算命学は、古代中国で生まれた学問です。日本に伝わり、これが占いとして定着しました。ここでは算命学の説明のほか、命式の算出法、星の意味や見方について説明をしていきます。
目次
算命学の見方1:人体星図を作って自分に宿る星を調べよう!
算命学は、中国・戦国時代に鬼谷子によって生まれた秘蔵の帝王学で政治や軍略の書として用いられたものです。陰陽・五行説を基本とした学問で、それによりリーダーの性格や生き方だけでなく運気や方向性といった「占い」の粋を超えた広い意味での人間学です。
陰陽・五行説は、この世は「木」「火」「土」「金」「水」という5つの要素で成り立っているという考え方のこと。
戦後、これが日本へと伝わり、算命学宗家・文学博士の髙尾義政先生が研究を重ねて公開した「天中殺」が占いとして知られるようになりました。
ちなみに髙尾先生の髙尾算命学は、東京と大阪にある学校で詳しく学ぶことができます。
では、そもそも算命学とは一体どんなものなのでしょうか。
かんたんに説明すると生年月日から独特の表を作り、生まれ持った宿命や運命を読むというものです。
宿命は生まれた瞬問に広い宇宙から与えられたその人の本質ですから、これは変えることができません。しかし、運命は選択次第でいくらでも変えられるのです。
たとえば、同じ生年月日に生また人は自分ひとりだけではありません。では、その人達が全部、まったく同じ運命を辿っていくかというとそんなことはないのです。
たとえば、自分が駅の階段から転げ落ちたとします。同じ生年月日に生まれた人が全員、駅の階段から転げ落ちるかというと…そんなバカな話はありません。
たとえ、同じ生年月日であったとしても生まれ育った環境、家族構成、周囲の人との関係、そして本人の心と行いによって現実の運命が変わってきます。
では、どうやって占っていくかというと、まず、算命学では「人体星図」を作る必要があります。
「人体星図」の作り方と見方
算命学では「人体星図」と呼ばれる表が元となります。文字通り、身体に星座を当てはめたもので、これはいわばIDのようなもの。
作り方はネットで「算命学 命式」または「算命学 人体星図」で検索すると、かんたんに命式ができるサイトがあるので、見つけてみましょう。
まずは、自分の人体星図を出してみましょう。
たとえば1958年5月10日生まれだとします。生年月日を入力すると、このような表ができあがります。
西暦1958年5月10日生まれの命式
丁 | 丁 | 戊 | 調舒星 | 天印星 | ||
亥 | 巳 | 戌 | 玉堂星 | 調舒星 | 祿存星 | |
甲 | 戊 | 辛 | 天報星 | 貫索星 | 天将星 |
左側が自分の本質や生まれ持った陰占(いんせん)、右側の人体星図は陰占に対して陽占(ようせん)といいます。これは自分の性格や適性、人生のサイクルを表しています。
右側の8つで表されている星図を示しているのは各体の部位です。
頭 | 左肩 | |
右手 | 胸 | 左手 |
右足 | 腹 | 左足 |
頭…胸が自分自身を表すので、頭は目上や両親から見たあなたの性格をさします。(上の表では調舒星。)
左肩…左肩は頭に近いので親に近いということから、初年期の運命を示しています。(上の表では天印星。)
右手…右手は利き手の人が多いので、配偶者を表します。(上の表では玉堂星。)
胸…自分自身を表しています。(上の表では調舒星。)
左手…左手は兄弟姉妹・友人との関係を示しています。(上の表では祿存星。)
右足…右足は、晩年期の運命を表します。(上の表では天報星。)
腹…胸が自分自身を表すので、腹は目下の人や子どもから見た性格をさします。(上の表では貫索星。)
左足…左足は、中年期の運命を表します。(上の表では天将星。)
次に左側の陰占は何を示しているかというと、生年月日を十干十二支で示したもので、これは持って生まれた本質を表しています。
左から年、月、日でこれから年と月の天中殺がわかります。
算命学の見方2:人体星図の星は位置によって表す意味が違う!
算命学では以下の十大主星(じゅうだいしゅせい)が使われます。
貫索星(かんさくせい)
石門星(せきもんせい)
鳳閣星(ほうかくせい)
調舒星(ちょうじょせい)
禄存星(ろくぞんせい)
司禄星(しろくせい)
車騎星(しゃきせい)
牽牛星(けんぎゅうせい)
龍高星(りゅうこうせい)
玉堂星(ぎょくどうせい)
ただし、これらの星が人体星図のどこに表れるかによって意味が変わってくるので注意が必要です。
算命学の見方3:持って生まれた「性格」を知れば自分自身がわかる!
