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【例文あり】内定辞退の手紙の書き方・送り方

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苦労した就職活動の末に、複数の企業から内定をもらえると嬉しい気持ちになりますよね。一方で、就職を決めた本命企業以外には、内定のお断りの連絡をしなければいけません。

その際に、
「内定辞退の手紙の出し方ってどうやるの?」
「内定辞退の手紙の書き方は何を参考に書けばいいの?」
「自分が書いたお詫びの文章が正しいマナーなのかわからない…」
など迷ったり不安に感じたりしますよね。

そこで今回は、内定辞退の手紙の書き方・送り方について例文付きで徹底的に解説していきます。また、この記事を読むことで、次のようなメリットがあります。

・失礼のないように内定辞退を連絡することができる
・内定辞退でのトラブルを未然に防止できる

内定辞退の手紙を送る際は、速やかに丁寧な手紙の作成を心がけ、企業へ自分の気持ちと決意を誠心誠意伝えてください。それでは、詳しくみていきましょう。

内定辞退を決めたら〜手紙を送ろう!〜

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内定辞退の手紙は「お詫び状」ともいい、企業に対して謝罪の意思を伝える手紙です。まず、この手紙を作成する時に考えなければならないのは、そもそも内定辞退の手紙は必要か?という点です。そして必要だと判断した際には、どんなことから始める必要があるのか、をきちんとおさえる必要があります。

内定辞退|手紙を送る必要がある場合

ほとんどの場合、内定辞退の連絡は電話かメールなどで済ますことが多くなります。しかし、次の3つのケースに当てはまる企業では、内定辞退の手紙を送ることが求められるでしょう。

(1)既に内定を承諾した企業
(2)知人友人から紹介を受けた企業
(3)礼儀を重んじる厳格な雰囲気がある企業

1つずつ詳しく見ていきましょう。

(1)既に内定を承諾した企業
既に内定承諾書を送ってしまった企業に対しては、辞退を申し出るのに手紙を送ることが求められます。あなたが内定承諾を行ったことにより、企業が既に新入社員を受け入れる準備や手続きを進めている可能性があり、そのために時間や手間(コスト)がかかっているためです。すみやかに手紙を送りましょう。

(2)知人友人家族から紹介を受けた企業
知人や友人、家族などから紹介を受けて企業に採用されるケースもあります。縁故や紹介で内定が決まった企業の場合、内定辞退の際に自分以外の人に迷惑がかかる可能性が高いため、手紙を送る必要が出てきます。

紹介を受けた知人友人家族にまず説明し、「内定辞退の手紙を送ろうと思うのですが、いかがでしょうか」と対応を仰いだ上で、必要な場合に手紙を郵送しましょう。

(3)礼儀を重んじる厳格な雰囲気がある企業
礼儀を重んじる厳格な、いわゆる「お堅い」雰囲気のある企業の場合も注意しましょう。フランクなベンチャー企業なら、メールや電話でも構わないかもしれませんが、老舗企業や伝統的な文化・社風がある企業の場合には、失礼のないよう「お詫び状」の手紙を送るのも1つのマナーです。

そういった企業かどうかを判断するのは少し難しいかもしれませんが、企業の口コミサイト等で情報を仕入れて考えたり、就職活動中にお世話になった企業かどうかも視野に入れて、判断してみてください。

内定辞退|手紙を送る時のポイント

先ほどのケースを踏まえ、内定辞退の手紙を送る必要があると判断した際には、手紙をいきなり書き始める前に、次のポイントを知っておき準備を進めるとよいでしょう。

【内定辞退の手紙を送る時のポイント】
・内定辞退が決まったら取り急ぎ電話で企業に連絡し、今後「お詫びの手紙」を送ることを知らせる。
・封筒(白色、3つ折りで中身が入る長形3号、中身の透けない2重封筒)を用意する
・手紙は、「手書き」「縦書き」で、「お詫び」「内定辞退の理由」「宛先や差出人などの情報」などを書く。
・普通郵便で送る場合は84円切手を準備する
・急いで内定辞退をお詫びしなければならない場合などは速達郵便も考える

上記のポイントをしっかり頭に入れたうえで、いよいよ内定辞退の手紙の書き方を解説していきます。正しい文章で丁寧に記入しましょう。

内定辞退の手紙【書き方編】

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では、内定辞退の手紙の書き方を、「記入項目」ごとにそれぞれ解説していきます。お手本となる例文は、次の章で取り扱っていますので、先に読んでイメージを頭に入れて書きたい方はそちらから先に見てみてください。

内定辞退の手紙の書き方|記入項目

まず、内定辞退の手紙の記入項目を簡単におさえておきましょう。手紙は、「手書き」「縦書き」を基本とし、右側から左側へ次のような項目を記入していきます。

(1)頭語・結語
(2)時候の挨拶
(3)本文
(4)記入日付
(5)差出人名
(6)宛先情報

内定辞退の手紙の書き方|記入詳細

内定辞退の手紙には、(1)から(6)の項目を右側から順番に書いていきます。

(1)頭語・結語
まず、頭語を書きます。頭語とは、手紙の一番初めにくる「こんにちは」等の挨拶にあたり、手紙の前文に「拝啓」というように記入します。末文には「さようなら」といった挨拶にあたる結語の「敬具」を書きます。他にも「謹啓」-「敬白」など頭語・結語の組み合わせには種類があります。

