第二新卒にとって転職活動の悩みのポイントの一つに、志望動機があります。「例文がないと正直何も書けない……」「志望動機とはいっても、正直なところ今の会社が嫌で辞めたいだけだしなぁ……」「給料が良いからなんて言えないしどうしよう」と困っている人は多いのではないでしょうか。
志望動機はその人の印象を形成する大事なものです。志望動機が適当だとやはり不採用にはつながりやすくなりますし、志望動機に深みがあり具体的だと、内定には直結しやすくなります。履歴書お志望動機を見て、採用担当者に「この人と会ってみたい」と感じてもらえれば最高ですよね。
そこで今回は、第二新卒の転職活動で押さえておきたい、志望動機の書き方のポイントについて解説していきたいと思います。例文つきでお伝えしていくので、志望動機の書き方に困って何も浮かばない……というときは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
第二新卒にとって履歴書の志望動機は悩みの種に
第二新卒にとって、履歴書の志望動機は大きな悩みの種になります。正直なことを言ってしまえば、「志望動機なんて特にない」「妥協していったらこの求人にたどりついただけ」といった志望理由の人も多いのではないでしょうか。エントリーするのが憧れの大企業でもない限り、説得力のある志望動機はなかなか書けませんし思い浮かばないものです。
転職成功・失敗に大きく影響する志望動機
ただ、それでも履歴書の志望動機は、内定をもらえるかどうかに大きく関わってきます。もちろん志望動機以外にも大事なポイントはたくさんありますが、企業からしてみれば、やはり志望動機に魅力を感じた人を採用したい心理はあるものですしそれは当然のことです。
どうしてもここで働きたい、頑張りたい、会社に魅力を感じているという熱意が伝わってくる志望動機にと、妥協している感じがありありと伝わってくる雑な志望動機。印象が良いのは明らかに前者でしょう。ここ「が」いいと思ってくれる人とここ「で」いいと思っている人の志望動機はやはり違うもので、企業もそこに好印象を抱いて採用を判断するものです。
そのため履歴書の志望動機・志望理由は、転職においてとても重要なものになります。転職活動をするなかで何度も履歴書を書き、徐々に志望動機が適当になっていってしまう人はいますが、そういった姿勢は必ず企業にも伝わるため注意が必要です。
採用担当者の多くは志望動機をよくチェックしている
採用担当者の多くは、やはり志望動機の欄をよくチェックしています。また、履歴書だけでなく面接の際に聞かれる志望動機も、重視されるポイントの一つです。
自己PRとあわせて、採用担当者は志望動機でその人の人柄を判断しているからです。採用試験、書類選考の際に、その人がどんな人なのか判断する要素は、非常に少ないです。正直、どんな人柄の人なのかは、相手と長く会話をしてみないとまったくわかりませんよね。だからこそ採用担当者は、志望動機や自己PRで魅力を感じられるかどうかで判断するしかないのです。
そして採用担当者も、実際のところは「うちが第一志望ではないのかも」ということは可能性の一つとして推測していたりします。いろいろな人を見てきているからこそ、そう考えるのは当然でしょう。そしてなんとなく察しているからこそ、魅力的な志望動機や自己PRを書けるかどうかを重視しているのだとも言えるはずです。いかに自分自身を上手にプレゼンできるか、その能力をチェックしているのです。
しかも相手が新卒ではなく、第二新卒をはじめとした転職者ならなおさらでしょう。社会人経験を活かして、志望動機がしっかり書けているかどうかは重要なポイントになります。
第二新卒の志望動機はこう書く!職歴・学歴に関わる例文
では実際に、第二新卒の志望動機の書き方のポイントを見ていきましょう。まずは、自分の職歴や学歴をからめて書くときのポイントです。現職と同じ業界で転職をするのであれば、以下の点を意識して志望動機を書いていきましょう。
学歴や職歴に関わる志望動機は書きやすく説得力もある
学歴や職歴に関わる志望動機は、非常に書きやすいのがメリットです。さらに説得力もあるため、志望動機としてうまく成り立たせることができます。体験したこと、学んだことなどを絡めながら書いていくと、とてもわかりやすいです。
転職理由と関連付けて志望動機を書くとなお良し
第二新卒の転職では、転職理由や、すでに退職している場合は前職を退職した理由とからめて志望動機を書くと良いでしょう。採用担当者にとって、やはりなぜ転職を選ぶことになったのか、なぜ退職せざるを得なかったのかは気になるポイントです。
そのうえで、数ある企業の中でその企業でなければならない理由と組み合わせていうのが望ましいでしょう。何にでも当てはまるような志望動機を書くと、「それならうちじゃなくてもいいよね」と突っ込まれてしまいます。
学歴や職歴・スキルに関連した志望動機の例文
