内定辞退を考えている人で、いつまでに伝えるべきか、分からない人はいませんか?内定辞退は、期限やマナーをきちんと守り、丁寧に対応する必要があります。
この記事では、具体的な例文も合わせて、解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
【内定辞退はいつまでに伝えるべき?】具体的な期限について解説
まずは、内定辞退の具体的な期限について解説します。もちろん、決まっているわけではないので、参考程度に考えるようにしましょう。
基本的には「内定承諾書」を提出する前まで!
内定辞退の期限は、基本的に内定承諾書を提出する前までになります。内定承諾書とは、もらった内定を承諾し、就職することを表明する書類のことで、内定通知と同封されて郵送されることが多いです。
内定承諾書は、一般に到着してから2週間〜1ヶ月程度で返送するものなので、内定辞退の期限も、2週間〜1ヶ月程度になると言えるでしょう。
内定承諾書を提出した後・内定式後でも辞退できる?
結論から言うと、内定承諾書を提出した後でも、内定辞退をすることができます。
内定承諾書自体には、法的拘束力はなく、職業選択の自由があるため、内定辞退をすることは可能です。しかし、一度内定を承諾し、就職すると意思表明してしまっている以上、きちんと理由を話す必要があります。
企業側としては、内定辞退を見越した上で、内定承諾書を提出してもらうため、それを反故にするということは、提出前と提出後で、大きく心境に変化があったことを納得の行くまで説明する必要があるでしょう。
また、内定式後であっても、内定辞退をすることは可能です。内定式の段階では、雇用契約を結んでいるわけではないため、こちらも法的拘束力はありません。
ですが、内定式は、内定通知・内定承諾書を提出した後に行われるため、こちらも企業側が納得するような説明をする必要があると言えるでしょう。
看護師や保育士、公務員など職業によって期限は異なる?
内定辞退は、何も企業に勤めようとしている人ばかりではありません。看護師や保育士、公務員などに勤めようとした人で、内定を辞退したいという人もいるでしょう。
まず、看護師の内定辞退ですが、基本的には内定をもらってから、1週間〜10日以内には返事をすることがマナーとなっています。つまり、内定辞退の期限も、1週間〜10日以内にすべきということです。
ですが、万が一、遅れてしまう場合は、病院の方に早い段階で連絡するようにしましょう。
続いて、保育士ですが、こちらも3日〜1週間以内に連絡するのがベストです。看護師や保育士などは、場所によって働いてくれる人が少ないところがあり、その場合はなるべく早く伝える必要があります。
最後に公務員ですが、こちらも就職の2週間前までに伝えるのがベストです。基本的には、どの職業も話し合いとなるケースがありますが、1日でも早く伝えるのがベストであることに変わりはありません。
企業に勤める民間人も、看護師・保育士などの医療従事者、そして公務員も、すべて基本的には就職の2週間前までが基本で、それ以降や、細かいルールについては、勤め先との話し合いとなるケースがほとんどです。
内定承諾書や内定式等に法的拘束力はなくても、すぐに伝える・きちんと対応するということを行わず、相手側に損害を被ってしまった場合には、スッキリ辞退できない場合もあります。
【内定辞退はいつまでに伝えるべき?】電話・メールはどちらが良い?具体的な例文も紹介
では、電話とメールでは、どちらのほうが良いのでしょうか?それぞれのメリット・デメリット、そして伝え方のポイントや具体的な例文も紹介します。
電話で伝えることのメリット・デメリット
電話で伝えるメリットには、以下のものが挙げられます。
- 1回の電話の中で話し合いをすることができる
- 声色など誠実さをしっかり伝えることができ、相手の納得も得やすい
一方、デメリットでは、
- 電話の中でいろいろ聞かれ、考え直す方向性に説得される
- 相手と自分のスケジュールを合わせなければいけない
などが挙げられます。
内定辞退は、相手にとって迷惑になるため、なるべく早く、そして誠実に伝える必要があります。それが、最も伝わるのは、実際に来社する→電話する→メールするの順番です。
電話は、内定辞退をきちんと伝えるツールとしては、非常におすすめだと言えるでしょう。
そして、相手の反応や言葉を確認しながら伝えることができるため、自分も、そして相手も安心して話を進めることができます。
ですが、電話中に「なぜ内定辞退に至ったのか」「もう一度考え直してくれないか」と引き止めにあう可能性も十分にあります。場合によっては、来社して話し合いたいと提案を持ちかけられる場合があります。
最悪のパターンを想定しながら、流れや発言などを準備しておくと良いでしょう。
具体的な例文
電話で内定辞退を伝えた際の具体的な流れは、以下の通りです。一番良い形は、電話をするスケジュールを決めるのに、メールをして、決まった日時に電話をすることです。
以下では、メール等で日時調整を行っていない場合の電話の流れをご紹介します。
あなた:「恐れ入ります。私、内定通知をいただきました◯◯大学の△△と申します。人事担当の□□様はいらっしゃいますでしょうか。」
電話口の方:「△△様ですね。少々お待ちください。」
人事担当:「お待たせしてすみません、●●です。」
あなた:「お忙しいところ、申し訳ありません。内定通知をいただきました、◯◯大学の△△です。ただいま、お時間よろしいでしょうか?」