(2)時候の挨拶
頭語の次に来るのが、暑い季節や寒い季節などで相手の健康を気遣う意味などを持つ「時候の挨拶」です。「〇〇の候」と記入しますが、〇〇には手紙を送る季節にふさわしい言葉が入ります。以下を参考に記入してみてください。

【時候の挨拶の参考例】
1月:初春の候、2月:余寒の候、3月:早春の候、4月:陽春の候、5月:新緑の候、6月:初夏の候、7月:盛夏の候、8月:残暑の候、9月:初秋の候、10月:秋冷の候、11月:晩秋の候、12月:初頭の候

(3)本文
頭語・結語、時候の挨拶など、形式的な文章を踏まえて、本文では謝罪・お礼の挨拶と内定辞退の連絡・理由を書きます。例えば「先日は、内定のご連絡をありがとうございました」「誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたいと思います」というようなことを書きます。

(4)記入日付
結語で本文を締めくくった後に「20XX年Y月Z日」や「令和〇年□月△日」など、記入した日付を書きます。

(5)差出人名
日付を書いた後、左下に差出人の情報を記入します。内定辞退の手紙の場合は「氏名」のみの記入で大丈夫ですが、新卒者の場合には「大学名・学部名」を追記すると、より相手方にとって親切な対応になるでしょう。

(6)宛先情報
最後に左上に宛先人を書きます。宛先には基本的に3パターンあり、①株式会社〇〇 御中、②株式会社〇〇 人事・総務部 御中、③株式会社〇〇 人事・総務部 採用担当□□様、のいずれかの宛先・敬称で記入しましょう。

以上のような内定辞退の手紙の書き方について理解したら、例文を見て実際に書くステップにうつりましょう。

内定辞退の手紙【例文編】

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次のような例文を参考にして、内定辞退の手紙を作成してみてください。なお、内定辞退に対する自分の気持ちや理由を整理してから作成に臨むとスムーズに筆が進みますよ。

【内定辞退の手紙の主な例】

拝啓
〇〇の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は、格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
この度、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。貴社の皆様には、貴重なお時間をいただき大変よくしていただいたにも関わらず、このような結果となり大変心苦しく思っております。誠に申し訳ございません。
末筆ではございますが、今後も貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具

令和〇年〇月〇日
〇〇大学 △△学部 就職 花子
シュウショク株式会社 総務部人事課 採用担当者 様

内定辞退の手紙【送り方編】

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内定辞退の手紙の記入を行いましたら、内定辞退の手紙を企業へ郵送しましょう。繰り返しになりますが、内定辞退の手紙を送る前に必ず企業へ電話で取り急ぎ連絡をしましょう。内定を辞退する旨とその理由、そして手紙を送ることを伝え、以下のような手順で郵送しましょう。

(1)封筒を用意する
封筒は白色、3つ折りで中身が入る長形3号、中身の透けない2重封筒が基本です。

(2)内定辞退の手紙を3つ折りにして入れる
「手紙は縦書き」ですが「折り目は横線」が入るように3つ折りにして封筒に入れましょう。

(3)封筒の表面の記入をする
封筒の表面に、縦書きで「右上から左下へ」次の項目を記入していきます。

・宛先(内定先の住所)
・宛名敬称

宛先住所は、郵便番号、都道府県、建物名、部屋番号まで省略せずに、正確な住所を記入しましょう。また、宛名を書くときには、正確な「宛名」と「敬称」を用いることが大切なマナーになります。「株式会社〇〇人事部 御中」か「採用担当〇〇様」などと書きましょう。

(4)封筒の裏面の記入をする
封筒の裏面には、「右上から左下へ」縦書きで次の3項目を記入します。

  • 投函日
  • 差出人住所
  • 差出人氏名

投函日は、封筒をポストに入れて送った日を記入します。差出人住所は、宛先住所と同様に、郵便番号、都道府県、建物名、部屋番号を省略せず正確に書きます。最後に、自分の氏名を書きます。

(5)封書・投函
口の部分を糊付けし上から「〆」の字を書き、封書にしましょう。普通郵便の場合には、84円切手を貼り、近くのポストへすみやかに投函しましょう。速達の場合には郵便局で速達扱いで送ってもらいましょう。

まとめ

今回は、内定辞退の手紙の書き方・送り方を例文つきで解説しました。その際、次のようなポイントを挙げました。

【内定辞退の手紙の書き方・送り方】

  • 内定辞退を決めたら、手紙より先に電話で連絡する
  • 白色、3つ折りで中身が入る長形3号、中身の透けない2重封筒を用意する
  • 「手紙」「縦書き」で書く

書く内容は次の通り

  1. 頭語・結語
  2. 時候の挨拶
  3. 本文「お詫び」「内定辞退の理由」「宛先や差出人などの情報」
  4. 記入日付
  5. 差出人名
  6. 宛先情報
  • 3つ折りにして手紙を封筒に入れる。
  • 封筒に宛先と差出人の情報を記入し封書にする
  • 普通郵便か速達で送る

内定を辞退する企業とは一期一会の出会いかもしれませんが、再び何かの縁があって関わる機会があるかもしれません。次へ進む1つのステップと捉え、きちんと内定辞退の手紙を出し丁寧な対応を行ってみてくださいね。