最終面接まで通過したのなら、ほとんどの人はその対策を怠るということはないと思います。しかし、いざ最終面接を乗り越えるために何らかのアクションを起こそうとすると、具体的な理由が出てこない方が多いのではないでしょうか。
そこでここでは、最終面接の対策をする上で重要なポイントと、具体的にどのような意識を持って対策すればいいのか、最終面接についてまとめていきたいと思います。
目次
最終面接はひとつの「選考」! 対策はしっかりとしましょう
「最終面接は普通の面接よりも合格する確率が高い」という声は、最終面接についてよく聞かれることです。確かに、これは事実です。ほとんどの企業は最終面接まで多くの就活生をふるいにかけているので、最終面接まで残る人数は少なくなります。結果、最終面接の合格率は通常よりも高くなるのは、当たり前の話です。
合格する確率は一般的には50%を超えるといわれており、最終面接まで残れば採用される可能性は高いといえるでしょう。しかし、ここで意識しておきたいのは「最終面接に残っても半分は不採用になる」ということです。
つまり、最終面接も大切な選考のひとつなのです。よって、最終面接も全力で対策をする必要があります。むしろ、今までで一番力を入れて対策しましょう。なぜなら、もし最終面接で不採用になってしまうと、これまで1次面接、2次面接で使った時間が無駄になってしまうからです。
例外として、最終面接が意思確認の場所だと定めている場合は、採用率はほぼ100%なので、対策をする必要はありません。ただ、最終面接が意思確認の場である場合は、前の面接でその旨を伝えられるはずです。よって、特別何も言われていない場合は、最終面接に向けて、しっかりとした対策を行いましょう。
最終面接のための対策3つ
最終面接の対策といっても、何をするべきなのかわからないという方も多いと思います。そこでここでは、3つの指針を立て、それぞれの方法について詳しくまとめていきましょう。
ひとつめの対策は、「自分をPRできるポイントの整理」です。ふたつめの対策は、「志望理由の整理」です。そしてみっつめの対策が、「実際に言葉に出すための練習」です。
以下では、それぞれの対策をなんのために行い、どんな対策になるのか、ということをまとめていきましょう。
1.自分をPRするポイントを整理しておく
最終面接に臨むにあたって、自分はどんなところが優れているのか、再確認しておきましょう。一次面接、二次面接においても自己PRの機会は設けられていたとは思いますが、最終面接においては自己PRがより大切になります。
なぜなら、最終面接を担当するのは大抵の場合役員以上で、人事決定権のある人だからです。多くの仕事を見てきた役員以上の人は、就活生の自己PRを、「仕事ができる人材」なのか、という視点で自己PRの内容を見ています。
そのため、自己PRの内容がどのように仕事に関わっているのか、最終面接の前に再確認しましょう。その際、大抵の就活生は何らかのエピソードを元に自己PRの内容を決めると思います。
例えば、営業の仕事に就職するのなら、何らかのアルバイトで接客をしていた、というエピソードを使って自己PRをするでしょう。しかし、「〇〇で接客をしていた」という事実だけでは面接官の方に正しい評価をしてもらうことができません。
大切なのは、エピソードを語る際の具体性です。接客をしていた、というエピソードに紐づけて自己PRをする際には、どこで、誰が、何を、どれくらい、接客していたのか、具体的な固有名詞や数字を盛り込みましょう。
こうすることによって、エピソードにより具体性が増し、自己PRからその人自身のスキルを評価しやすくなります。最終面接では、自己PRをするためにエピソードをあげるだけではなく、具体性を持って相手が評価しやすいよう、あらかじめ話す内容を整理しましょう。これも、最終面接前にできる、重要な対策のひとつです。
2.なぜその会社を志望したのか、理由を整理してお
最終面接における定番の質問に、「なぜ当社を志望しましたか?」あるいは「なぜ、同業他社ではなく当社を志望しましたか?」といった、志望動機を問うものがあります。志望動機自体は、履歴書から一次面接、二次面接に至るまで何度となく話したとは思いますが、最終面接でも同様に聞かれることの多い質問です。
なぜなら、志望理由を聞くことで企業と就活生のミスマッチを防げるからです。また、志望理由は学生がどれくらい企業に入社したいのか、熱意を測る指標にもなります。よって、理由を再度整理しておくのは最終面接に臨む上での大切な対策です。
理由を整理するとき、意識しておきたいのが、「会社にシンパシーを感じたところ」と「なぜそう思ったのか」という2つの点です。
例えば、「貴社の人を大切にするという企業理念を魅力的に思った」ということを志望理由にしたとしましょう。これだけでも立派な志望理由ですが、面接の答えとしては片手落ちです。というのも、これだけでは「会社にシンパシーを覚えたところ」しか述べていないからです。
