自己紹介を求められる場は意外と多くあります。例えば、面接の場においてもそうですし、初対面のグループが集まったときもそうでしょう。そのため、自己紹介の例が必要になる方も多いのではないでしょうか。
しかし、具体的な例は意外と出てこないものです。特に、面接での自己紹介は何を言えばいいのか困るのではないでしょうか。そこでここでは、就活の場において度々求められる自己紹介について、例を出しながら詳しくまとめていきましょう。
目次
自己紹介はお互いに打ち解けるための方法です【例の前にしりたいこと】
自己紹介は、そもそも何を目的にしているのでしょうか。ほとんどの場所において求められる理由は、お互いに打ち解けあうためです。これは面接の場所でも変わりません。
というのも、面接は企業による選考の場所であると同時に、「初対面の人間同士が話し合う場」でもあるからです。そうなると緊張するのは就活生側だけではなく、面接官の方もある程度緊張します。そこで自己紹介をすることで、その就活生がどんな人間なのかを掴みだけでも知っておき、緊張を和らげるのです。もちろん、就活生側がうまく喋れるようにする配慮もあります。
加えて、最初の自己紹介の場において、就活生が必要最低限のマナーができているかどうかを判断しています。社会における必要最低限のマナーとは、「目を見て話す」「相手にわかりやすいように話す」「背筋を伸ばして話す」といった、相手に話すときのマナーです。
こうしたビジネスマナーは、仕事の種類に関係なく重視されます。なぜなら、そうした当たり前のマナーが守られない人は社会人としてだけではなく、人としても一緒に仕事をしたくないと思えてしまうからです。相手を尊重して話を聞く、話をするという態度は、社会人であれば日常的に意識しなければならない態度です。自己紹介では、そうした最低限のマナーができているかどうかという点もチェックされています。
このときに態度の悪い就活生だという第一印象を抱かれてしまうと、そのあとから挽回することはかなり難しいと思います。なぜなら、第一印象はなかなか払拭されないという研究があるからです。いくら良いエピソードを持ってきたとしても、最初の自己紹介で「態度がよくない就活生」というレッテルを貼られてしまうと、それが面接の間中に剥がれることはまずありません。
しかし逆に考えれば、自己紹介で良い印象を勝ち取ることができたのなら、面接において大幅に有利になれます。なぜなら、最初に真面目な印象を与えることができれば、多少ミスを犯したとしても好意的に見てもらえることが多いからです。
このように、自己紹介はお互いにとって大切なものです。もちろん、就活生にとっては合否を分ける最初の関門といえるでしょう。そのために、面接の前に自己紹介の準備をしておくのは大切です。
自己紹介の例:ベストな自己紹介
自己紹介をするとき、意識したいのは「どう聞かれたのか」ということです。例えば、「これまでの実績を踏まえて自己紹介をしてください」と言われたのと、ただ「自己紹介をしてください」と言われたのとでは答え方が違います。
前者の場合は自分の名前や所属に加えてこれまでの実績をアピールし、面接に臨む挨拶を終えて終了します。後者の場合は、性格や趣味といった、仕事に関係のない部分を織り込んでも構いません。
このように、自己紹介で話す内容は聞かれ方と本人の経歴によって大きく変化します。そのため、あらかじめ文章を作ってそれを暗唱して読み上げようとすると、面接官が聞きたい自己紹介から焦点がずれてしまいがちです。
よって、複数の文章を作って暗唱するよりも、以下の例を参考にしながら項目別に自分の話せることを頭の中にキープしておき、それを組み合わせて、面接官の質問にあわせた自己紹介を作ったほうがいいでしょう。難しく感じるかもしれませんが、練習さえすればそう難しくありません。
まずは、例から見て自己紹介の文章構造と言葉遣いなどを確認してみてください。
大学で何らかの実績がある場合
〇〇と申します。〇〇大学××学部から参りました。私は、〇〇大学では語学を学んでいました。特に英語に力を入れでおり、在学中に英検準一級を取得し、TOIECでは879点を取得できました。また、アメリカへの留学も経験しており、ネイティブスピーカーと会話できるような英語力を身に着けたと自負しています。
御社は、この英語力を活かすために絶好の場だと考えています。本日はぜひ宜しくお願いいたします。
特にアピールする実績がない場合
〇〇大学××学部から参りました、〇〇と申します。大学では昔から好きだった××を学んでいました。現在は特に△△について学んでおり、世の中には様々な価値観と文化があることを感じ、驚きの連続を経験しています。好奇心が赴くものがあったら、いつも深堀りして研究するのが好きです。
この場においても、毎日の学びで感じ取ったことを活かしていきたいと思っています。本日は宜しくお願いいたします。
転職のときに使える自己紹介