人体星図をもう一度見てみましょう。
頭、胸、腹、右手、左手の5か所にある星が、自分の主星となります。これは生涯宿るものとなり、変えることはできません。
体の中心となる胸にある星が「性格」を成す星。先天的なこの星はいわば心の元になるものです。
キーワードを並べてみました。あなたの星はどの星だったでしょうか。
キーワードから宿命的な本質を探り出し、じっくりと自分と向き合ってみましょう。
木性 陽 貫索星…頑固、自我心、マイペース、自立心
陰 石門星…社交性、柔軟性、和合、統率力、集団、政治力
火性 陽 鳳閣星…のんびり、趣味、自然体、味覚
陰 調舒星…感受性、記憶力、デリケート、反骨精神、芸術
土性 陽 禄存星…寛大な心、柔軟性、愛情、奉仕、安定、現実的
陰 司禄星…堅実、家庭的、収集、蓄積、保守的、家庭愛
金性 陽 車騎星…行動力、勇気、純粋、短気
陰 牽牛星…プライド、責任感、真面目、律儀、自尊心、
水性 陽 龍高星…冒険、忍耐力、創造性、独自性、放浪
陰 玉堂星…智恵、学門、伝統、古風、批判力、理屈、教育、平和
算命学の見方4:自分を取り巻く人とのつながりを明らかにする!
体の各位置にある星の組み合わせを見ると知りたいことがわかります。ここでは、見方とそれによって何がわかるのかだけを説明します。
実際の占いはネットで探し出して行ってください。
・「胸」と「右手」が表すのはパートナー
結婚している人も未婚の人も誰もが持っているのが、「胸」と「右手」の星を見ることで恋の宿命を見ることができます。
たとえ、もう恋愛なんてこりごりだ、結婚に失敗してもう二度と結婚なんてしたくないと思っていても、人はひとりでは生きてはいけない動物です。
今後の恋愛を覗いてみることで、これからの生活にも弾みがついてくるかもしれません。
・「胸」と「左手」が表すのは結婚生活やパートナーとの関係
パートナーがいる人もいない人も、「胸」と「左手」を見ることで宿命にある結婚生活やパートナーとの関係が見えてきます。
縁あって知り合い、結ばれることになった人ですが、実は持って生まれた結婚像や配偶者像というものがあるのです。
星はどのようなメッセージをあなたに与えているのかを見てみましょう。
宿命の相手とめぐり合えれば、あなたの人生を豊かなものとしてくれるはずです。
・「胸」と「頭」が表すのは親との関係
親の存在がどのようなものなのかが「胸」と「頭」の星を見ることで表れてきます。小さな子どもだった頃から、大人になれば、立場が違ってくると関係性も自然と変わってくるものです。
親は選べませんが、すてきな関係を作っていきたいもの。自然の原理からすれば親は先に亡くなりますから、別れが来た時に後悔しない関係を築いていけたらと思います。
星を見て、親との関係を見つめなおしましょう。
・「胸」と「腹」が表すのは子どもとの関係
子どもがいる人もいない人も、星を持っています。もちろん、子どもとの関係もお互いが年を取ることで変わってくるもの。
これは親とあなたとの関係と同じです。毎日、いろんなことが起こり、人はその都度、人生の勉強をしています。
もちろん、つい同じ失敗ばかりを繰り返してしまうこともあるでしょう。過ぎた後で、「また、同じようなミスをしてしまった!」と気づくこともあるかもしれません。
何度か繰り返せば、同じようなミスもいつの間にか繰り返さなくなるものです。というか、年を取ると、回避能力も生まれ、自然と近づかなくなり、失敗しなくなります。
子どもとの関係もうまくいく時もあれば、うまくいかない時もあるのです。持って生まれた星を見つめなおし、さらにスムーズな関係が続くようなヒントを見つけてください。
・「腹」と「右手」が表すのは仕事
持って生まれた才能を活かした仕事に就けば、もっと輝ける可能性があります。今までやってきた仕事のキャリアアップ、新しい仕事への挑戦といったように、特性を発揮するために星を覗いてみましょう。
今のままでいいのかな? と思っている人、この仕事って自分に合っているのかな…と悩んだら、可能性を広げる時期。無理をせずに仕事を選び直したり、特性を活かして可能性を広げてみましょう。
・「左手」と「左足」が表すのはあなたの老後
人はおぎゃあと生まれた時から死へと向かっています。まだ、若い時は、老後なんてまだまだ先のことだし…と、とても考えられないことでしょう。
とはいえ、一日があっという間に過ぎ、1年がすぐ過ぎていくように10年も20年も同じように過ぎ去るものです。年を重ねた時、あなたはどうなっていたいでしょうか。
今や人生100年時代。80代、90代になった時に元気で若々しくいられ、毎日を楽しく過ごせればどんなにいいものでしょうか。
これからの生活に活かせるヒントを見つけてください。
まとめ
算命学は複雑で、なかなか理解できないものです。しかし、知りたいものだけをパッと調べるだけなら、ネットでもかんたんに探すことができるもの。
ご存じのように占いにはいろんな種類があります。中には「算命学」を初めて知ったという方もいるかもしれません。
算命学は前向きの選択で行動するようになれば、あきらめていた運命が今からでも変えられるという占いです。算命学で生まれ持った星を知り、「本当の自分」を見つめなおしてみましょう。
そうすることで、よりよい人生を送ることができるようになるはずです。