これだけでは、会社の良いところを述べているだけだと思われてしまいます。「自分の志望理由」になっていないのです。よって、志望理由に、自分の経験に基づくエピソードを加えましょう。
経験に基づくエピソードを加えると、「自分はこういう経験をしたから、貴社のこういうところを魅力に思った」というように、強固な理由づけができます。具体的に、人を大切にする企業理念に共感したのなら、「何度も人に助けられて、人との繋がりは大切だと思った」といった経験に基づた志望理由を組み立てることで、より効果的な志望動機を作れるでしょう。
3.質問への答えをはきはきと言えるように言葉の練習をしておく
最終面接で評価されるのは、質問に対する答えだけではありません。立ち振る舞いやマナー、はっきりとした受け答えなども評価されます。中でも、質問に対して、いかにはきはきと答えられるのかという点は、人と関わる仕事では重視されがちです。
しかし、最終面接ともなると、どうしても緊張して声が出なかったり、どもってしまったりするもの。特に最終面接の経験が薄いと、役員の圧力に縮こまってしまい、言葉のひとつひとつがなかなか出てこないこともあると思います。
そこで、最終面接の前に、質問に対する答えをはっきりと話せるようにしておきましょう。出来れば、誰かに面接官役をやってもらって、面接練習をしておくのが理想です。学生であればゼミの教授や就活担当の教授などに面接練習をお願いしてみましょう。既卒であれば、ハローワークの担当者や就活エージェントの方に面接練習をお願いしてみてください。
そして、当日の朝は鏡の前で笑顔と声を出す練習をしましょう。身だしなみは、自分でも好青年だと感じるほどしっかり整えておいてください。
最終面接の対策は知ること! ポイントを抑えましょう
最終面接とはいっても、基礎基本はそれ以前の面接とそう変わりません。しかし、最終面接ともなると緊張で思わぬミスをしてしまうものです。よって、最終面接の前に、面接の基礎基本となるところを再確認しましょう。
相手を共感させられるように
面接の基本は、「相手を共感させられるように話す」ことです。超然とした態度と強い意志を持って採用を勝ち取る方もいますが、それは大抵、オンリーワンな技術や、プロと比べても見劣りしない技術を持っている場合です。
基本は相手に寄り添い、共感できるように話しましょう。最終面接で相手となるのは、大抵が企業全体を俯瞰できる地位にある方なので、これまでの面接で得た企業の情報を出しながら、その感想を述べるのも効果的でしょう。
最終面接以前の面接と整合性を取りましょう
最終面接以前に答えたことと、最終面接での返答が矛盾しないようにしましょう。面接での回答に矛盾が見られると、その場しのぎでいい加減なことをいう人間だと見られかねません。信頼できない人物に映ってしまうこともあるでしょう。
よって、最終面接の前にはそれ以前の面接で答えた内容を再確認し、答えの中で矛盾が生じないように細心の注意を払ってください。
入社したつもりになった立ち振る舞いを
最終面接で評価される項目には、マナーや服装、言葉遣いといったものが含まれているのは先述した通りです。そして、最終面接において面接官を務める方は普段から社員を応対する機会が多いので、マナーや服装といったものは、社員のそれと比較されます。
よって、自分は就活生ではなく、社会人の1人であることを自覚した立ち振る舞いを意識してください。
対策必須! 最終面接でよくされる「逆質問」にも注意しましょう
最終面接では、基本的な質問以外にも、いわゆる「逆質問」と呼ばれるものが行われます。逆質問とは、企業が就活生に対して質問をするのではなく、逆に就活生が企業に対して、気になることを質問することです。
大抵、最終面接の終盤に「何か質問はありますか?」と聞かれます。このとき、就活生側は出来る限り質問を用意しておくのがベターです。なぜなら、「特にない」と答えてしまうと、企業に興味のない人だという評価を下されてしまう可能性があるからです。
逆質問の際に用意する質問は、自分の熱意をアピールできるようなものを選びましょう。例えば、「採用されたとして、入社までにやっておくことはありますか?」といった質問などです。
ただし、質問の内容はホームページに書いてあることなどは評価が下がってしまいます。「企業理念はなんですか?」といった、調べればわかるような内容は逆質問の時に持ってくるべきではありません。
逆質問の内容は、自分が関わること、あるいは会社を俯瞰的にみられる立場だからこそわかるようなことを選んで質問してください。
まとめ
最終面接は、事前の対策が採用・不採用を決めるといっても過言ではありません。基本は今までの面接と変わりないものの、緊張や雰囲気によるミスが多くなりがちなので、それを含めて対策をしましょう。
また、最終面接の当日前には逆質問の内容も考えておいてください。逆質問を「特にない」で終わらせてしまうのはマイナス評価に繋がってしまう可能性もあるからです。
最終面接さえ通過すれば、ひとまずは企業の一員として安定した立ち位置を手に入れられます。まずはここに全力を注いで対策し、採用を目指して努力しましょう。