では実際に、第二新卒の転職の際に活かせる志望動機の例文を書き方のポイントとともに見ていきましょう。
①現職・前職で経験してきたことを具体的に書く
【例文】現職ではWEBコーダーとして、社内のWEBデザイナーが設計したデザインのコーディング部分を主に担当しております。
②なぜ転職に至ったのかを具体的に書く
【例文】社内のシステムとして、チームメンバー同士の意思疎通が図りづらい部分があり、それにより個人の価値が見えず、スキルアップが難しいと感じておりました。
③そのうえでなぜその会社でなければいけないのかを明確に書く
【例文】貴社ではメンバー同士の意思疎通を図りながら、作業よりもコミュニケーションを重視して業務にあたっていくと知り、大変興味を持ちました。
④自分はどんな貢献ができるのか具体的に書いて締める
【例文】現職での知識を活かしながら、チームメンバー同士のコミュニケーションを通じてスキルを高め、貴社やクライアントに貢献したいと考えております。
第二新卒で全く違う業界を目指すときは?志望動機の例文
では、第二新卒で前職(現職)とはまったく別の業界を志望するときはどうすれば良いのでしょうか。志望動機の書き方も少し違ってくるため、重視すべきポイントには気をつけてください。
全く違う業界を目指すときは興味を持った「きっかけ」が大事
重要になってくるのは、まったく毛色の違う業界を目指すのに至った「きっかけ」です。きっかけと自分自身のビジョンやこれまでの経験・学歴などと関連が見られると、なお良しです。
なぜ前職の業界はダメで、転職して別の業界に行きたいのか
また、「でも人を楽しませたいなら、今の業界でもいいよね?なぜこの業界?」と言われてしまっては意味がありません。なぜ今の業界ではだめで、転職してキャリアチェンジする必要があったのかを、具体的に述べる必要があります。
第二新卒で全く違う業界を目指すときの志望動機の例文
では実際に、第二新卒で全く違う業界を目指すときの志望動機の例文を書き方のポイントとともに見ていきましょう。
①志望する業界を目指すのに至ったきっかけから始める
【例文】祖父の介護をきっかけに、介護福祉に関して意識を高めること、正しい知識を持つことが、現代において求められていることを強く感じました。そこで仕事を通じて知識を高めていければと思い、介護業界を志望致しました。
②そのうえでなぜその会社でなければいけないのかを明確に書く
【例文】高齢社会の現代で、介護に関する知識は誰もが身につけるべきものと感じており、貴社の介護を身近にするというスローガンに大変共感いたしました。
③自分はどんな貢献ができるのか具体的に書いて締める
【例文】現職ではアパレル販売を担当しており、長時間立ちながらの接客のため、体力には自信があります。また、接客を通じて培ったコミュニケーション力は、介護の現場でも活かせると考えております。
第二新卒の転職で志望動機に書きがちなNG例文
では最後に、第二新卒の転職で志望動機に書きがちなNG例文を見ていきましょう。
志望動機に具体性がない
よくあるのは、志望動機に具体性や明確なポイントがないところです。
・共感しました
・感銘を受けました
・精一杯頑張ります
といったあいまいな言葉では、熱意は伝わりません。どんなところに共感したのか、なぜ感銘を受けたのか、何を精一杯頑張るのかなど、より詳しく書くことで熱意は伝わりやすくなります。
学ばせてほしい的な受け身姿勢が出てしまっている
第二新卒の転職の場合、意外とやってしまいがちなポイントとして、「学ばせてほしい」などの受け身姿勢が出てしまうことがあります。
・学ばせていただきたいです
・成長させていただける貴社に魅力を感じました
・指示されたことは精一杯努力いたします
といったように受け身なところが出てしまうと、主体性の無さ・積極性の無さから、魅力を感じてもらえなくなってしまいます。受け身でいること、学ぶ姿勢を持つことは、謙虚になることとはまったく別の話になります。
ネガティブな転職理由が伝わってしまう
転職理由を伝える際に、ネガティブなことを言うのは基本的に避けましょう。
・現職は私に向いていないと考えました
・前職の現場には正当な評価をくれる上司がいませんでした
・仕事にやりがいを見いだせませんでした
といったように、前職を安易に否定するようなことを志望動機に書いたり、仕事が向いていなかったことをアピールしたりするのはやめましょう。わがままな人、すぐ辞める人ととらえられてしまうことが多いです。
まとめ
第二新卒の転職では、志望動機をしっかり工夫して書くことが大事です。採用担当者は、どんな志望動機で志望してきているのか、細かくチェックしているものです。また、志望動機はその人の人となりを測る大事な要素になります。
志望動機で採用担当者に魅力を感じてもらえれば、内定獲得につながる可能性は高まります。ぜひ企業研究と自己分析を忘れずにしながら、具体的で深みのある志望動機を書いていきましょう。