就活をはじめたとき、最初にぶつかる壁が「志望動機」です。例えば履歴書、例えば面接など、就活をするときには「志望動機」という言葉が常について回ります。しかし、これまで「志望動機」について一切考えてこなかった人は、どうしても考え方がわからないのではないでしょうか。
そこでここでは、志望動機を考える際、絶対に意識すべきポイントをまとめていきましょう。
目次
志望動機を考えるのは就活の第一歩です
そもそも、なぜ志望動機を考えなければならないのればならないのでしょうか。その答えは、志望動機が就活生の「熱意」を測るのに有用だからです。
というのも、企業は出来る限り良い人材を取ろうとしています。ここで注意したいのが、「良い人材」とは、単純にスキルの高い人間というわけではないということです。企業の考える良い人材とは、「企業の理念を理解した上で働き」、「周囲を巻き込んでやる気を出し」、「出来る限り長く会社で働いてくれる人材」のことです。
そして、こうした人材を発掘するために注視するのが「熱意」です。例えばいくら高いスキルを持っていたとしても、すぐに辞められてしまったり、内定を辞退してしまうような人材は、企業としてはコストをかけて内定を出そうとは思えない人材なのです。
つまり、熱意というのは採用を目指す上で大変重要なステータスといえます。そして、それを証明してくれるのが、「志望動機」です。それほど大事だからこそ、志望動機は履歴書、1次面接、2字面接、最終面接のいずれにおいても聞かれます。
言うなれば、志望動機なくして就活はできません。志望動機を考えることは、本格的な就活をスタートさせるためのスタートライン、第一歩といえるでしょう。
志望動機を考える際に自分の中で確認しておくべきポイント【就活前に確認】
志望動機は何と聞かれたとき、最初に出てくるのは大抵の場合「お金」か「休暇の多さ」、「働きやすさ」といったものかもしれません。もちろん、そうしたものも志望動機としては立派な理由です。しかし、強い熱意のこもった志望動機を考えるためには、もう一歩踏み込んで考えなければなりません。
意識すべきポイントは3つです。ひとつめのポイントは、「なぜこの会社でないといけないのか」ということです。いわば、「何を優先して企業を選ぶのか」ということを、正確に伝えなければなりません。これを理論立てて説明することで、自分の志望動機に強い説得力を持たせられます。
ふたつめのポイントは、企業について知ることです。企業が何をしているのか、どんな理念で成り立っているのかはもちろん、企業が身を置く業界のことも調べれば、それだけ自分がその業界に興味を持っていることを証明できます。
みっつめのポイントは、自分がどう活躍できるのかを説明することです。企業に対して、「自分はこれだけ役に立つ人間である」ということをPRしましょう。こうすることで、企業が就活生を採用したいという気持ちはより強くなります。
以下で、それぞれのポイントについて詳しくまとめていきましょう。
何を優先して企業を選んでいるのか
自分は何を優先して企業を選んでいるのかという点は、志望動機を書く上で最も太い軸になります。というのも、それは「なぜ当社に選びましたか」という難しい質問の回答になるからです。
給料が高い企業、人を大切にする企業、海外に拠点を持っている企業、自分のやりたいことに近い事業をしている企業など、自分が「どんな企業」に魅力を感じるのか、言語化してみましょう。
例えば、自分のレベルにあってそうな企業を選びたいと思っているのなら、まずは企業のことを調べ、その企業の魅力に思う点をまとめましょう。それが、今後就活をする上での軸になります。
志望した企業がどんな企業なのか
自分が入社したいと思えるような企業を見つけたのなら、次はその企業を調べましょう。就活では、自分の興味を持った企業について調べるのが重要です。なぜなら、企業のことを知ることがが熱意を伝える手段になるからです。
もし調べた結果、その企業に対する興味を失ってしまっても、企業を効率よく調べる方法の土台になります。調べること自体に意味があるといえるでしょう。よって、企業を調べることは習慣づけてください。
そして、「自分が入社したい」と思えるような企業を研究することで、自分がどんな企業に魅力を感じるのかを明確にできます。
志望した企業に入社した際、自分がどう活躍できるか
説得力のある志望動機を作成するには、その中に自分がどれくらい企業にとって魅力的な人材なのかをアピールする必要があります。そのために必要なのが、自己分析です。自分はどんな強みを持っているのか、どんなことに魅力を感じるのかということを把握しましょう。特に、自分が企業に魅力を感じるポイントと符合するアピールポイントを見つけましょう。
