リファラル採用を取り入れる際に大事なことは報酬を用意することです。適切な報酬を用意していれば、リファラル採用が成功しやすくなります。そこで、リファラル採用の報酬設定のポイントについて説明します。
目次
リファラル採用に報酬を設定する理由
そもそもどうしてリファラル採用に報酬を用意する必要があるのか、その理由について説明します。
インセンティブがないと社員は動かない
インセンティブを用意しないと社員はリファラル採用のために動いてくれないでしょう。リファラル採用に協力しても何も報酬が発生しないならば、そもそもやる気が出ないからです。下手にリファラル採用に参加して失敗してしまい評価が下がるぐらいであれば、何もしないという社員が出てくるでしょう。インセンティブを用意すれば、報酬を目当てにして積極的にリファラル採用に参加する社員が増えます。
報酬を用意することでリファラル採用が活発化する
報酬を用意しておくと社員はリファラル採用に真剣に取り組むようになります。その結果、実際に報酬を受け取った社員が出てくれば、その噂は社内に広まるため、さらに多くの社員がリファラル採用に参加するようになるでしょう。このような好循環が生まれるため、報酬を準備することでリファラル採用が活発化します。
優秀な人材を採用できるようになる
リファラル採用の報酬を設定する方法はさまざまです。たとえば、特定のスキルを持った社員を紹介したら報酬をアップするという設定をすれば、優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。優れた人材を紹介した人ほど多くの報酬をもらえるようにするのです。そうすれば、リファラル採用の効果が出やすくなります。
社員に広く認知されるようになる
リファラル採用をただ始めるだけではなかなか社員に広まりません。そこで、報酬を準備することで広まりやすくなります。高い報酬を設定すれば、多くの社員が話題するようになり、自然とリファラル採用のことが周知されるようになるのです。
リファラル採用の報酬の決め方
リファラル採用では報酬をどのように決めるべきか悩むケースが多いです。そこで報酬の決め方について説明します。
報酬を出す条件を決める
リファラル採用ではどのタイミングで報酬を与えるのか条件を決めることが大切です。たとえば、実際に採用が決まった段階で報酬を出すというパターンがあります。あるいは、入社して一定期間経過してから報酬を与えるという方法もあるでしょう。どのような条件にするのかは、それぞれの企業の状況に応じて考えるとよいです。いずれにしても明確な条件を定めることが大切です。もし、従業員がすぐに辞めてしまうのを避けたいならば、一定期間経過してから報酬を出すようにするとよいでしょう。
評価単位を決める
リファラル採用の報酬を支給する対象を個人にするのかチームにするのか決めることも大切です。基本的には評価単位を個人にする企業の方が多いでしょう。しかし、これでは本当にやる気のある社員しかリファラル採用に協力してくれなくなります。チーム単位で評価する制度にすると、みんながチームのために協力しあう体制ができます。どちらのパターンにも一長一短があるため、よく考えて決めてください。
報酬を与える対象を決める
報酬については紹介をした人のみを対象にするのが一般的です。しかし、別のパターンとして、紹介されて入社した人も対象にするというパターンもあります。もし、紹介者だけが報酬をもらえるようにすると、その人だけが得をすることになり、候補者に対して引け目を感じる恐れがあります。紹介された側は、自分は報酬を得るために利用されたと考えてしまうかもしれません。人間関係が悪化するのを避けるためにも、紹介者と紹介された人の両方に報酬を与えるという企業があるのです。
報酬額を決める
リファラル採用の報酬額をいくらにするのか決めることは大切です。基本的には数万円程度のインセンティブが設定されていることが多いです。ただし、中には10万円を超えるような金額を設定している会社もあります。あまり高額になりすぎないように注意することが大切です。高額だとコストがかかってしまうため、リファラル採用を導入した意味がなくなってしまいます。制度を維持することが困難になるでしょう。そのため、無理なく制度を存続できるような金額にすることをおすすめします。
リファラル採用の報酬の事例
リファラル採用の報酬にはさまざまなパターンが存在しています。どういったインセンティブを用意している会社があるのか紹介しましょう。
現金を与える
1番ポピュラーな方法といえば現金を与える方法です。条件を満たしたものに対して報酬として現金を支払います。リファラル採用を業務の1つとして位置づけするのであれば、報酬として現金を与えるのは1番わかりやすい方法でしょう。これならば報酬を賃金に組み込むことができるため、法的にも問題ありません。多くの社員にとって、現金を受け取れることが1番嬉しいと思われるため、インセンティブとして高い効果を期待できます。
