既卒の人にとって、就活は一つの厳しい試練です。なかなか就職が決まらず、ニートやフリーターの状態を抜け出せず困ってしまっている人はたくさんいます。
新卒で就職するのと違い、既卒には不利に感じられるポイントは多いもの。そんな厳しい状況を打破して就活を成功させるには、正社員を目指すときに必要な点をしっかり把握しておくことが大切です。
そこで今回は、既卒の就活がなぜ厳しいと言われるのか、その理由を解説しながら、就職成功のために必要なことを考えていきたいと思います。
就活は厳しい?「既卒」とは
まずは、就活における「既卒」の意味から考えていきましょう。これから就職を目指すフリーターの人でも、既卒の意味を知らない人も意外と多いのではないでしょうか。自分が既卒に当てはまるのかも考えながら、定義を整理していきましょう。
そもそも就活における「既卒」の定義とは
そもそも就活における「既卒」の定義とは何でしょうか。既卒とは、すでに大学や短大などの大学を卒業している人のことを指します。そのため新卒とは違い、既卒は大学卒業とともに就職していない人のことを言うのです。
ただ、具体的に〇歳までと定義づけられているわけではありませんが、就職において「既卒」とは、おおよそ25歳くらいまでの若者のことを言う場合が多いです。そのため26歳以降でフリーターやニートを続けている人は、一般的に既卒とは言わないため注意が必要です。
既卒が就職を目指すのには厳しい現実がある
既卒は、就活するうえで厳しい現実と向き合わなければいけません。なぜ既卒の就活が厳しいのか、詳細は後述していきますが、新卒と比べてストレートに就職していない時点で、何かと不利になりやすいのは言うまでもないでしょう。
もちろんしっかり対策したうえで就活に臨めば、就職することは可能です。ですが、既卒ならではの対策をあらかじめ考えて、不利な状況を活かしていく努力はある程度必要になってくるでしょう。
既卒の就活が厳しいと言われる理由
では、既卒の就活はなぜ厳しいのでしょうか。厳しいと言われる理由を見ていきましょう。
企業には就職していない時点で問題がある人と思われがち
まず、企業が抱く既卒へのイメージ・印象を考えてみましょう。大部分の人が就職するなか、学校卒業後に就職していないのですから、やはり何か問題がある人なのではないかと考えられることは多いです。
協調性が著しく欠けている人なのかもしれない、行動力や積極性がない人なのかもしれない……そんな印象を抱かれることは、ある程度覚悟しておく必要があります。もちろん偏見的なイメージもありますし、既卒でも責任感あふれる立派な人はたくさんいます。ですが第一印象としてイメージがマイナスになりやすいのは、認識しておくべきでしょう。
既卒は社会人経験が不足している
既卒には、社会人経験が不足しています。既卒は学校卒業後に就職していない人のことを言うため、正社員経験がないのが特徴的です。仕事をしている人もアルバイトや派遣なので、同年代の人と比べると、どうしても責任感や行動力に欠けるところがあるのは事実です。
そんな社会人経験の少なさを、就活の際に問題視されることは多いでしょう。経験を問われるような求人には基本的に応募できないでしょうし、書類選考の時点ではじかれてしまうことは多いはずです。
なんだかんだ就活に本気になれない人が多い
既卒の就活が厳しい状況になりやすいのは、実は本人のモチベーションや働く意欲に原因があることも多いです。既卒の就活は頑張ろうと思ってもなかなかやる気につながらない部分があります。
・皆と一緒に就活するわけではないからこそやる気につながらない
・アルバイトや派遣で稼げているため焦りがない
・楽な立場から抜け出したくないモラトリアム的心理
・同世代と比べてこそ逆にやる気が出ない
例えば以上のような要因が就活のモチベーション低下につながると言います。既卒の就活時期は基本的に自由です。だからこそモチベーションのコントロールが厳しいものになりやすいと言えるのでしょう。
既卒で何も対策せず就活するのは確かに厳しい!