そして、自分の強みの裏付けとなるエピソードを用意しましょう。「地域に根差して真面目にブランドを育ててきた企業」に、「真面目で努力家」という強みをアピールしたいのなら、「無遅刻無欠席だった」「皆勤賞をもらった」といったエピソードを用意してみるといいと思います。
このように、志望動機を作成する際には自分の強みと、それを裏付けられるエピソードを用意しておくと、より説得力があり、魅力的な志望動機を作れるはずです。
志望動機の軸は「マッチング度」! 就活の軸にもなります
志望動機が、熱意を示す指標になるというのは前述した通りです。では、熱意は企業にとってどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
その答えは「マッチング度をあげること」です。マッチング度とは、企業と個人の間に、どの程度意見や思想の相違がないのか、ということです。例えば、企業側は本気で採用しようと思っていたのに、就活生側はただの「滑り止め」として面接を受けていた場合は、マッチング度が非常に低い状態です。
また、企業側の理念を全く知らずに応募してきた就活生も、マッチングが低い状態といえます。この状態で働いたとしても、何らかの問題を引き起こすことは目に見えています。お互いにお互いのことを理解した上で働かなけば、良い労使関係になることはできません。
そのため、企業は「志望動機」に「熱意があるかどうか」を見るようです。そして、志望動機におりこまれた企業への理解度をみて、その就活生が本当に自社を希望しているのかどうかを判断します。
よって、志望動機は「マッチング度」が軸になります。つまり、理想の志望動機とは、採用担当の人が「この人材は自社にぴったりだ」と思える志望動機です。また、マッチング度を高く保つということは、自己PRをする際、面接で質問の受け答えをする際なども、大切な軸になります。
志望動機を作るときは、その志望動機を読んだ人、聞いた人が「自社とマッチしている」と感じられるものを目指すようにしましょう。
わかりやすく印象に残りやすい志望動機の作り方! 就活では何度も使うことになります
志望動機を書く際、意識しておくべきポイントは前述した通りです。すなわち、「自分が企業に何を求めるのか」「企業がどんな人を求めているのか」「入社したときにどんなことができるのか」という3つの点を意識した上で、志望動機の作成をはじめましょう。
まずは、自分にとってベースとなる、「なぜこの企業を志望しようと思ったのか」という理由を作ります。この理由は、「その企業にしかない理由」がおすすめです。というのも、「時間給がいいから」「近いから」「楽そうだったから」といった理由ですと、「自社よりもいい場所があるのではないか」と思われてしまうからです。
よって、その企業にしかない利点、その企業だからこそアピールできるポイントを見つけましょう。例えば、企業の打ち出した「〇〇」という事業に惹かれている、社長が掲げている「〇〇を大切にする」という理念に惹かれているなど、自分にとって魅力的で、その企業ならではの魅力を見つけてください。
これを見つけたら、まず最初にそのことについて述べます。「志望理由は、〇〇に惹かれたからです」と簡潔に述べられるようにしましょう。そして次に、それを裏付ける自分の要素を付け加えてもいいでしょう。過去のエピソードも添えると、より効果的です。
例えば、企業の「人を大切にする」という理念に共感したのなら、「自分も、人を大切にすることに大きな価値を見出しているからです」と理由をつけ、それを裏付ける自分の強みとエピソードを添えましょう。
そして最後に、企業で自分ができることを述べましょう。企業をどんな風に支えられるのか、自分の力がどこで役立つのか、といった視点で締めましょう。例えば、「リーダーシップの発揮」「チームの和を繋ぐ」といったもので構いません。
まとめると、理想的な志望動機は以下の流れになります。
「私が貴社を志望したのは、〇〇を魅力的に感じたからです。(企業と自分のマッチング点)。なぜなら、私も〇〇だからです。私は××(マッチング点の裏付け)ができます。過去にも△△(エピソード)といったことがありました。そのため、私貴社で××(自分にできること)ができます。」
文章はもちろん、必要に応じて改善してください。ただ、基本的にはこの流れを守れば、説得力があり、印象深い志望動機が作れるはずです。
まとめ
就活の際、志望動機を考えることは非常に大切です。むしろ、志望動機を考えることは就活においての第一歩といっても過言ではありません。なぜなら、志望動機を伝えることは企業に自分の熱意を感じさせられるだけではなく、企業と自分がどの程度マッチングしているのかを知らせることもできるからです。
志望動機を考えるのは難しいことですが、実際に考えてみると、自分にできること、やりたいことの再確認にもなります。闇雲に就活をはじめるよりも、まずはじっくり自分を見つめなおし、納得できる志望動機を作ってみましょう。