技能士と名乗ることはできませんが、ファイナンシャルプランナーと名乗ることは可能です。
さらに、誰でもFPに関する仕事しても問題がありません。
何か法律で仕事の内容を決めているわけではないからです。
つまり、FPの資格を取得しFP技能士になったとしても、絶対的なアドバンテージが存在するわけではないのです。
ここからもわかる通り、FP技能士を取得したからといって、そのまま食べられる資格となるわけではありません。
FP技能士のメリットは、高い能力を持つことにあります。
例えば生命保険に関する相談業務を請け負っている場合、相手は一般のお客様が中心となるでしょう。
一般のお客様が、ファイナンシャルプランナー相手に相談をしようとした場合、どのポイントで信用するかどうかを考えてみる必要があります。
国家資格であるFP技能士を取得している人が相談に乗ってくれるとすれば、何の資格がない人と比べて信用性が高まるのは間違いありません。
FP技能士の知名度が高まる中、この傾向はさらに高まっています。
テレビのCMなどでも、アドバイスを送るファイナンシャルプランナーの姿が映し出され、存在が明確になってきました。
有資格者との差別化も進められており、この企業でも取得を進めるようになっています。
つまり、FP技能士という資格は、資格だけで食べられるものではありません。
いかに資格の存在をアピールし、業務の中でも活用できるかが鍵を握ります。
高まってきた知名度を生かしつつ、自分たちが持っている能力の証明としてFP資格が活用できるようになれば、十分に食べていける資格となるのです。
そのための道も作っていかなければ、FP資格を活かすことができないでしょう。
FP技能士とは難易度が高いの?
FP技能士の資格としての難易度は、段階によって変わります。
級によって大きな差がつくのか、FP技能士の難易度の特徴です。
FP3級が入門に指定されていますが、非常に難易度が抑えてあります。
合格率を見ると70%代前後になるほど、高い数値なのが目立ちます。
非常に優しく作られているように見えますが、お金に関する専門用語などが並ぶため、全くの初学者では対応ができない部分も出てくるのです。
難易度が低くなっている理由の一つとしては、2択問題があるところも大きいでしょう。
単純にマルバツ問題になっているため、知識が浅い状態でも合格できてしまう可能性が高いのです。
このように非常に難易度が低いこともあって、社会的にもあまり活用されないレベルと考えなければいけません。
履歴書などに書く場合にも注意が必要です。
FP2級になると、扱いはかなり変わってきます。
合格率50%台の資格試験ではありますが、受験資格が設定されており、全くの初学者では受験ができないようになっているのです。
FPに関する勉強をしてきた人であれば、半数程度の人は合格できると考えなければいけません。
出題形式もFP3級とは代わり、知識がなければ答えられないような形式に変わってきます。
かなりの時間をかけて勉強してきて、初めて合格のラインが見えるようになるのです。
FP1級の難易度は、FP技能士として最上位に位置するだけの難しさを誇っています。
勉強時間も500時間から800時間かかると言われており、国家資格として他の難関資格に近い難易度を持っているほどです。
合格率10%程度ですので、簡単に合格もできません。
FP技能士とは何かと言われれば、このFP1級の持つ難しさが、真の姿と言ってもいいでしょう。
他の資格試験でもよくありますが、2級以上は難易度が全く別世界になるパターンがあります。
FP技能士も同様で、2級までは多くの人が取得できますが、1級は簡単にはいきません。
別格の資格として考えてもいいほど、高い難易度を誇るため、将来的に活用を考えているのであれば、ここまで取得できるようにスケジュールを作り上げていく必要があるのです。
まとめ
FP技能士とは、取得した後にどのように活用するのかによって、大きく羽ばたいていく資格であるといっていいでしょう。
取得までの過程においてどのような勉強をしてきたのか、現在の生活背景も含めて活かして行かなければいけません。
取得を目指すにあたっても、業務で活用するなら最低でも2級、できればFP1級やCFPを目指すというのが当たり前となってきました。
そこまでのスケジュールを含めて検討していくといいでしょう。