既卒者が就活するうえで、何も対策せず自分の力だけで就活を成功させようとするのはなかなか厳しいことです。既卒の就活には、厳しい状況を何とかするための対策が重要になってきます。
既卒で就活するなら現在の立ち位置を理解し対策が必要
まず、既卒者が就活するうえで大事になってくるのは、自分の現在の立ち位置をよく理解することです。既卒という立場は採用担当者にとってどう見えるのか、冷静に考えてみる必要があります。
・既卒という時点で甘えている若者に見えるかもしれない
・若さは利点でも新卒と比べると不利な部分は多い
・社会人経験のある若者なら第二新卒の方が有利になりやすい
などなど、自分の立場を他と比べて考えてみることも大事です。こんな厳しい状況で就活なんて無理だ……とマイナス思考になる必要はありませんが、現状を冷静に判断する姿勢は持つべきでしょう。そうすれば、過剰に高望みしたり理想を掲げて現実と向き合わなかったりすることも防げるはずです。
対策すれば既卒でも就職できる可能性は十分にある
既卒の就活は確かに厳しいものがあります。しかしそれはあくまで新卒と比べると選択肢は減る可能性があるという意味や自分自身のモチベーションが上がらないかもしれないという意味で、既卒でもしっかりとした企業に就職できるチャンスは十分にあることは忘れないでおきましょう。既卒の就活は厳しいかもしれませんが、だからといって悲観的になる必要は一切ないということです。
実際、既卒で就職浪人を経て大手企業に就職する人もたくさんいます。大手とはいえなくても、しっかりとした企業に就職できている既卒者は多いもの。既卒を歓迎している企業もたくさんありますし、本人の意欲次第で就職できることは間違いありません。
しっかり就活のモチベーションを高く保つこと、既卒ならではの対策を立てることを心がけて、熱意をアピールしていきましょう。
既卒が厳しい就活の状況を打破するために抑えたいポイント
では最後に、既卒が厳しい就活の状況を打破するために抑えたいポイントを整理していきたいと思います。無事就職するためには、以下のようなポイントをぜひ実践していってください。
自分のアピールポイント・強みを理解する
まずは自分のアピールポイントや強みが何なのかを理解するところからです。企業の求人にエントリーするからには、自分なら企業にどんなふうに貢献できるのかをアピールしなくてはなりません。
・学生時代に頑張ってきたこと、勉強したこと
・持っている資格
・趣味や好きなことで培った知識と経験
・アルバイトや派遣で得た知識と経験
・性格の長所
・将来へのビジョン
・普段大事にしているマイルールや信念
などがアピールポイントとして伝えていけるでしょう。もちろんそのアピールポイントが企業理念や事業内容とマッチしているかどうかが重要にはなりますが、既卒は社会人経験がないからこそ、他の部分を強くアピールしていくことが大切になります。
自分には何ができるのか、何が魅力になるのか、どんなふうに貢献できるのか……よく考えたうえで履歴書や面接などでアピールしていきましょう。
既卒向けの就活サイト・エージェントを利用する
既卒にとって重要なのは、自分はどんな求人に応募できるのかを知ることです。基本的に既卒でも3年以内は新卒採用の求人に応募できるようになっていますが、条件次第では中途採用枠でも応募することは可能です。
また、既卒や第二新卒の採用を強化している企業もあります。ただ、そういった求人を効率よく探すのはなかなか大変ですよね。そんなときはまず、既卒向けの就活サイトや就職エージェントを利用するのがおすすめです。
既卒向けのサイト・エージェントなら、既卒者を対象とした求人を確実に見つけることができます。これも就職成功の近道になるため、仕事を探すときはなるべく既卒向けの求人に強いサイトやエージェントに登録するようにしましょう。
一つの業界や大手に固執しない
既卒の就活には厳しい面もあるため、やはり選択肢は狭まりやすい傾向にあります。この業界に行きたかったけど既卒は厳しそう……ということも中にはあるでしょう。
そのため就職を成功させるなら、特定の業界に固執しすぎないことも大事です。いくつか志望する業界は候補を出したうえで、視野を広げていくことが重要になってきます。
また、大手企業にこだわりすぎるのも避けたいところです。もちろん条件次第では既卒でも大手企業に就職することは可能ですが、厳しい状況をさらに厳しくしてしまうことにはなりかねないでしょう。大手企業にしか応募しない、特定の業界しか見ていないなど、視野を狭めてしまわないように気をつけてください。
人手不足のブラック企業に飛びつかないように注意する
既卒の就活で注意しておきたいのは、人手不足のブラック企業に飛びついてしまわないようにすることです。既卒の就職を成功させるためのポイントとして、人手不足の企業や業界を狙うという対策が挙げられますが、これは判断を間違えると自分の首を絞めることにはなりかねないため注意が必要です。
人手不足の企業は、いわゆるブラック企業の可能性もあるため、本当に信頼できる会社なのかはよく確かめた方が良いでしょう。安易に妥協してしまわないように気をつけてください。
まとめ
既卒の就活は、何かと厳しい状況になりやすいため、これから就活を始める既卒者の人は自分の立ち位置をまずはしっかり理解しておきましょう。そのうえでどんなアピールができるのか、自分の強みや魅力は何なのか、自己分析を行うことが大事になってきます。
また、既卒向けの求人を確実に探していくためにも、既卒向けの求人サイトや就職エージェントの利用は非常に重要になります。厳しい状況を少しでも有利にするために、ぜひ自分にできる対策はしっかり実践していってくださいね。