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風水に出てくる「五行」とは?わかりやすく解説

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風水について解説した記事などで、「五行(ごぎょう)」という言葉を目にしたことがありませんか?
五行とは風水の基本となる思想のひとつです。
本記事では五行について解説します。
風水についての理解が深まりますので、ぜひ最後までお読みください。

風水と五行の関係

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風水はラッキーカラーやラッキーアイテムを使った、おまじないのようなイメージがあるかも知れません。
しかし風水には土台となるしっかりとした思想が、存在するのです。

そもそも風水とは

そもそも風水は、人が住むのに適した土地を判定するための技術でした。
風水が生まれたのは、約四千年前の古代中国です。
当時は地形や気象条件などから、住宅に適した場所を判断していました。
その後自然観察などを通じた様々な知見が加えられ、風水は学問として形成されていきます。
風水に五行の思想が取り入れられたのは、7世紀ごろだと言われています。
同じころに「陰陽」の思想も風水に取り込まれ、五行と合わせ現代にまで通じる風水の基本となったのです。

五行とはどういうものか

五行思想とは、万物は「木・火・土・金・水」の五要素から成っているという考えです。
この五要素を「五行」と言います。
現代の我々は、全ての物質は元素で構成されていることを知っています。
五行思想は、元素というコンセプトの先取りとも言えるでしょう。
しかし五行は元素のように、物質のみを成り立たせるものではありません。
物質だけではなく、方位などの概念に宿る性質をも指しているのです。
風水では五行の各要素それぞれの性質が、我々がいる世界の関係性や相互作用をもたらすと考えます。
そうした五行の特性や影響を知って上手に制御することで、良い気を高めようというのが風水の基本的なやり方なのです。

相剋と相生

五行の要素である木・火・土・金・水は、以下2種類の関係性でつながっています。

  • 相生(そうしょう ※そうじょう・そうせいとも読みます)片方が片方を生む関係。木が火を生み、火が土を生み・・という具合に木→火→土→金→水→木と循環します。この順番は「もっ・か・ど・こん・すい」と覚えます。
  • 相剋(そうこく)片方が片方を抑え込む関係。水が火を抑え、火は金を抑え・・という具合に木→土→水→火→金→木と循環します。この順番は「もく・ど・すい・か・こん」と覚えます。

相生と相剋を正しく組み合わせ循環させると、世界の調和が保たれると風水では考えます。

風水における五行の属性

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五行を構成する各要素それぞれの特性は、どのようなものでしょうか。
要素別に解説します。

木が成長するイメージが、主な特性です。
才能を伸ばす・しなやかに育つといった性質にも通じます。
木製品や植物などが、木の気を持ちます。
東・南東が木の気を持つ方角です。

火が燃え盛るイメージが、主な特性です。
明るく輝く・熱で温めるといった性質にも通じます。
蠟燭や暖炉などが、火の気を持ちます。
南が火の気を持つ方角です。

作物などを育むイメージが、主な特性となります。
ものを受け入れる・ものを載せるといった性質にも通じます。
陶器や石造りのものが、土の気を持ちます。
北東・南西が土の気を持つ方角です。

様々に変化するイメージが、主な特性となります。
清潔である・収斂するといった性質にも通じます。
金属製品や宝石などが、金の気を持ちます。
西・北西が金の気を持つ方角です。

流れ下るイメージが、主な特性となります。
寒さで冷やす・たっぷり潤すといった性質にも通じます。
液体やガラスなどが、水の気を持ちます。
北が水の気を持つ方角です。

五行で風水の理解を深める

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五行の各要素は、どれかが良くてどれかが悪いというものではありません。
相生と相剋をうまく組み合わせて正しい循環を促すことで、環境のバランスが保たれ良い気が流れるようになります。

人にも五行が当てはまる

風水では、人にも五行が当てはまると考えます。
火の気を持つ人・水の気を持つ人・・・という具合です。
どの五行に当てはまるのかは、生年月日で判定されます。
ただし風水の中でも流派によって、判定結果は様々です。
インターネットやスマホアプに無料で五行判定ができるものが色々ありますので、複数の診断を試してみるとよいでしょう。
実は人の五行は、完全に一種類ということはありません。
人には環境や状況によって、変わる部分があります。
うつろいの中で、色々な五行の性質が現れるのはむしろ当然のことです。
「自分は火であの人は水だから相剋の関係で、相性は最悪だ」などと決めつけてしまえるほど、人間関係は単純ではありません。
水の気が多い人が暴走しそうな場面で、火の気を多く持つ人がそれを抑えるというようなことがあれば、それは五行上の特性がうまく活かされているということですよね。
自分が持っている五行の属性を必要に応じて出し分けていくのも、風水では大切なことです。

運気アップへの応用

風水に興味を持つ理由の多くは、「開運したいから」ではないでしょうか。
開運と言うと、風水占いで告げられるラッキーカラーやアイテムなどが真っ先に思い浮かぶかも知れません。
しかし気の流れを整えることで心身のバランスを保つことが、風水の基本です。
心と体の良い状態を維持することで、積極性や向上心がパワーアップします。
そうすれば、自然と幸運につながる行動が増えてくるのです。
この状態こそが開運であり、ラッキーカラーやアイテムはそれをサポートするツールに過ぎません。
一方五行についての理解を深めることは、日々の生活の中で相生や相剋の関係を見極めることにつながります。
相生や相剋に基づく気の循環を読んだり、時には修正したりすることで運気がアップするのです。
その際にラッキーカラーやアイテムは、五行思想に基づく気の流れを可視化するナビゲーションだと考えるとわかりやすいでしょう。
このように、五行思想を学ぶことでより確実に開運することができます。

古代ギリシア哲学の四元素説

古代ギリシアにも、五行思想によく似た世界観がありました。
それが「四元素説」です。
四元素とは「風・火・土・水」のことを言います。
五行思想と比較すると、「木・金」がない代わりに「風(空気)」が加わっていますね。
四元素にはそれぞれ「風=冷」「火=熱」「土=乾」「水=湿」という特性があるとされています。
西洋では長い間、この四元素が様々に結びついて世界を構成していると考えられていました。
錬金術も基本的には四元素説に基づいています。
五行思想と四元素説は類似点が多いことから、しばしば比較されます。
中には両者は根本では同一であり、究極原理なのだとするオカルト本まであったりします。
しかし、五行はある要素が別の要素を生み出す循環関係にあるのに対し、四元素では各元素は決して別の元素に変わることはありません。
似ている部分も確かにありますが、やはり五行思想と四元素説は全く別のものなのでしょう。
ただ昔の学者達が東洋・西洋それぞれで、世界の真の姿に迫ろうと似たようなアプローチをしていたのは、とても興味深いことです。
風水=迷信と思われがちですが、元々はあくまでも科学的な観察や考察であったことが五行思想と四元素説の類似性などにも示されています。
風水には現代でも通じる内容が多く含まれていますので、五行思想などを理解して上手に取り入れるときっと役に立つでしょう。

まとめ

以上で本記事を終わります。
風水はおまじないではなく、五行思想など土台となる理論があります。
五行とは「木・火・土・金・水」という、世界を構成する五つの要素です。
各要素の特性を知り相生・相剋の関係を読むことで、開運につながります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。