〇〇と申します。本日は貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございます。私は、△△高校を卒業したあと、株式会社××に入社し、そこで4年間、現場の経験を積み重ねてきました。現場では人を観る観察眼と、円満に仕事を続ける大切さを知りました。
御社においてもこの経験が活きると考え、応募させて頂きました。よろしくお願いいたします。
既卒の場合に使える自己紹介
〇〇と申します。私は、××大学を卒業したあと、実家に帰って祖母の介護をしていました。加えて家業の手伝いをして日々を過ごしていました。大学では経営学を学んだものの、実際にそれが実際の現場では必ずしも全てが通用するものではありませんでした。
大学で学び取った経営の知識と家業の手伝いをするにあたって得た現場の知見が役に立つと思い、御社に応募させて頂きました。本日はぜひ宜しくお願いいたします。
NGな自己紹介文の例
良い自己紹介文の例だけではなく、ダメな自己紹介文も見ておくことで、自分がその例に該当していないかを判断できます。よって、以下のようなNGな自己紹介文の例も、反面教師として見ておきましょう。
多くのことを詰め込みすぎている
〇〇から来ました、〇〇と申します。出身地は△△県××市です。××市は非常に緑が多い場所で、市でありながらも自然に囲まれた少年時代を過ごしました。地元愛はありましたが、人生のためには色々な会見を積む事が必要だと考え、私は〇〇大学に進学しようと考えました。
大学時代、経営学を学びました。経営学を学んだ際には、××氏の論文に感銘を受け、△△の研究結果には深く同意しました。そのため、論文でも△△について学んでいます。
趣味は読書です。普段は小説をよく読んでいますが、××氏の論文を読んでからはアカデミックな文章を読むのにも抵抗感がなくなりました。普段から読書ばかりしているせいで、同級生からは「本の虫」というあだ名をつけられるほどです。
それから、座右の銘は「謙虚であれ」です。これは××氏が執筆した別の本で書かれていたことで、その本を読んで以来、私にとっての金言となっています。御社においても、謙虚な態度で日々仕事をしていきたいと思っています。本日はよろしくお願いいたします。
自分のアピールばかりしている
××大学△△学部所属の〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。
私の長所は、まじめなところだと考えています。それが発揮されたのは、小学校から高校まで続けていたサッカーにおいて、高校の時に優勝したときのことです。
私のポジションはフォワードなのですが、フェイントがとにかく苦手で、小学生の頃からほとんど得点に結びつかないような状態になっていました。しかし、毎日フェイントを練習し、そのおかげで高校では最も多くのディフェンダーを抜いたフォワードになれたのを覚えています。
毎日続けていれば努力は裏切らないというのは、自分にとっての永遠の座右の銘です。御社でも、この座右の銘を意識して毎日コツコツと、継続的な努力を続けていきたいと考えています。
ほとんど自分のことを話していない
〇〇大学から来ました△△です。本日はお時間を割いてくださってありがとうございます。よろしくおねがいいたします。
自己紹介は例に頼りすぎないようにしましょう
自己紹介において大切なのは、例に頼りすぎないようにすることです。なぜなら、企業が見ているのは就活生それぞれの話し方や内容のほうだからです。文脈や文章の乱れ、細かい文法といったものは、まずほとんど見ていないといってもいいでしょう。
そのため、自己紹介を丸暗記してそのまま声に出すよりは、ある程度話す内容を決めて、それを面接の場で組み立てるというほうが適切です。ただ、自己紹介に全く練習がいらないという意味ではありません。他の事項と同様に、自己紹介においても事前の練習は必須です。
なぜなら、練習をしてこないとどうしても次の文章が出てこず、「ええと」「その」「あのー」といった言葉が出てきやすいからです。こうした言葉は、少しだけならば緊張しているということをくみ取ってもらえますが、あまりにも多いと、準備不足な就活生をいう印象を与えてしまいます。
かといって、長時間沈黙してしまうのも印象としてはよくありません。よって、どうしても声が出てこなくて緊張してしまった場合は、「10秒だけ待ってください」など、素直に今が緊張しすぎている状態であることを相手に伝えましょう。
まとめ
自己紹介では例を頼りすぎないことのほうが良いでしょう。なぜなら、自己紹介で丸暗記して暗唱してしまうと、よほどの演技力を持っていない限り、それが丸暗記で暗唱しているだけの言葉であることがわかってしまうからです。
よって、少しどもったり沈黙したりしてしまったりしたとしても、ある程度面接の場で組み立ててから言葉を出したほうが自然な自己紹介になります。とはいえ、何の準備もせずに自己紹介をするとまとまりのない文章になってしまいがちなので、あらかじめ声の出し方や、文章のまとめ方は誰かに手伝って練習しておいたほうがいいでしょう。