休暇を与える
リファラル採用のインセンティブとして休暇を与えるというパターンがあります。うまく人材を紹介することができれば休暇が付与されて休みが増えるため、これも大きな効果を期待できるでしょう。現金をもらうよりも休暇をもらうほうが嬉しいという社員もいます。たとえば、1人を紹介するにつき有給休暇が増えるという制度を考えることができるでしょう。この有給休暇は通常のものに追加される形となります。ただし、有給が増えてもそれをきちんと消費できる環境でないと意味がありません。休暇を報酬にするならば、休みやすい環境を整えることにも気を配りましょう。
人事評価に組み込む
リファラル採用の結果を成果として人事評価に組み込むという方法があります。一生懸命リファラル採用に取り組むことで評価が高まり、将来の昇進や昇給に有利となるのです。この方法では社員のモチベーションを高めることができるのですが、不満が大きくなる可能性もあるため注意しましょう。リファラル採用で紹介できるような人間関係がない社員もいるからです。友達や知人の多い社員ほど有利になってしまうため不公平感が出てしまう可能性があります。そのため、リファラル採用を人事評価に組み込むのは慎重に行いましょう。
表彰する
リファラル採用で優秀な成果を上げた社員に対して表彰するという会社があります。表彰制度の場合は人事評価に組み込まれるわけではないため、その点では不満が出にくいでしょう。ただし、会社から表彰されることにすべての社員が喜びを感じるとは限りません。表彰制度を用意するだけではインセンティブとしては弱いと考えられます。そのため、表彰制度を導入するならば、ほかの報酬も同時に用意するとよいでしょう。現金などの報酬を用意したうえで表彰制度を整えると、社員のやる気は高まります。
リファラル採用の報酬設定の注意点
これからリファラル採用において報酬設定をする上での注意点について紹介します。
インセンティブはあくまでも手段
リファラル採用におけるインセンティブはあくまでも手段であると理解しましょう。インセンティブを用意するかどうかは確かにとても重要な問題です。しかし、インセンティブにばかり気を取られて、肝心のリファラル採用の制度設計がおろそかになってはいけません。しっかりとしたリファラル採用のシステムを整えたうえでインセンティブについて考えるべきです。インセンティブは社員のやる気を高めるための方法であって、リファラル採用が効果的に進むかどうかとは別問題と考えましょう。
法律に注意する
リファラル採用の報酬は法律に関わる問題のため気をつけましょう。人材を紹介するというのは、本来はきちんと許可を得ないとできない業務だからです。法律を回避するためには、報酬を賃金として支払う、就業規則に定める、業とみなされない一般的な額の報酬にするといった制度設計が必要です。たとえば、リファラル採用の紹介料が累計して100万円を超えるようになると法的に問題が生じる恐れがあります。この点からもリファラル採用の報酬はあまり高額に設定するべきではないのです。
相場を意識する
リファラル採用の報酬額は基本的に相場を意識することをおすすめします。多くの企業が相場に近い報酬額を設定していて、法的に問題なく制度を運用しているからです。今のところ、リファラル採用の報酬額が違法であると行政指導されたケースはないとされています。しかし、今後はリファラル採用がより多くの企業で採用されるようになるため、厳しく行政指導されるケースが出てくるかもしれません。行政のチェックが厳しくなるのは確実でしょう。そのときに備えて、報酬額は相場からあまり離れた数字に設定するのは避けておくべきです。
社員に格差が生まれないようにする
リファラル採用の業務というのは誰にでもできるものではありません。どうしても社員ごとに格差が出てしまうでしょう。そのため、特定の社員ばかりが報酬を得て、それ以外の社員は全然報酬を得られないというケースもあります。これでは社員ごとに格差が生まれてしまい、人間関係の軋轢が生まれてしまうリスクがあるでしょう。このような事態を避けるための工夫をすることは大切です。たとえば、チームごとに報酬を設定するという方法であれば、リファラル採用が苦手な人がいたとしても、他のメンバーにサポートしてもらうことができて、一緒に報酬を受け取れるため不公平感がなくなります。
まとめ
リファラル採用の報酬についてまとめました。報酬制度をうまく活用することができれば、社員のモチベーションを高めて、リファラル採用を成功させられる可能性が高まります。この記事を参考にして報酬について考えてみてください。