人事担当:「はい、大丈夫ですよ。どうされましたか?」
あなた:「非常に光栄な内定通知をいただいたのですが、いろいろと検討させていただいた結果、誠に勝手ながら、辞退させていただく、ご連絡いたしました。」
人事担当:「そうなのですね。辞退の理由についてお聞かせいただくことはできますか?」
あなた:「はい。実は御社以外からも内定をいただいておりまして、自分の適性やキャリア等を考えた結果、そちらとのご縁を感じ、入社を決意した次第です。」
人事担当:「そうなんですね。分かりました。わざわざお電話にてご連絡いただき、ありがとうございました。」
あなた:「いえ、こちらこそ、このような形になってしまい、誠に申し訳ございません。」
人事担当:「違う会社に行っても、頑張ってくださいね。」
あなた:「ありがとうございます。それでは失礼いたします。」
メールで伝えることのメリット・デメリット
メールで伝えるメリットには、以下が挙げられます。
- お互いのスケジュールを気にしなくて良いため、気軽に伝えられる
- 文面をじっくり考えて、作り上げることができる
デメリットとしては、
- 文面だけになるため、気持ちが伝わりづらい
- 会社に来てほしい、電話で話し合いたいなど、提案されることがある
などが挙げられます。
メールは、気軽に送ることができるのが、最大のメリットです。電話では、相手のスケジュール等を考慮した上で、連絡する必要がありますが、メールではその心配が要りません。
また、電話では、リアルタイムで採用担当者と話をする必要がありますが、メールでは、内定辞退したいという内容の文章を、しっかりと作り上げることができます。
気軽で、しっかり作り上げられるメリットはあるものの、気軽である反面、気持ちが伝わりにくかったり、電話や来社してほしいと提案される可能性も十分にあります。
1回のメールだけでは終えることができない可能性があるため、そこも考慮した上で送る必要があるでしょう。
具体的な例文
メールで内定辞退を伝える場合は、次のように伝えましょう。
件名:内定辞退のご連絡
本文:
○○株式会社 人事担当 □□様
お世話になっております。先日、内定の通知をいただきました、◯◯大学の△△です。
この度は、内定のご連絡、誠にありがとうございました。
非常に光栄な通知をいただいたのですが、御社の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
実は、御社以外からも内定のご連絡をいただいておりまして、自分の適性やキャリア等をしっかり考えた結果、そちらとのご縁を感じ、入社することを決意いたしました。
採用に際しまして、たくさんのお時間を割いていただいたにも関わらず、このような形となってしまい、誠に申し訳ございません。
また、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦いただければと存じます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
◯◯大学 △△
【内定辞退はいつまでに伝えるべき?】内定辞退メールの返信には返信すべき?
内定辞退メールを送ったら、必ず返信が来ますが、そのメールには返信すべきなのでしょうか?
ここでは、内定辞退メールの返信には、返信すべきなのかについてご紹介します。
承諾の内容であれば返信する必要はない
内定辞退メールを送って返ってきたメールの内容が、内定辞退の承諾であれば、返信する必要はありません。
内定辞退メール自体は、内定を辞退したいという内容が書かれた、いわば”完結型のメール”であるため、それに対する承諾・了承のメールであれば、特に返信する必要はありません。
具体的には、返信メールの中に
「弊社としては、非常に残念ですが、内定辞退について承りました。」
「◯◯様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
などの文章が含まれていれば、承諾・了承のメールだと判断して良いでしょう。
電話や呼び出しにはきちんと対応する
内定辞退メールへの返信が、何かしらの提案である場合は、それに応じた対応・返信を行う必要があります。
例えば、
- 内定辞退理由について詳細を教えてほしい
- 電話にて、改めて話し合いたい
- 来社して話し合いたい
などと提案された場合、きちんとした対応・返信を行いましょう。
この場合は、返信が必要になりますが、そういった引き止めに応じないというやり方もあります。
「今回の決断は、自分の将来について熟考をした上でのものです。非常に難しい決断でしたが、今後心変わりすることはありません。面談の機会を設けていただきましたが、このまま辞退とさせて頂きます。」
と、毅然とした態度で返信するのも1つです。ですが、よほどのことがない限りは、きちんと対応したほうが良いでしょう。
【内定辞退はいつまでに伝えるべき?】なるべく早く伝えて適切に対応しよう
ここまで、内定辞退のやり方や期限、伝え方のポイントなどについて、詳しく解説してきました。
内定辞退は、法的拘束力がないものの、入社2週間前までには言うのがマナーで、職業によっては、3日〜1週間程度で解答が求められるものもあります。
内定辞退に関して、非常に言いにくいとしても、自分の将来のキャリアに関わってくるものでもあります。きちんとした態度・対応をして、気持ちよく内定辞退ができるようにしましょう。